株主優待をもらうべきか、利益確定が優先か?

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最新投稿日時:2015/03/03 10:30 - 「株主優待をもらうべきか、利益確定が優先か?」(木村佳子)

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株主優待をもらうべきか、利益確定が優先か?

著者:木村佳子
投稿:2015/03/03 10:30

株主優待権利取りと利益確定、どっちがいいか?

今では上場企業の3~4社に一社は株主優待を実施している上、長く持てば優待度が増すインセンティブ型優待も増えているため、七面倒くさい個別株の業績や割安・割高への目配りは無視してお得感満喫の優待実施企業探しについ力が入ってしまいがちです。
証券各社からはメール配信で「今月の株主優待権利確定企業一覧」のようなリストが送られてくるし、お中元・お歳暮品を選ぶ感覚で株主優待品をセレクトする傾向もあるようです。

一端、株主優待で選んだ企業の株を買うと、今度は権利を取るまで保有するわけですが、悩ましいのは買値より株価が上っているとき。「売って差額を取ろうか? 権利確定日を待ってから売ろうか?」と迷ってしまう人も結構多いのでは?

優待品がデパートや街中で買える品でどうしても欲しいものなら、利益確定後、得られた利確金で買う方法があります。一方、株価の値上がりは一時的な場合もあります。
したがって、やすやすと配当や優待品より株価が値上がりしている場合は、売却して利確が合理的かも。

優待や配当が株主の元に送られてくるのは権利確定から2~4か月後ですから、その期間に値下がりしていれば、売却で得た資金で再度、買いなおしてもいいわけですし。

優待実施企業の株の多くは利益確定後、一時的にせよ値下がりすることも珍しくないので、後日、売却しておいてよかったというケースも。

「その会社を応援したい」という気持ちからの投資で、売るのがためらわれるという意見も聞きますが、消費者として製品を買って応援するのも、権利確定後の値下がり局面で買い直して株主復帰する道もありなので柔軟にとらえたいですね。

その企業の問題ではなく株式市場のシステミックリスク(個別株以外の市場要因での株価下げ)が起こったときにどんとまとめ買いし、株価が上がるにつけ1単元ずつ売り上がる方法も勧めたい投資法です。

十分に値幅が取れて売れたのなら、1単元だけ残して、優待権利を得て、そのまま保有を続けても少々の値下がりは気にならないでしょう。
避けたいパターンは「優待欲しさに個別企業の基礎的な条件を無視した直前買い」です。高値買いリスクがあります。優待を得たい投資家の存在から需給がタイトになることを見越してあらかじめ優待人気株を権利確定日前に仕込み、確定日直前に売り抜けるイベント投資と呼ばれる売買法も盛んにおこなわれています。イベント投資の人は値幅を得て売り抜けるので、株主優待欲しさの直前買いは高くつくことがあります。

成長性の見込めない企業を優待がお得という理由だけで長期ほったらかし保有するのもリスクあり。
かつて優待人気が高かった企業が破たんしたときは「お得な優待」が「高くついた優待」になってしまったので企業の将来性には目配りが必要です。
3~5年後もその企業が残っているか、もっと利益が伸ばせそうな取組をしているか、よく観察しましょう。

ちなみに手持ちの優待実施企業の値上がりをじっくり待つ人向けに1997年から私が提唱しているカレンダー投資法はいったん株価が調整安し、一定期間を経て出直りそうな横ばいチャート状態の企業から決算期のばらけ方に注目し、年二回、配当と優待を実施するような企業で、これから先の存続も見極められる6社を1月、2月、3月、4月、5月、6月と決算月をばらけさせて持ち、毎月のように配当、優待を得ながら、手持ち6銘柄のどれかが値上がりするのを根気よく待つ方法です。

途中、「この会社は将来性に疑問」というものは利確株が出たときに抱き合わせ売却したり、「この会社はこれからも伸びそう」という場合は安い時に買い増しします。

この方法である会社の株式を数年前にカレンダー投資対象に選択しましたが、配当と優待を得続けインカムは4万円ほど。しかし、株価は目下倍以上になっています。企業成長が見込める間は保有し続け、そろそろ一段落思想という時は銘柄入れ替えを検討しようと思います。

株主優待と上手に付き合い、資産運用の質的向上を図りたいですね。
配信元: 達人の予想

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