8月に安値を付けやすい通貨について
巷間よく伝えられる代表的なものに、「10月末買い・4月末売り」というのがありますが、この言葉を額面通りに受け止めると、「ならば10月末のハロウィンあたりまでは買わない方がいいのかな・・・。」と考えてしまいがち。しかしながら、実際の相場の値動きを調べてみると違った景色が見え隠れします。
仮に、8月から10月までを[A期間]、11月から翌年4月までを[B期間]という風に分けてみると、2000年以降の14年間におけるドル/円・ポンド/円・豪ドル/円・NZドル/円の過去のデータを検証すると・・・A期間内では、ドル/円については10月に期間最安値を付ける確率が比較的高く(14年中6回)、一方でポンド/円・豪ドル/円・NZドル/円は8月に期間最安値を付ける確率が比較的高くなっています。(ポンド/円:14年中7回、豪ドル/円・NZドル/円:14年中6回)
また、B期間内では4通貨とも期間最高値を付ける確率が高いのは4月となっており、特にNZドル/円では14年中7回、豪ドル/円では14年中9回と高い確率となっており、仮にA期間の最安値とB期間の最高値を比較した平均上昇率は、ドル/円で10.8%、ポンド/円で12.6%であるのに対し、豪ドル/円では20.3%、NZドル/円では21.4%となっています。
あくまで期間を限定した過去の傾向であり、将来を決定付ける絶対的な法則ではないことを前提とした上で、これらデータから導き出される結論は・・・豪ドル/円・NZドル/円・ポンド/円は8月中に期間最安値を、またこれらは翌年4月に期間最高値を示現する傾向が見られ、特にNZドル/円に至っては、 8月安値→4月高値に限定した平均上昇率は20.5%となり、その期間上昇率は相対的に高い傾向があるいうこと。
つまり、過去の傾向に従えば、NZドル/円については10月末を待たずして、8月中の安値は積極的に買い拾い、4月までは買い持ち(=Buy&Hold)をすべき・・・と考えますが、いかがでしょうか?