2.5億円を上限とする自社株買いも
*7月8日追記
中国株が急落し、投資家心理が悪化しています。日経平均株価は2万円を割り込み、下げ幅を400円超に拡大しています。
一方で大日本塗料の下げ幅は1%と小幅にとどまっています。同社は売上げの9割ほどが国内ですし、原油安を受けて製造コストが下がるから、中国株安が波及する動きになっていません。
地合いに逆らうことはできませんが、中国株安については大きな影響はないものと考えます。
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■注目銘柄
┗大日本塗料(4611)
通称「DNT」。重防食塗装に強みを持つ、三菱グループの塗装メーカーです。
2020年の東京オリンピックに向けた都心の再開発や、老朽化したインフラ補修の防食塗装が好調です。
前期(15年3月期)の業績は、営業利益が44億円と会社計画(43億円)を上回る着地となりました。16年3月期についても、経常利益が11.2%増の49億円、最終利益が8.8%増の30億円と連続増益を見込みます。
同社は低位株ですので、業績好調というイメージはないかと思いますが、今期も経常増益となれば、なんと6期連続です。
原油由来のナフサの価格が前年比で下落しており、原料安や輸出採算の改善が期待され、会社計画を上回る好業績への期待も高まります。
また、同社はこれまで、株主還元に積極的な企業とはお世辞にも言えませんでしたが、株主重視の方針を打ち出しています。今期から個人の安定株主を増やすために株主優待を新設したほか、2.5億円を上限とする自社株買いを発表しました。
5月13日の決算発表以降、株価は上昇基調を強めていますが、200円での上値の重さが意識され、足元では日柄調整に押されています。
ただ、予想PER=9.2倍と割高感は見られておりません。自社株買いに関しては6月末までに1株も買い付けていませんでしたが、一株純資産が178円程度あるため、この水準を割り込むようであれば、自社株買いが期待できるでしょう。
また、年初から株価の調整が続いていた塗料最大手、日本ペイントホールディングス(4612)が、3日(金)に6.7%高と急伸し下げどまる動きが見られました。DNTにも連想物色が期待できそうです。
小野山 功