■今、「マザーズ市場」に注目が集まっている。
翌日以降は持ち直したものの、利益の大部分を海外との輸出入に頼る大型株に関しては、今後も不安定な状況下に置かれることは間違いないだろう。
東証1部に連なる大型株への不安と、日本郵政3社の過熱感が落ちついたことも重なり、国内の安定した中小型株に個人投資家の資金が流れ、17日以降より始まった1年5ヶ月ぶりとなる「脅威の7連騰」を記録した、マザーズの躍進へと繋がったといえよう。
3か月半ぶりの高値をつけたジャスダック市場と共に、世界情勢と地合いを味方に付けた新興中小型株が、年末へ向けて大きな盛り上がりを見せている。
■マザーズの7連騰をけん引した、ミクシィ(2121)の上昇に注目
マザーズの7連騰をけん引したのは、ロボットスーツ「HAL」が厚労省より医療機器の製造販売承認を得たことを材料として急騰したサイバーダイン(7779)と、特に要因なく上昇したミクシィ(2121)だろう。
スマホゲーム「モンスターストライク」を武器に、昨年2月には1000円を割れていた株価を僅か9ヶ月で7倍の6970円まで引き上げたことは記憶に新しいが、3ヶ月半に渡り上値を抑えられていた5000円台を、地合いの良さだけであっさり突破したことは、「他のゲーム関連銘柄」にも好影響を与えている。
■コロプラ(3668)の社員も驚いた「決算後の急騰劇」
ゲーム会社のIPOが相次いだ2012年に上場し、初値376円からミクシィと同じく9ヶ月で13倍まで上昇した後、低迷を見せていたコロプラ(3668)も同様に、先月11日の好決算をきっかけに連騰し、4営業日で2040円から2710円まで値を上げ、現在も高水準を保っている。
人を介して聞いた話ではあるが、一部のコロプラ社員の中では、ここ最近は好決算を発表しても翌日下げるというアノマリーがあったそうで、決算後の急騰劇を見て「なぜこんなに上がる?」と驚いたそうだ。
市場を席巻した一時の勢いからは陰りが見え、「ゲーム株はもうダメだ…」との見方が強まっていたが、ここにきて変化してきているとみる。
一世を風靡したパズドラのガンホー(3765)の様に、ヒット作がひとつ出れば数十倍どころか数百倍の上昇が見込めることから、『ゲーム株は一つ当たればデカいギャンブルだ』と言うイメージを持つ投資家が多いが、実はギャンブル要素は少ない。
底値からの復調を見せるミクシィにしてもコロプラにしても、特に新たなヒット作を年内に出したということはなく、大ヒットに恵まれなくとも、現状の収益源や他の材料があれば株価の上昇見込みは十分ある。
もちろん当たればガンホーの様な巨額の富を得ることができ、当たらずとも掛け金全て失うことはおろか、損すらしない事も往々にしてある、そんな到底ギャンブルとは程遠いゲーム株を一つも持たないと言うのは、大きな機会損失と言っても過言ではないだろう。
12月後半にはIPOとしてフリュー(6238)、マイネット(3928)、2社のゲーム関連株の上場を控えており、先週からロボットをキーワードに過熱化しているが、これから新たな物色先を探す事になるとみれば、ゲーム株相場の再燃が年末から年明けにかけて起こるかもしれない。
12月は「ゲーム関連銘柄」を洗いなおしてみてはいかがだろうか。