オイレス工業、企業認知と事業理解を高めるため個人投資家向け会社説明会を開催
オイレス工業株式会社 個人投資家向け会社説明会
佐藤美樹氏(以下、佐藤):みなさま、こんにちは。本日はお忙しい中、オイレス工業株式会社の個人投資家向け説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。私は、本日司会を務めますフリーアナウンサーの佐藤美樹と申します。本日は、オイレス工業株式会社代表取締役社長の坂入良和さまにお越しいただいています。よろしくお願いします。
坂入良和氏(以下、坂入):こんにちは。オイレス工業株式会社代表取締役社長の坂入です。本日はどうぞよろしくお願いします。
目次

佐藤:この説明会では、坂入社長から主に4点についてお話しいただきます。後半では、今後の展望、中期経営計画の進捗状況、株主還元についてもご説明いただきます。みなさま、どうぞ最後までおつきあいください。
オイレスとは?

佐藤:お話をおうかがいする前に、社名にもなっている「オイレス」という言葉には、どのような意味があるのでしょうか?
坂入:「オイレス」は、創業者が考えた造語で、当社のブランド名にもなります。もともと「オイルレス」、つまり「油が少ない」という言葉から「ル」を取り、「オイレス」という名前が生まれました。現在では、「オイレスベアリング」という言葉が広く知られるようになっています。
佐藤:オイレスという言葉は創業者が考えた造語ということで、オイルレス、オイレスと、これからのキーワードとなりそうですね。御社はどのような製品を扱っている会社なのでしょうか?
坂入:当社はベアリング、日本語では軸受と呼ばれる製品を主に扱っています。
すべり軸受と転がり軸受

坂入:軸受には大きく分けて2種類あります。1つ目は、当社のオイレスベアリングも該当する「すべり軸受」です。軸がすべって動くタイプで、軽量かつコンパクトなのが特徴です。
もう1つが、「転がり軸受」です。ボールやローラーが中で転がるタイプで、高速回転や高精度であることが特徴です。
佐藤:このような製品を初めて見ましたが、これらはどのような場所で使われているのですか?
坂入:本日はその点も含めて、わかりやすくご説明したいと思います。
佐藤:はじめに、オイレス工業株式会社がどのような会社なのか、あらためてご紹介をお願いします。
会社概要

坂入:当社は来年3月で創業75周年を迎えます。2025年3月期におけるグループ全体の売上高は676億円、連結子会社数は15社、従業員数は約2,600名です。海外売上高比率は約4割の38パーセントとなっています。
また、累計約3,600件の産業財産権を有し、経営理念である「技術で社会に貢献する」を体現する会社となっています。
佐藤:75周年とは非常に歴史がありますね。また、特許などの産業財産権が多いという点が印象的でした。
坂入:今年創業74周年を迎えるにあたり、今後も社会とともに成長し続けることを目指しています。そのため、新製品や新技術の開発に経営資源を重点的に投じています。売上高の約4パーセントから5パーセントを研究開発費に充てており、これは同業他社と比べても高い水準です。産業財産権の多さや、売上に占める研究開発費は、後ほどご紹介する当社のコア技術に結びついています。
グローバルネットワーク

坂入:ほかにも、海外売上高比率は約4割と、半分に近い水準まで達しています。アジアや北米を中心に、5か国6拠点でグローバルに製品を供給できる体制を整えています。
また、後ほどご説明しますが、2027年2月にはインド第2工場が稼働する予定であり、今後さらにグローバルに事業を展開していく予定です。
佐藤:売上のうち約4割が海外での売上ということですが、この4割というのは、先ほどご紹介いただいた軸受製品のみの売上を指すのでしょうか?
オイレスの歴史①

坂入:海外での売上は軸受が主力となっています。ただし、実は軸受以外にも2つの事業を展開しています。
オイレスの歴史②

坂入:1つは、免震・制震装置という製品です。建物と地面の間に装置を設置し、地震の揺れを直接伝えないようにしたり、建物内にダンパーなどを入れて揺れを吸収したりする装置を取り扱っています。
佐藤:免震装置といえば、横浜市役所の免震装置が思い浮かびます。あれは見学可能になっていると聞いています。私も実際に見たことがありますが、地下空間と建物が非常に大きな装置でつながれていて、軸受とは結び付きにくいと思ったのですが、その点はいかがでしょうか?
坂入:もともと鉄道の橋梁、いわゆる橋向けに軸受の技術を応用したことがきっかけとなっています。橋は自動車が通過した際や強風によって揺れます。その揺れを吸収しながら、橋の上側と下側の間で重さを支える役割を果たす「ベアリングプレート」が、スタートとなります。
そこから発展し、1964年の東京オリンピック開催に伴う首都高速道路の橋梁など、長年にわたりさまざまな橋において当社のベアリングプレートが採用されてきました。そして、地震による橋の崩落を防ぐために、当社の技術を活かした落橋防止装置を開発し、それが今日の免震装置事業へと発展してきたのです。
佐藤:軸受の技術が免震の技術につながったということですね。軸受については、漠然とした理解にとどまっていますが、とても優れた技術であることがわかりました。
坂入:後ほど各事業について詳しくご説明しますので、ぜひ軸受や免震装置の魅力を知っていただければと思います。
オイレスの歴史③

