株式分割の需給緩和消化機運
昨年発売した爪の水虫薬「クレナフィン」の売り上げが想定を上回ったこと。研究開発費の一部が来期にずれ込んだこと。そして10月に併合した科研不動産サービスとの経営合理化の効果が出たことによるものと考えられます。
株価は2015年9月28日実施の1対0.5の株式分割を反映して需給が緩和。利益確定売りも出て、いち早く調整に入りましたが、次第に下値を切り上げつつあり、チャートは横ばい形状となり、調整明けを示唆しています。
さて、海外からは米製薬大手ファイザー(PFE.N)が11月23日、アイルランドに本社を置く同業アラガン(AGN.N)を約1600億ドルで買収合意し、世界最大の製薬会社が誕生するというニュースが報じられましたね。背景にある薬品会社のグローバル競争が激しさが増していることがうかがわれます。ファイザーは米国より法人税率が低いアイルランドに本社を移すことで税負担軽減を期待しているといわれますが、ユーロ圏や成長性の高いアフリカを視野に入れた戦略もあるのではないでしょうか。
日本の製薬会社もより効率的かつ、効果的な経営を推進し、グローバル競争に後れを取らないように対策していることでしょう。
その意味で、科研製薬の一連の経営判断は時節にかなったものといえ、分割による需給緩和を消化したのちはより、効率的効果的な事業展開に励むものと期待したいと思います。
現在の株価水準は25日、75日移動平均線との低かい離から水準としては買いやすい状態といえます。売り目標はリンク先の「みんなの株式」の目標株価が一つの目安となりますが、まずは中期9000円どころ、短期8300円どころとしてぼつぼつ買いを入れていくというスタンスがいいのではないかと思います。