~ 小野山功が見通す「今週の株価材料」 ~
8月末の下げで株価は一旦底を打ったかと思いきや、9月4日(金)の東京市場で日経平均は節目の18000円を割り込み、7か月ぶりの安値を付けました。
この日は欧州の金融緩和への期待から130円ほどの上昇で始まりましたが、寄付きを高値に下げに転じ、一時下げ幅が570円に広げるなど、まだ市場に落ち着きは見られていません。
■「今売っても損が出ない」日本株が売りの対象に
マーケットのムードを悪くしたのが、(9984)ソフトバンクグループの下げでした。
外資系証券会社がソフトバンクの目標株価を引き下げたことで、朝方から売りが優勢。9時9分に6600円を割り込み年初来安値を付けると、日経平均株価も連れて下げに沈みました。
また、(2121)ミクシィが後を追うように安値を更新。ミクシィ株の安値更新が追いうちをかけ、後場下げ幅を広げました。
日本時間でその日の夜に米国で雇用統計の発表を控えていたため、結果次第では9月17日のFOMCでの利上げの可能性が高まり、マーケットが一段と冷え込む恐れがあったこと、また、7日(月)は米国が労働者の日で休みとなるため、外国人投資家が前もって日本株を売却に動いた可能性があります。
9月3日に東証が発表した投資部門別売買動向で、外国人投資家による売り越し額(含む先物)が1兆8503億円と、2004年以降の最大となったことがわかっています。
日本株を売る特段の理由はないものの、すでに米国やドイツなどの主要国の株価が年初来安値を更新していたため、比較的値もちが良く、今売っても損が出ない日本株が売りの対象になった可能性があります。
■9日は「魔の水曜日」なため、荒っぽい値動きに注意
日経平均株価は、8月26日のザラ場中の安値(17,714円)を割り込んだため、今週は2番底を探る動きが予想されます。
9月11日(金)にはメジャーSQが控えています。SQ前の水曜日は「魔の水曜日」といわれ、先物の限月移動の売買で値幅が出やすい傾向にあります。
仕掛け的な売買で荒っぽい値動きが予想されますので、買いは急がず、魔の水曜日通過までは様子見するのが得策かと思います。
小野山 功