坂入:もう1つの事業は、排煙・換気用窓開閉装置です。聞いたことはありますか?
佐藤:いいえ、聞いたことがありません。言葉からなんとなくイメージできますが、どのようなものなのでしょうか?
坂入:簡単にご説明すると、火災時に有害な煙を外へ排出するための高窓の開閉装置です。近年では気密性の高い建物が増えたこともあり、換気用途でも活躍しています。こちらも、軸受の技術を応用したものです。
もともと、引き戸用のサッシに付けられていた戸車に軸受が採用されていました。ある時、お客さまから「複数の窓を遠隔で同時に開けられないか?」という要望があり、その声に応えるために挑戦したことから開発がスタートしました。
佐藤:これも軸受の技術が活用されていますね。ますます興味が湧いてきました。
坂入:当時、建設機械向けにプッシュプルケーブルという、押すことも引くこともできるケーブルを扱っていました。そのケーブルと歯車を組み合わせることで、窓の開閉装置が完成しました。現在では、唯一の一般消費者向け商品である外付けブラインド「ブリイユ」など、家庭用ブラインドにまで発展しています。
佐藤:軸受から免震・制震装置、排煙・換気用窓開閉装置まで、3事業へと拡大したということですね。軸受について、さらに詳しく知りたいと思いました。
事業概要

坂入:それでは、軸受についてご説明します。軸受は、機械の部品が回転したり前後に動いたりする際に、摩擦を減らしてスムーズに動かすための部品です。イメージとしては、先ほどご説明したサッシの戸車を思い浮かべていただければと思います。車輪はスムーズに動きますが、サッシの場合はゴミやほこりなどの異物が入りやすい場所です。
それでも軽い力で動かせるのは、中に軸受が入っているからです。つまり、軸受は、軸を支えながら摩擦を減らし、効率よく動かすために欠かせない部品です。
佐藤:まさに「軸を受ける」重要な部品ということですね。世の中にはさまざまな軸受があると思いますが、オイレス工業にはどのような種類の軸受があるのでしょうか?
坂入:当社では、樹脂、金属、それに樹脂と金属を組み合わせたもの、この3種類をベースとして取り扱っています。さらに、樹脂や金属材料を含む100種類以上の材料を使い、さまざまな用途に合わせて最適な製品をご提案できます。これだけ幅広くさまざまな材料を扱っているのは、当社だけです。
また、「オイレス」という名前の由来にも関係していますが、軸受には本来、油を差す必要があります。油がないと、軸と軸受が擦れ、動きが鈍くなったり、摩耗が起きやすくなったりします。しかし、当社の「オイレスベアリング」は、材料に油を含ませたり、油が出る潤滑剤を直接軸受に埋め込んだりすることで、油を差さなくても使えるようにしています。これが「オイルレス」、つまり「オイレス」の秘密です。
佐藤:油を差さなくても使える製品は、さまざまな場面で活躍しそうですね。
採用事例

坂入:こちらのスライドでお示ししたとおり、さまざまな場所でご採用いただいています。油を差さなくてもよいということは、人の手がかけにくい場所でも使えるということで、メンテナンスも必要ありません。
例えば、風力発電や水力発電など山間部に位置する施設や、電車といった常に動いている場所など、さまざまな所で活躍しています。みなさまの身近な場所では、ご自宅の掃除機のヘッドブラシや食器洗い乾燥機の中など、目立たない所ではありますが、ご家庭でも活躍しています。
佐藤:私もさまざまな場面で御社の製品にお世話になっていると、あらためて感じました。ふとした時に「どこで使われているのかな?」と探してみたくなりますね。
坂入:本当に見えにくい場所にございますので、ぜひ見つけていただければと思います。
佐藤:今度探してみたいと思います。他に採用されている分野や場所はありますか?
採用事例

