小野山功が見通す「今週の株価材料」~【今週から3月期企業の決算発表!】今後は「低PER」セクターの巻き返しに期待
17日付で野村証券が、同社株の目標株価を15000→19000円へと引き上げましたが、まさに焼け石に水。250円(-1.7%)安の13,810円で、今週の取引を終えました。
同社に限らず、(2801)キッコーマン(48.4倍)、(2229)カルビー(48.3倍)、(2267)ヤクルト本社(53.8倍)など、食品セクターの高PER銘柄が大きく売りこまれました。
これらの銘柄は高い市場シェアを持ち、業績面も好調なものばかり。いずれも“超”がつくほどの優良株ですが、今週上昇した日はありませんでした。
■今週からスタートの決算を前に、冷静な見方が広がったか
今週20日(月)から【6506】安川電機を皮切りに、3月期企業の決算発表がスタートします。
決算を目前に控え、PERがやれ30倍、40倍と買われすぎていた銘柄を整理する動きが出たようです。
特に食品株は“脱デフレ”というテーマ性はあるものの、人口減少で国内市場は縮小するため、今後も2ケタ増益を続けるという青写真を描くのは楽観的です。
決算シーズンを前に、「さすがにPERが40倍を超えているのは、やり過ぎでは?」という冷静な見方が広がったようです。
■今後は「低PER」セクターの巻き返しに期待
一方、銀行、商社など、低PERセクターへ資金を移す動きが見られています。
17日の株式市場では、日経平均株価が200円以上下落したにも関わらず、(8306)三菱UFJフィナンシャル・グループ(12.1 倍)や(8316)三井住友フィナンシャルグループ(9.6 倍)、(8001)伊藤忠商事(7.6 倍)が年初来高値を更新しました。
また、個人投資家の注目度が高い(9984)ソフトバンク(14.0 倍)の上昇も目立ちました。17日こそ小幅に反落しましたが、前日まで5日続伸しています。
「過熱感のある銘柄から出遅れ株へ」この流れが続くようであれば、低PERセクター(卸売・鉄鋼・ゴム・銀行)の巻き返しが期待できるかもしれません。
小野山 功