~ 小野山功が見通す「今週の株価材料」 ~
★【チャイナ・ショックは一服】今週は再びギリシャに注意!14日には「サムライ債」の返済も。
先週のマーケットはチャイナ・ショックで大荒れの展開となりました。9日(木)、寄付き直後に日経平均株価は下げ幅を一時620円超に拡大。
前日からの下げ幅は一時1260円(6.2%)を超え、パニック的な売りで下げ幅を10%超に拡大する銘柄が続出しました。
■物色の矛先はディフェンシブ株へ
ただ、下げて始まった中国・上海総合指数が切り返したことで、投資家心理が一変。620円安から120円高まで急速に値を戻す、まさにジェットコースターのような相場に。1日の値幅は何と740円、2年ぶりの大きさでした。
中国株は、9日、10日の2営業日で計10%高と急反発を見せましたが、(5401)新日鐵住金や(7201)日産自動車など、中国関連株の戻りは鈍い状況です。
物色の矛先は、(9432)NTT、(9433)KDDIなど大手通信株や、景気変動の影響を受けにくい医薬品などディフェンシブ株に向かっており、強気になりきれない投資家心理を反映する相場展開となっています。
■今週はギリシャ問題の再燃に警戒を
先週のマーケットは中国株に振り回される波乱の展開となりましたが、今週はギリシャ問題の再燃に警戒する必要がありそうです。
12日(日)には、ギリシャが提出した財政再建策を巡って、ユーロ圏首脳会議が開催されます。再建策がNOとなれば、財政破綻(デフォルト)が現実味を帯びてきます。
14日(火)には円建てで発行された「サムライ債」の償還期限が控えています。規模はおよそ117億円と大きくありませんが、日本にも直接影響があるため、おもわぬ波乱要因になる恐れも。
■銀行の営業再開で投資家心理は
また、ギリシャの銀行は6月29日から営業を停止していますが、13日(月)に再開される見通しです。(何度か延期になっているので、再延期の可能性もありますが)
ギリシャの財政は危機的な状況に陥っていますが、通貨「ユーロ」は国際的に信任されているため、ギリシャ国民の預金には価値があります。
通常デフォルトに陥った国の通貨は価値がなくなりますが、今回は共通通貨という新しいケースのため、デフォルト後の影響が読めないのです。
銀行が再開すれば、どうなるか。営業が再開された銀行窓口には、預金者の長蛇の列ができ、我先に現金を引き出す…。映像が世界中に配信されれば、投資家心理が一段と冷え込みかねません。
チャイナ・ショックは一息つきましたが、ギリシャ問題が根本的な解決に至っておらず、強気に傾くのはまだ早いようです。
小野山 功