人民元安・ドル高に誘導で輸出を促進狙い
この突然の人民元の切り下げを受け東京株式市場では、6月24日につけた取引時間中の年初来高値2万952円に肉薄していた水準から一気に350円程急落して一時、2万600円を割り込んだ。前日まで4日続伸と勢いに乗り、年初来高値更新に王手が掛かっていただけに、やや過剰反応と思われるほどの変動となった。
冷静に考えれば、人民元切り下げで中国の輸出が回復し、景気自体が持ち直せば日本企業にとっても歓迎すべきこと。実際に人民元建ての貿易は少なく、日本の輸出入への影響は限定的だ。さらに、きょうの外国為替市場では、人民元安・ドル高が進行したものの、円・ドル相場は約2カ月ぶりに一時、1ドル=125円台をつけるなど、1ドル=124円台後半での推移となっている。
人民元の切り下げが進むと、中国人の購買力にブレーキが掛かるとの見方から、インバウンド関連銘柄の資生堂<4911>、三越伊勢丹ホールディングス<3099>などが売られたものの、総じて影響は軽微だったといえる。