小野山功が見通す「今週の株価材料」~【時価総額591兆円は25年ぶり】“バブル期越え”の日本株、海外投資家の動向は?
景気判断の修正は1年10か月ぶりとなりますが、追加緩和への期待は後退するため、株式市場には悪材料となる可能性がありました。
ただ、景気は回復が着実なものになるとの見方から、結果発表後も株を買う動きが続き、日経平均は6日続伸。連日で年初来高値を更新しました。
この日の時価総額(東証1部)は591兆3000億円と、バブル期の1989年12月末の590兆9000億円を25年ぶりに塗り替えました。
■サーベラスの売りは“利益確定”か
“バブル期越え”の明るい話題の一方で、22日に注目されたのが、(9024)西武HDの急落です。一時14%安と大幅に値を落としました。
筆頭株主の米投資会社、サーベラスが保有株を売却すると報じられ、需給悪化が警戒されました。奇しくも、同じ日に(3197)すかいらーくの株式を保有する米投資会社ベインキャピタルが保有株の売り出しを発表し、株価が一時10%安と急落しました。外国人投資家は、日本株の売り方に転じるのでしょうか?
サーベラスやベインキャピタルは、両銘柄の上場前に株式を保有していた投資家です。株式上場後に売却をすることをもともと計画していましたが、西武HDの場合は、上場時の公募価格が想定を下回ったため、売却を見送っていた経緯があります。
サーベラスは西武HDの株式を一株あたり1,000円程度で取得したと見られ、現在の時価であれば、株価は約3倍にも上昇したことになります。すでに十分な利益が得られたため、資金の回収を決断したのです。
■一方で、名だたる企業を“大人買い”する動きも
一方、世界最大の運用規模を誇る米ブラックロックが、(8411)みずほFGや(8035)東京エレクトロン、(6502)東芝、(9735)セコムなど、名だたる大企業の株式を5%超保有したことが、5月21日(木)に提出された大量保有報告書で明らかになっています。
“バブル期越え”の日本株ですが、外国人投資家の買い意欲は、まだまだ衰えたわけではなさそうです。
小野山 功