坂入:他には、なんといっても自動車です。当社のことをすでに知っていただいている方は、当社が自動車部品メーカーという印象をお持ちかもしれません。車種にもよりますが、1台当たり最大100個以上の軸受が採用されている車もあります。
佐藤:100個とは、すごいですね。
坂入:こちらも、なかなか目に見える部分には採用されていませんが、陰ながら支えている部品ばかりです。例えば、ドアのヒンジやワイパーを動かすモーターなど、車の可動部分に軸受が採用されています。
先ほどお見せした単純な形状だけでなく、自動車の根幹である「走る・曲がる・止まる」や「静粛性・乗り心地」といった部分に対して、機能ごとにカスタマイズした軸受も提供しています。その種類も非常に豊富です。近年では、拡大しているEVの航続距離を伸ばすための車両軽量化に、小型かつ軽量の当社軸受が大きく貢献しています。
また、国内すべての自動車メーカーに加え、海外の主要な自動車メーカーにも採用いただいています。オイレスグループ全体の売上において、自動車向け軸受が約50パーセントを占めています。
佐藤:オイレス工業の軸受が、世の中を走る多くの自動車を陰ながら支えているということですね。軸受がどのようなかたちで私たちの生活を支えているのか、よくわかりました。では、もう1つの免震・制震装置についてはいかがでしょうか?
事業概要

坂入:免震・制震装置は、先ほどご説明したように、地震の揺れを直接伝えないようにしたり、揺れのエネルギーを吸収する役割を果たします。
世の中には耐震マンションなど、「耐震」と名の付くもので建物自体を地震に耐える構造にするものもありますが、当社の主な事業領域としては、地震の力を逃がしたり吸収したりするものと覚えていただければと思います。
佐藤:万が一地震が起きた際に、安心・安全を提供するのが免震・制震装置ということですね?
坂入:おっしゃるとおりです。地震の揺れを直接建物に伝えないことや吸収することで、倒壊を防ぐだけでなく、建物内の人や家財を傷つけることなく守ることができます。地震の際には、火災、ガラスや看板の落下、家具の転倒、ドアや窓のひずみなど、さまざまなことが起きる可能性があります。
そのような事態を極力防ぐという意味でも、免震・制震装置は非常に重要だと考えています。当社は、日本の免震・制震のパイオニアとして、日本初や世界初の建物や橋などを日本各地で昔から人知れず支え続けてきたという自負を持っています。
佐藤:パイオニアとして、多くの建物や橋を支えてこられたわけですね。具体的にどのような場所で使われているのか教えていただけますか?
採用事例

坂入:日本全国のさまざまな場所でご採用いただいています。橋梁では3,700橋以上に採用されており、首都圏の東京湾アクアラインや関西圏の阪神高速など、日本の大動脈を支える多くの橋で利用されています。鉄道向けでは、北海道新幹線の延伸工事区間、新函館北斗駅から札幌駅の間の橋で落橋を防ぐストッパーが採用され、新幹線の安全運行を支えています。
建築分野では2,000棟以上の建物に採用されており、六本木ヒルズや麻布台ヒルズ、通天閣、阪神百貨店など、各地のシンボル的な建物だけでなく、病院や庁舎といった災害時に重要な拠点となる建物にも多く採用されています。
近年では、大型の物流倉庫やインフラ保護の観点からデータセンターへの採用も広がっており、今後も需要拡大が期待されています。
佐藤:私も知っている橋や行ったことがある建物が多くて驚きました。また、病院や庁舎といった、災害時に被害があってはならない建物にも免震装置や制震装置が導入されているというのは、とても心強いことです。
坂入:日本は地震が多発する地域でもありますので、さまざまな建物に安心・安全を提供するという意味でも、採用が拡大しています。
また、2025年1月には、日本と同様に地震が多発する台湾の需要にも対応するため、現地企業と当社で制震装置の製造販売に関するライセンス契約を締結しました。これにより、台湾でも当社の技術が活用され、安心・安全の輪がさらに広がります。
佐藤:日本に続いて台湾でも技術が活用されることを思うと、期待がふくらみますね。
坂入:私も非常に楽しみにしています。
佐藤:それでは最後に、排煙・換気用窓の開閉装置についても教えていただけますか?
事業概要

