小野山功が見通す「今週の株価材料」 ~【日経平均が15年ぶりの高値】上昇余地のキーポイントはトヨタの株価?~
20日(金)の東京市場では、(6954)ファナックや(9024)西武ホールディングスが上場来高値を更新、(9020)JR東日本が2007年の上場来高値ツラ合わせとなりました。
■日経平均「15年ぶりの高値」もTPOIXはまだ出遅れ
「15年ぶりの高値」とニュースでも大きく報じられていますが、2000年のITバブルのような熱狂は今回はみられておらず、ファンダメンタルズを反映した動きといえます。
一方、東証1部全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は、日経平均に比べて出遅れています。
20日におよそ7年ぶりに、節目の1500ポイントを回復しましたが、それでも2000年5月の水準を200ポイントほど下回る水準です。
TOPIXが上昇して初めて、個人投資家でも株高が実感できるようになるでしょう。キーポイントは時価総額首位、(7203)トヨタ自動車の動きです。
■トヨタが「上場来高値更新」となれば相場上昇に弾みも
自動車産業は、製造業の出荷額のおよそ2割を占め、すそ野が広い産業です。
特に首位のトヨタの場合ともなると、グループ企業は多く、持分法適用関連会社(子会社含む)のうち上場するものだけでも(7205)日野自動車、(7262)ダイハツ工業など21社あります。
トヨタは今期の営業利益見通しが2兆7000億円と、過去最高益を更新する見通しであることから、下請けなど取引先から購入する部品について、15年度上期も値下げ要請を見送る方針です。
また、17日付の日本経済新聞夕刊では、「トヨタと新日鉄住金ら鉄鋼大手が14年度下期の鋼板価格を14年度上期と同じ横ばいとすることで合意した」と報じられており、部品メーカーだけではなく、恩恵を受ける業種が広がりつつあります。
トヨタ自動車の株価は、20日に終値で8000円を上回りましたが、リーマン・ショック前の高値を350円ほど下回っています。
トヨタが上場来高値8,350円を更新すれば、関連銘柄に物色が波及し、相場上昇にもう一段弾みがつくことになるでしょう。
小野山 功