~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
日経平均株価は12月1日に約3ヶ月ぶりに2万円台を回復しましたが、その後1週間余りで1000円近くも急落し、先週とは景色が大きく変わってしまいました。
欧州中央銀行による3日の追加緩和が肩透かしに終わり、期待先行で買いを入れていた投資家の売りで反動安に見舞われました。
また、今年幾度となく取りざたされた米利上げに関して、いよいよ来週15日、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で決着するとの観測が株価の上値を押されています。
もう一つの波乱要因であったメジャーSQを無事に通過したことで、11日の東京市場はひとまず反発しましたが、FOMCを控えて新たな不安材料が浮上しています。
■頼みの「日銀買い」がついに弾切れ?
日経平均株価は3日続落した10日に、日銀が上場投資信託(ETF)を369億円分買い入れました。
この結果、2015年の買入れ総額が累計で2兆9,956億円と日銀が目安とする年3兆円に迫っており、年内に12営業日を残してすでに「弾切れ」となった可能性があります。
16日に開催されるFOMC前後には、株価の変動幅が今週以上に広がることが予想されます。日銀による今年のETF買いが終了したとわかれば、売り方を勢いづかせるには十分です。
■FOMC明け、来週17日、18日の日銀会合に注目!
一方、年間約900億円に相当するペースで買い入れるとしている不動産上場投資信託(J-REIT)については、10日時点で921億円と、目標額を21億円上回るまで買い入れを行っています。
約3兆円、さらに「相当するペース」と若干含みを持たせているため、2、3回分であれば許容範囲なのかもしれませんが、あと12営業日残っているため、ぎりぎりといったところ。
もっとも、FOMCの陰で注目は高まっていませんが、来週17日、18日には日銀の金融政策決定会合が開催されます。
追加緩和の発表があれば、「弾切れ」の心配は杞憂に終わることでしょう。
小野山 功