坂入:こちらは、オイレスECO株式会社という子会社が手掛ける事業です。社名の「ECO」の名のとおり、防災、省エネ、環境、快適をテーマに、独自製品の開発・提案を進め、理想的な空間の実現を目指しています。
具体的には、ビルと住宅向けに分かれています。火災時に煙を排出する「ウィンドウオペレーター」、自然換気により空調負荷を削減する「エコレーター」、日差しを遮り、デザイン性を高める「エコシェイド」、採光と換気を両立する「トップライト」など、環境対応と安全性を重視し、ビルの価値を高める製品となっています。
また、住宅向けには、シャッターにブラインド機能を備えた「ブリイユ」を提供しています。夏の暑さ対策や風通し、プライバシー保護に加えて、暴風雨にも耐える設計となっています。これらの製品は、いずれもビルや住宅の価値を高めることを目指しています。
佐藤:ビルや住宅向けに、排煙といった安全性だけでなく、換気の快適性や省エネも両立しているのですね。とても身近なもので、イメージがしやすいと感じましたが、どのような建物に採用されているのでしょうか?
採用事例

坂入:一番わかりやすいのは東京ビッグサイトです。日本最大の展示場と会議室、レセプション施設などを兼ね備えた巨大な建物であり、多くの人命を預かる場でもあるため、安全性の確保が最優先課題となります。優れた排煙機能を有する当社製品が採用されており、毎年メンテナンスを行って機能の維持を確認しています。
佐藤:東京ビッグサイトは行ったことがありますが、大きな窓があるのは知っていても、高い所にあるため開いているのを見たことがありませんでした。次回訪れた際には、よく見てみたいと思います。
坂入:他にも、大学施設やホテル、病院などさまざまな施設に採用されていますので、ぜひ意識してご覧いただければと思います。
佐藤:みなさまも、ぜひ注目してご覧ください。ここまで、軸受、免震・制震装置、および排煙・換気用窓開閉装置の3事業について説明いただきました。ここからは、さらに詳しい説明をいただけるということでよろしいでしょうか?
事業概要

坂入:まず各事業の売上構成についてご紹介します。3つの事業と申し上げましたが、当社では軸受を一般軸受と自動車軸受の2つに分けています。簡単に言うと、自動車向けとそれ以外というかたちです。
2025年3月期の売上高676億円のうち、約70パーセントを軸受が占めています。全体のうち半分は、先ほどご説明したとおり、自動車向けの軸受です。一方、残りの半分は一般軸受、免震・制震装置、排煙・換気用窓開閉装置が占めています。
佐藤:売上の約70パーセントを軸受が占めているということで、自動車をはじめ、多くの業界で幅広く採用されているのですね。
坂入:そのとおりです。特定の業種に依存しないかたちで構成されています。
佐藤:そうすると、ある業界が落ち込んでも別の業界が支えてくれ、バランスがとれているということで、1つの業界に依存しないというのは、とても安定していますね。そして、その中で強みとなるコアの部分は、どのようにお考えですか?
コア技術 トライボロジー×ダンピング

坂入:現在も過去も、コアとなるのは2つの技術です。1つは「トライボロジー」です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、摩擦・摩耗・潤滑の3つをどのようにコントロールするかを研究する学問です。
摩擦は物が動く時に生じる力、摩耗は表面が削れること、潤滑はそれを減らす工夫です。軸と軸受が接触している限り、摩擦や摩耗を避けることはできません。しかし、当社は、ただ減らすだけでなく、適切な摩擦を活かす技術を持っています。
この「トライボロジー」という技術は、言い換えれば、製品が使われる環境に合わせて材料の特性を最大限に引き出す、知識と技術の集積とも言えます。摩擦を科学する技術が「トライボロジー」であり、当社のコア技術の1つです。
佐藤:摩擦を減らすだけではなくて、活かすという点がポイントになりそうですね。そのような材料特性を引き出す技術としての「トライボロジー」は、確かに奥が深そうだと感じました。そして、もう1つは何でしょうか?
坂入:もう1つは「ダンピング」です。こちらは聞いたことがあるかと思いますが、振動をコントロールする技術になります。簡単に言うと、振動のエネルギーを吸収して揺れを減らす仕組みです。
身近な例としては、ドアのクローザーが挙げられます。ドアがゆっくり閉まるのは、中にあるダンパーが抵抗力を発揮してエネルギーを吸収しているからです。この考え方を発展させ、当社では建物や橋の免震・制震装置に応用しています。地震などの大きな揺れを抑えることで安全性を高める技術、これが当社のダンピング技術です。
佐藤:「ダンピング」は、ドアクローザーの仕組みでイメージすると非常にわかりやすいですね。また、地震の揺れを抑える技術への応用は、まさに安心・安全に直結する強みだと感じました。
坂入:「トライボロジー」と「ダンピング」の2つのコア技術をさらに磨き上げることで、研究開発を進めています。
佐藤:御社の強みである研究開発を通じて、さらに進化させていくということですね。ちなみに、その2つの技術を軸に、御社ならではの他の強みはありますか?
強み①

