株式市場に影響がありそうな「注目材料」とは!?
日経平均株価は3週間ぶりに、1万5千円の大台を回復しました。東証1部の全銘柄の値動きを示すTOPIXは8日続伸。新年度相場入りし、株式市場にようやく明るさが見えてきました。
3月中旬までは東証1部の売買代金が2兆円を割り込んでいましたが、3月最終週(24日~)から2兆円を超える日が続いています。商いを伴って上昇していることから、実需の買いが入っており、今回の上昇は「本物」という見方もできるでしょう。
さて、1日から消費税が17年ぶりに引き上げられなど、暮らしは大きく変わりました。ただ、変わったのは消費税率にとどまりません。何が変わって、株式市場にはどのような影響があるかについてまとめました。
★ここが変わった:その1 【消費税】5%→8%
1日から消費税が5%→8%に引き上げられました。ほぼすべてのものや、サービスの価格が上昇します。
また、価格表記も従来の「税込」のみが「税別」での記載が17年3月末まで認められています。税込1,000円だったランチが、税別1,000円になっていたというケースも見られます。
ただ、すべてのものに消費税がかかるわけではありません。家賃(短期契約を除く)には原則として消費税は課税されませんし、保険料、医療費などは対象外です。
このほか海外旅行の国際線運賃は免税、介護用品は非課税、海外配信の電子書籍など一部適用外のものがあるため、非課税関連をみなおしてみるもの良いでしょう。
◆フランスベッド(7840)、エイチ・アイ・エス(9603)、楽天(4755)など
★ここが変わった:その2 【住宅ローン減税】最大400万円に拡充
消費税の増税で、もっとも落ち込みが懸念されるのが住宅です。土地には課税されませんが、戸建て住宅で本体価格が2千万円の場合、増税額は60万円と大きいため、反動減が心配されています。
ただ、住宅ローンを組んだ場合、減税幅が2倍に拡充され、一定所得以上であれば増税後に購入したほうがお得というケースがあります。戸建て住宅メーカは引き渡しベースで4月以降となる昨年10月以降に、受注が2ケタを超える前年比割れを強いられていますが、減税幅の拡充で、今月以降上向いてくることも予想されます。
また、同じく落ち込みが警戒される自動車に関しても、1日から自動車取得税が2%引き下げられます。自動車の購入代金は1%程度の上昇にとどまるため、値引き交渉などによっては、購入価格は変わらないというケースも出てくるかもしれません。
◆大和ハウス(1925)、積水ハウス(1928)など
○ここが変わった:その3【復興法人税廃止】38.01%→35.64%
震災以降、法人税に2.55%の復興特別法人税が上乗せされていましたが、これが当初の予定より1年前倒しで廃止されました。
法人税の実効税率も4月以降約2.5%下がっていますので、企業の利益が昨年と比較して変わらないとしても、法人税減税で、最終利益の押し上げ要因になりそうです。
廃止で、およそ9,000億円の減収要因になるといわれています。逆に言えば、企業業績をその分押し上げるとみることもできるでしょう。
また、住民税非課税世帯への現金給付(一人当たり1万円~1万5千円)や、児童手当の給付世帯への給付(子供一人当たり1万円)など、消費落ち込みの影響を軽減するための対策も行われています。
日経平均株価は昨年末に比べて約8%安と、先進国で独歩安となっていますが、これも消費税引き上げによる景気落ち込みは警戒されていることが主因だと思われます。
ただ、消費落ち込みを軽減する対策が行われていますし、景気落ち込みを防ぐために、13年度補正予算や14年度予算の前倒し執行が行われる見通しです。年初から日本株は増税後の落ち込みを織り込む形で上昇しため、増税後は堅調な値動きになることも十分ありえます。
4月相場は、こうした好機の波を見逃さない様、積極的に取り組んで行きたいですね!
小野山 功