「ルビコン川」を渡った日銀と「ジャパナイゼーション」まっしぐらのECB

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最新投稿日時:2014/11/06 17:39 - 「「ルビコン川」を渡った日銀と「ジャパナイゼーション」まっしぐらのECB」(津田隆光)

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「ルビコン川」を渡った日銀と「ジャパナイゼーション」まっしぐらのECB

著者:津田隆光
投稿:2014/11/06 17:39

市場で起こっていることは常に正しい

10月31日、多くの市場参加者の予想に反して発表された、黒田・日銀による「ハロウィン・サプライズ」。
これは、日銀による追加のQQE(量的・質的緩和)が奏功したと捉えるよりは、前日の30日に米FRBが2年に亘って行ったQE3(量的金融緩和第3弾)の終了宣言と時を置かずして行われた、その絶妙の<タイミング>こそが評価されるべき。
また、その不退転の決意表明とも取れるのが、昨日5日に都内で行われた講演で「デフレと言う“慢性疾患”を克服するためには、薬は最後までしっかりと飲みきる必要がある。中途半端な治療はかえって病状をこじらせるだけだ。そのためには何でもやる。」とのアナウンスメント効果を狙った超強気コメント。
ここで言う“薬”とは要は「カネのばら撒き」のことで、表向きはデフレ退治を目的としていますが、裏の目的としては「何が何でも消費増税は実施していただく」との安倍首相への“不退転の要望表明”とも取れます。
一部には、日銀の一連の行動は米当局の思惑に従ったまでとの推測記事があるものの、誤解を恐れずに言えば、市場参加者が黒田日銀の一連の施策が正しい、正しくないといった机上の評価や主観論を述べても全く無意味であり、「市場で起こっていることは常に正しい」というスタンスを取ることが何よりも重要。
先月31日の「ハロウィン・サプライズ」の持てる意味は、金融政策における「ルビコン川」を渡ってしまった今、物価動向如何(米経済状況もその判断材料になりますが・・・)ではいついかなるタイミングにおいても追加施策が実施できるという免罪符を得たということではないでしょうか。
日米金融政策のコントラストがさらに明確になった昨今、「ドル/円は上がるのか、下がるのか」といった議論は全く意味をなさないものの、当然相場はジグザグを繰り返しながら推移することを念頭に置きつつ、相場格言通り『新値には黙ってつけ』を実践する必要があると考えます。

今夜、注目のドラギECB総裁会見!

そんな中、本日6日の注目材料はECB理事会とその後に行われるドラギECB総裁の定例会見の内容。順序としては、FRBが先手を打ち、ほぼ同タイミングで日銀が二の矢を打った昨今、次はECBの政策にスポットライトが当たるのは当然の成り行き。
市場では、ECBが即座にQEを打ち出すには様々な難関が待ち構えていると考えられているものの、ゼロ回答ないしは市場の期待を裏切る内容となってしまえば更なるドル高・ユーロ安基調が加速する可能性も。
手詰まり感のあるECBの残された選択肢は「ユーロ安容認」「ユーロ安誘導」しかないとの意見も。
奇しくも日本が失われた20年から回復しようとの意気込みが見られる中、片や欧州は「ジャパナイゼーション(かつての日本のような景気低迷)」まっしぐらとの指摘もある中、6日のドラギECB総裁の口舌に世界中の耳目が集まります。
津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想

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