ドル/円はまさに“Come back in September”の状態!!
イスラム国への対応の影響は限定的?
本日9月11日は、かの「9・11アメリカ同時多発テロ事件」から13年目のメモリアルデー。
先日私用でNYに行っていたのですが、先んじて英国がテロ警戒レベルを引き上げたことも相俟って、特に空港の入国警戒レベルは相当なものといってよく、ピリピリとしたムードが広がっていました。
現地のメディアでもイスラム国関連のニュースが盛んでしたが、本日オバマ大統領が異例のプライムタイム(現地時間10日午後9時)に演説を行い、イスラム国に対する“警告”や“決意表明”をしましたが、実のところ米国民はあまりオバマ大統領に期待していないというのが本音ではないでしょうか?
ある現地新聞の風刺漫画にも、ブッシュ元大統領が職人の恰好で地球を修繕している姿に「The Tinkerer」(=未熟な職人、へたくそな職人)と書かれている横で、オバマ大統領が地球の上に座ってISISの報告書を読みながら考え込んでいる姿に「The Thinker」(=考える人)との言葉が。そのお尻には火がついていたのですが、これがまさに現在のアメリカの姿と言っていいのかも知れません。
これをもって直接的な相場変動要因に結びつくとは思いませんが、11月に控えた中間選挙の最後のアピールの場としてイスラム国への対応に米国民のみならず世界の耳目が集まります。
ドル/円は新たな景色・空域へ突入!Come back in Septemberが相場の鉄則!
そんな中、ドル/円相場は約6年ぶりの107円台まで上昇し、今年1月の新興国危機以来歴史的な凪相場であった相場環境からは大幅に景色が変わったと考えて問題はなさそうです。
2007年6月高値の124.14円レベルと2011年10月安値の75.57円レベルを結んだフィボナッチリトレースメント・61.8%戻し基準が概ね105.59円レベル。
月足終値レベルで当該基準を抜けた場合(ほぼほぼ抜けたと判断してよさそうですが・・・)は、次の目標ラインは2008年8月に付けた110.66円レベルに。ちなみに過去の当コラム(7/10分※下記関連リンク参照)に書いたことをフィードバックすると、「(歴史的な凪相場となっているドル/円相場について)マーケット参加者はドルを買うタイミングを見計らって留保しているに過ぎず、決して『売るべきか、買うべきか』を迷っている訳ではないことを認識すべき」とお伝えしましたが、まさにここへ来てFRBのロードマップが鮮明になりつつある中、投資家はそのタイミングと判断して動き始めたに過ぎません。
また、ウォール街の格言である“Sell in May, and go away”(=5月に売り抜けろ!)の下の句である“But remember to come back in September”(=9月に戻ってくることを忘れるな!)が見事に当てはまっている状況。本格的な秋冬相場の序章として、しっかりとストップロスオーダーを設定した上で順張り、つまり流れに素直に乗ることを心掛けてみてはいかがでしょうか?
配信元: