小野山功が見通す「今週の株価材料」 ~【狙い目は「JPX日経400」落選銘柄?】企業のトレンドは「株主還元」へ~
積極的な株主還元策を打ち出す企業が増えています。アマダは今年5月に「今後2年間は利益の半分を配当に、半分を自社株買いに充てる」と発表。1ヶ月あまりで株価は+50%超上昇しました。
アマダが株主還元策を打ち出したのも、ROE(株主資本利益率)重視という市場の見えない圧力によるものです。
同社は時価総額が4000億円超、日経平均株価にも採用されている大企業ですが、JPX日経400に漏れたことで、株主資本を有効に扱っていないというレッテルを張られてしまったのです。
■JPX日経400落選企業が次々と株主還元を実施。このトレンドは続く?
同社のように株主還元を表明する企業が増えています。
総合化学メーカの(4061)電気化学工業(デンカ)は、11月10日に配当金と自社株買いを合わせた『総還元性向』を50%にすると発表。
株主還元方針の発表前と比べ、株価は1ヶ月半で26%上昇しており、この間の日経平均株価の上昇率+5.7%を大きく上回っています。
アマダもデンカも、ROEが低く長年、PBR(株価純資産倍率)が1倍を割り込んでいた企業です。
潤沢なキャッシュを抱え、株主還元の余地があったため、株主還元政策を打ち出し、市場は経営方針の変化を評価しているのです。
アマダのように、日経平均に採用されながら「JPX日経400」から落選した(7912)大日本印刷、(5901)東洋製罐HDは、PBRが1倍を割り込んでおり、ROEを向上させる資本政策が求められそうです。
小野山 功