安定感と成長性を兼ね備え、配当利回り妙味も
*5月13日追記
古河機械金属は株価水準が200円台低いことから、低位株を好む個人投資家の売買対象になりやすい銘柄です。
12日には東証1部の売買単価が983円と、3カ月ぶりに1000円水準を割り込んだことも話題になっています。
双日(2768)、日本軽金属(5703)など低位株には個人とみられる買いが入っており、同じく200円台の古河機械に関しても、個人投資家の買いが期待できるのではないでしょうか。
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*5月12日追記
株価は3月下旬に付けた年初来高値(224円)まで、あと10円ほどに迫っています。 同社はすでに今期の業績を開示していますが、トンネル工事を請け負う西松建設(1820)や安藤ハザマ(1719)などゼネコンの決算は明日13日(水)の予定ですので、注目しておきたいところです。
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■注目銘柄
┗古河機械金属(5715)
鉱山が発祥で、岩を砕く削岩機では国内首位のシェアを誇っています。
山岳地にトンネルを建造する際、岩盤にダイナマイトを充てんするための「トンネルドリルジャンボ」や、コンクリート破砕に使用する「油圧ブレーカ」などが必要ですが、同社はそうした土木関連機械で高いシェアを誇っています。
建設需要の改善を受けてユニッククレーンの販売が足元では販売が好調なほか、今後さらなる伸びが期待できるのが、「トンネル工事用機械」です。
JR東海が2027年に一部開通を目指すリニア中央新幹線の東京~名古屋ルートは、全長約286㎞のうち86%に当たる約246㎞がトンネル構造という計画です。特に山間部におけるトンネル建造において、トンネルドリルジャンボなど削岩機の売り込みが期待されます。
5月8日に発表された本決算では、営業利益が8,925百万円(+29.6%)と好調でした。今期は前期とほぼ変わらずの営業利益9,000百万円と会社では見込みますが、リニア新幹線関連のトンネル掘削機械が伸びることを考慮すると保守的です。
年間配当は年5円の見通しを据え置いており、配当利回りが2.4%と魅力的な水準であることから、安定感があり、なおかつ成長性も兼ね備えた銘柄と言えるのではないでしょうか?
小野山 功