ダイナパック Research Memo(3):段ボールの国内市場は成熟化、大手資本による集約化が進む

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最新投稿日時:2026/03/10 11:33 - 「ダイナパック Research Memo(3):段ボールの国内市場は成熟化、大手資本による集約化が進む」(フィスコ)

ダイナパック Research Memo(3):段ボールの国内市場は成熟化、大手資本による集約化が進む

配信元:フィスコ
投稿:2026/03/10 11:33
*11:33JST ダイナパック Research Memo(3):段ボールの国内市場は成熟化、大手資本による集約化が進む ■ダイナパック<3947>の会社概要

3. 段ボール業界の構造と市場動向
(1)段ボールの製造工程
食料品や工業製品等を安全に配送するための包装材として幅広く利用されている段ボールは、ほぼ100%リサイクル可能なエコシステムが確立されており、回収率は95%以上となっている。段ボールとは古紙から原紙を作り、波型に成型した中芯の片面または両面にライナを貼り合わせたものを指す。製造工程を簡単に見ると、製紙工場で古紙から段ボール原紙を作り、段ボール工場にて段ボール原紙を貼り合わせて段ボールシートに加工し(貼合工程)、印刷や切れ込みを入れて段ボール箱に仕上げる(製箱工程、顧客には折りたたんだ状態で出荷)。同社は、段ボール原紙を大手製紙メーカーから仕入れて段ボールを製造しているが、製造量の2割弱程度は段ボールシートの状態で製箱メーカーに出荷している。

貼合工程では、3枚の段ボール原紙を貼り合わせる。まず「シングルフェーサ」という部分で、中芯を波型に成型して糊を付け、裏ライナと貼り合わせて片面段ボールを作り、その後に片面段ボールのもう一面に糊を付け、「ダブルフェーサ」で表ライナと貼り合わせる。そして「スリッタースコアラ」で罫線を入れ、所定の寸法に裁断し段ボールシートが完成する。貼合工程は設備集約型であるため、安定した稼働率を維持することが収益性にも大きく影響する。段ボールシートを製箱メーカーに出荷する理由の1つとして、貼合工程の設備稼働率の安定維持が挙げられる。

(2)市場構造と業界ポジション
段ボールメーカーは国内で2,000社以上あり、特に中小企業が多い業界構造となっている。これは顧客の工場で毎日必要となる資材であり、物流費も考えると近隣に段ボール工場があることが望ましく、長らく地域密着型のビジネスモデルを維持できている要因となっている。ただ、物流インフラの整備が進んだことで段ボールメーカーの営業エリアが広がったこと、家電製品などの海外生産シフトによって国内の工業製品の生産量が2000年以降減少し、段ボールの国内需要が頭打ちとなってきたこと、さらには顧客企業から品質管理や環境対策などの要求事項が増え、これらに対応するためには一定の投資が必要になってきたことなどから、ここ数年は中小事業者が淘汰され大手資本の集約化が進む格好となっている。また、今後についても経営者の高齢化や人手不足の問題などもあり、集約化の流れが続くと見込まれる。

こうしたなか、段ボールの国内シェアは大手製紙メーカー2社(レンゴー<3941>王子ホールディングス<3861>のグループ会社で5割強を占めている。段ボール専業では、トーモク<3946>がトップで約8%、同社が約3%で2番手となっている。今後も大手資本の集約化が進むなかで、同社はM&Aによって市場シェアを拡大していく戦略だ。

(3)市場動向
全国段ボール工業組合連合会が発表した統計資料によれば、2025年の国内段ボール生産量は前年比0.7%減の13,972百万m2と微減が続いた。業界別消費動向については、通販・宅配・引越用が同1.4%増と2年ぶりに増加に転じたほか、電気器具・機械器具用が同0.8%増、薬品・洗剤・化粧品用が同0.2%増、と堅調に推移した一方で、需要の5割強を占める食料品用が同0.8%減と低調に推移した。物価上昇で加工食品の買い控えが強まったほか、天候不順の影響による青果物の出荷低迷が影響した。

国内の段ボール箱の需要はGDPと高い相関があったが、ここ最近ではGDPのなかでコト消費の影響が強まってきたため相関が薄れてきており、食料品や工業製品等の国内生産量や消費量との相関がより強まっている。ここ2~3年の為替の円安シフトにより、一部の工業製品の生産が国内に回帰するなどプラス材料があるものの、基本的には人口の増減が段ボール需要に影響を与えるものと考えられ、外国人居住者が増加傾向にあるとはいえ、中期的には前年比±2%程度と横ばい水準で推移する可能性が高いと弊社では見ている。

なお、2025年の段ボールの消費先別構成比を見ると、食料品が55.3%(飲料含む加工食品42.1%、青果物8.9%、その他食料品4.2%)と最も高く、次いで電気器具・機械器具が7.1%、薬品・洗剤・化粧品が5.9%、通販・宅配・引越が5.8%、陶磁器・ガラス製品・雑貨が5.0%、繊維製品が2.0%、家庭紙を含むその他製箱が17.6%と続く。5年前の2020年との主な変化を見ると、通販・宅配・引越が0.5ポイント上昇したのに対して、薬品・洗剤・化粧品や陶磁器・ガラス製品・雑貨用がそれぞれ0.3ポイント低下した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ

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