酒田五法では「三空に買いなし」または「三空踏み上げに売り向かえ」と言われ、極めて強い売りのサインがある。「窓」を三つも空けるような急騰を演じたら、そこが天井という意味だ。
ところが、どうだろう、ミクシィの株価は「三空」どころか「六空」である。う~ん、まさに「倍返し」だ。
ミクシィは、きのうまで連日ストップ高を演じながら10連騰。今日もストップ高なら株価はついに1万円の大台。11月11日につけた年初来安値からちょうど1カ月で10倍。まさに「10倍返し」だ。が、しかし、そんなに話は甘くない。今日は一転、売り気配で始まって気配値を切り下げている(午前10時現在)。
さて、この先、ミクシィ株はどうなるだろうか。また切り返す可能性もじゅうぶんある。買い材料は、9月に配信を始めたスマートフォン向けゲーム「モンスターストライク」が好調だというもの。しかし、ここまでくるとそれは取ってつけたような材料だろう。実際のところは「騰がるから買う、買うから騰がる」という値動きの良さに着目した短期資金の流入だけが高騰の背景であったろう。これはゲームを材料にしたマネーゲームである。
ミクシィ人気が波及したのか、他のゲーム関連も賑わっている(ちなみに米国株式市場でもツイッターをはじめSNS関連やネット関連銘柄が買われている)。昨日書いたマーケットメールを引用しよう。
<東証の売買代金トップはマザーズ上場でLINE関連銘柄の
アドウェイズ(2489)。前場に一時、前日比441円(15.2%)高の3,345円まで上昇し、連日で年初来高値を更新したものの、その後は上げ幅を縮小、下げに転じる場面もあるなど荒い値動きとなりました。終値は2.6%高で引けました。売買代金の2位はDeNA
(2432)で14%。東証1部ではソフトバンク
(9984)を抑えてトップの商い。売り残がたまっているだけに強烈な買戻しが入ったと見られます。 同業のソーシャルゲームの
グリー(3632)が15%高と急伸し連れ高したのでしょう。スマートフォンのゲームを開発する
エイチーム(3662)が先日、韓国のNHNエンターテインメントと資本・業務提携すると発表。これをきっかけにエイチームは今日も2日連続となるストップ高。グリーはエイチームの大株主なので、含み益拡大期待で買われ、KLab
(3656)など他のゲーム会社も連れ高となりました。
(中略)
ここまでの市況コメントを見てわかる通り、新興市場の銘柄ばかり賑わっており、ソフトバンク、
トヨタ(7203)、メガバンクなどの主力大型株は蚊帳の外です。東証1部の売買代金は連日で2兆円割れとなっています。「対ドルで103円台、対ユーロで142円台の円安を好感し、下値は限定的だった」と上述しましたが、むしろこの円安に対する反応は鈍いようにも感じられます。>
(「12月10日付マーケットメール夕刊」より抜粋)