~ 小野山功が見通す「連休明けの株価材料」 ~
※9/18 誤字修正
米連邦準備理事会(FRB)は17日まで開いた公開市場委員会(FOMC)で、焦点となっていた利上げを見送り、事実上のゼロ金利政策を維持することを決定しました。
利上げ見送りを受けて好感した買いを集める場面がありましたが、米国株は前日におよそ1ヶ月ぶりの水準を回復していたこともあり、発表後は利益確定売りが優勢でした。
年内に10月、12月とあと2回のFOMCの開催が予定されています。今回決定が見送られたことで、10月下旬にまた利上げをめぐって株価が乱高下するのではないか?そんなことなら今上げてくれたら良かったのに…と株式トレーダーの恨み節が聞こえてきます。
株式市場は先行きが読めないことを最も嫌います。金融政策の不透明感がくすぶったままでは、利上げ警戒論が市場の重しになりそうです。
■連休明けは「配当」に絡む買いが下支えに
18日(金)の東京市場で日経平均株価は362円(-1.96%)安と大幅反落しましたが、シルバーウィークの大型連休となるため、国内事情も影響しています。
国内が休場中に欧米市場が3日間(18日も含めれば4営業日)開くため、リスク回避を目的とした売りが下押ししました。押し目買いが入りづらい状況にあったことも、下げ幅を300円超に広げた要因です。
一方、連休明けの9月25日(金)には3月期企業の中間配当の権利確定日となります。
中間配当は総額で3兆7000億円強と前年同期比18%増え、過去最高になる見通しです。(9月6日付 日本経済新聞より)そのため、配当を狙った買いが下支えになることが見込まれます。
また、今月に入って空売り比率が40%台に乗せる日が続いており、空売りが溜まっています。売りポジションを25日に持ち越すと配当金相当額を貸し手に支払う必要があるため、同日までに買い戻す動きが想定されます。
■月末には「機関投資家」のドレッシング買いも
この他、9月30日は四半期の締めとなり、機関投資家が7~9月の運用成績の取りまとめを行います。
日経平均株価は6月30日の終値から2160円(10.6%)ほど下落しており、7~9月の運用成績は大幅なマイナスが見込まれます。機関投資家が持ち株の評価損を少しでも減らすために、持ち株に買いを入れるいわゆるドレッシング買いで、月末に向けて掉尾の一振が期待できるのではないでしょうか。
特に公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、今年4~6月までは5四半期続けて運用益を維持していたものの、7~9月期に大幅な運用損益を計上するのはほぼ確実な情勢です。
昨年10月31日に国内債券に偏った運用を改め、国内株式の比率を25%に引き上げたばかりです。株式偏重への批判が出かねないため、少しでも評価損を減らしたいと考えるもの無理はないでしょう。
小野山 功