小野山功が見通す「今週の株価材料」~【騰落レシオとコア30を見よ】11連騰に惑わされるな、じつは過熱感ない日本株
11日間に日経平均は1000円ほど上昇しており、短期的にはスピードが早すぎる印象も受けます。
ただ、株価の絶対値が上昇しているわけですので、1000円であれば5%ほどの値上がり率にとどまっています。
また、テクニカル指標を見ても過熱を示すサインが出ていないことが、今回の株高の特徴です。
■騰落レシオは加熱ゾーンを下回る
11連騰した29日時点の東証1部の騰落レシオ(25日平均)は、前日から6ポイントと大幅に上昇したものの、114.73で過熱ゾーンとされる120を下回っています。
歴史的な連騰記録がはじまったしたのが、決算シーズンも終盤となった5月15日(金)でした。この日は日経平均株価が162円(0.83%)上昇し、東証1部の68%にあたる1203銘柄が値上がりしました。
5月15日(金)~5月29日(金)まで日経平均は上げ続けていますが、5月21日、26日の2日の騰落数は、それぞれ21日(値上がり=725.値下がり=1,033)、26日(703.1,024)と値下がり銘柄数が優勢だったのです。
つまり、11日間のうち2日間の“下げ”を挟んでいるのです。指数は連騰を続けていますが、きちんと休みは取っているということになります。
■コア30銘柄で11連騰は1社もない
時価総額上位企業で構成されるコア30銘柄のうち、5月15日~29日までの11日に11連騰している企業は、実は1社もないのです。
株価指数は連騰を続けていますが、個別銘柄を見ると10連騰している銘柄はなく、小休止を挟んでいることがわかります。
結果的に日経平均株価は11連騰し27年ぶりの大記録を打ち立てましたが、実態ではさほど過熱感は高まっていないとみることができるのではないでしょうか。
小野山 功