小野山功が見通す「今週の株価材料」 ~【先週より割安株が急増!?】PERの算出方法変更で投資妙味がある銘柄は?~
EPSの算出方法をこれまでの「発行済み株式」ベースから、「自己株式を除いた算出方法」に変更されました。
紙面のほか金融情報サービスのQUICK社も同じ方式を用いるため、証券会社の端末で銘柄を見る際に、PERが急に割安になった戸惑われた方もいらっしゃるかと思います。
■ダウよりも強かった先週の日経平均、要因は2つ。
さて、1月26日週の日経平均株価は、米国株に比べて堅調に推移し、株価の絶対値がダウ工業株30種平均を上回った(ダウ平均と日経平均が逆転した)ことも話題になりました。
これは、公的年金の買い観測が相場を押し上げたほかにも、PERが割安になったために買いが入っている側面もあると考えられます。
例えば、キヤノン(7751)はこれまでPER=20.6倍でしたが、26日(月)に17.0倍に修正されました。
同社の発行済み株式数は13億3376万株ですが、発行済み株式数のおよそ17%、2億2784万株を自社で保有しているため、算出方法変更に伴って17% PERが割安になっています。
同じようにセイコーエプソン(6724)が10.4%、ファナック(6954)が18.3%程度下がっており、日経平均株価の予想PERも下がったため、日本株が割安になったとして買いを集めた可能性があります。
■今後は「自社株買いを発表する企業」が増加へ?
今回の計算方法見直しに伴い、自社株買いを行いやすくなった面があり、今後株主配分の一環として自社株買いを発表する企業が増えることも予想されます。
中には東燃ゼネラル石油(5012)のように、保有比率が35.5%という強者も存在します。自社が筆頭株主で、先週から見た目が割安になった銘柄には投資妙味がありそうです。
小野山 功