■小野山功が見通す「今週の株価材料」~不吉な『NT倍率』の急拡大。急落への備えは?~
金融緩和発表前日(10月30日)の終値と、11月14日(金)の終値を比較すると、日経平均株価が 11.7%上昇したのに対して、東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)の上昇率は 9.5%と見劣りします。
日経平均株価とTOPIXの推移を比べる際に「NT倍率」という指標が使われます。これは、日経平均株価(N)をTOPIX(T)で割ったもので、TOPIXに対して、日経平均株価が何倍まで買われているかというものです。
このNT倍率は、13日時点で「12.52倍」と昨年12月以来の高値水準まで上昇しました。
東証1部の全銘柄(1833銘柄)に対して、日経平均株価は 225銘柄です。一部の主力銘柄に偏り、相場のひずみが生じている状況なのです。
昨年の5月23日に、日経平均株価が1,000円超急落したことがありますが、当時もNT倍率が急上昇しており、現在は昨年5月をも上回る水準です。
消費税の増税や解散総選挙など政局に相場が左右されることも考えられますので、そろそろ下げに対する備えも必要になってくるのではないでしょうか?
奇しくも、11月11日(火)に日経平均ベア2倍上場投信〈1360〉というETFが新規上場しました。
このETFは、日経平均株価が下がる局面で基準価格の上昇が期待できる金融商品です。
保有株の下落リスクに備えるために、ベア(インバース)型のETF保有もおすすめです。
小野山 功
※11/17 16:09 誤字修正