坂入:まず1つ目は、市場創造型企業としての姿勢です。創業者が大切にしてきた「技術で社会に貢献する」という精神を今も受け継ぎ、社会やお客さまが抱える課題を技術の力で解決することにこだわっています。そのため、お客さまとともに、世界初・世界一の製品やサービスを生み出すことに常にチャレンジし続けています。技術革新を通じて社会課題の解決に取り組むことが、当社の大きな強みの1つです。
2つ目は、事業ポートフォリオの幅広さです。当社は、自動車、エネルギー、建設などさまざまな分野で事業を展開しており、軸受をはじめ、免震・制震装置や排煙・換気用窓開閉装置などの多岐にわたる製品を提供しています。売上の約70パーセントが軸受関連ですが、その他の事業もバランスよく展開することで、景気や市場環境の変化にも柔軟に対応できる体制を整えています。
また、当社の事業は環境負荷の低減や安全性の向上など、社会課題の解決につながるものです。省エネや環境配慮、安心・安全といった社会貢献性の高いビジネスを中心に、安定した事業基盤の構築に努めています。
佐藤:技術力もさることながら、幅広い事業展開、そして社会貢献性が大きな特徴ということですね。ここまでも十分に強みを感じましたが、ほかにも注目すべきポイントがありましたらぜひ教えてください。
強み②

坂入:3つ目の強みは、先ほどのコア技術になります。こちらは先ほどご紹介しましたので割愛しますが、長年にわたり技術を磨き続けてきた結果が、産業財産権の数や売上高に占める研究開発費の高さにも表れています。
4つ目は、人材の力です。技術、営業、品質などさまざまな分野で専門性の高い人材が活躍しています。当社の成長の源泉はまさに人材です。営業と技術が連携してお客さまの課題解決に取り組む「TDS(テクニカルダイレクトセールス)」や、実機に近いかたちでシステム評価を行う「EK(営業研究)」など、独自の体制も整えています。
こうした人材の力とチームワークが、幅広い事業展開や社会課題の解決を支え、当社の持続的な成長を実現しています。
佐藤:技術だけでなく、人材の強みもオイレス工業の魅力ということですね。そうした強みを活かして、今後どのような展望や展開を目指しているのか教えてください。
今後の展望

坂入:分野ごとにご紹介します。まずは、一般産業向け軸受です。空気軸受について、聞いたことはありますか?
佐藤:空気軸受は初めて聞きました。先ほどの軸受に空気を使うという単純なイメージでよいのでしょうか?
坂入:当社が扱う製品の中でも最もシビアな精密性を求められるのが、この空気軸受です。通称、OABと呼ばれています。
先ほど、オイレスの秘密として、油をささなくてもよい仕組みについてご説明しました。この製品は、軸と軸受の間に空気の層を作ることで、軸と軸受を接触させない非接触を実現しています。
佐藤:空気で軸を浮かせるようなイメージでしょうか?
坂入:そのとおりです。ゲームセンターにあるエアホッケーをイメージしていただくとわかりやすいかと思います。エアホッケーは、ホッケーのパックをテーブルの穴から噴き出る空気で浮かせ、軽い力で素早く動かすのが特徴のゲームです。
それと同様に、この空気軸受では空気の力で軸を浮かせることで非接触の状態を作り、余分な摩擦抵抗をなくすことで、超高精度の位置決めや超高速での加工を可能にしています。接触があると摩擦や磨耗が発生してしまうため、摩擦を限りなくゼロに近づけることで、精密な加工が求められる半導体製造装置など、エレクトロニクス分野での売上が急拡大しています。2023年を基準に、2026年には売上高を2倍にする計画を推進中です。
佐藤:エアホッケーの例は容易にイメージが湧きましたが、摩擦をゼロに近づけることで、半導体や精密な分野での需要が伸びているのですね。今後、こうした分野でのこの技術の活用範囲はさらに広がりそうですね。
坂入:日本だけでなく中国市場などでも販路を拡大しており、今後はさらに積極的な投資を進めたいと考えています。
今後の展望

坂入:続いて、自動車向けの軸受についてです。自動車分野では、海外拠点の拡販が進む中、特に日本メーカー以外の現地ローカルメーカーへの新規受注獲得が重要性を増しています。そのため、海外市場向け活動の強化を進めています。その一環として、すでに開示済みですが、自動車生産台数が最も伸びると予測されるインド市場で売上を着実に伸ばすため、第2工場の建設を予定しています。
佐藤:第2工場は、どの程度の規模になりますか?
坂入:今回の投資額は約55億円となります。土地面積も第1工場の約2.8倍と、かなり大規模なものとなっています。インド市場では、日本メーカーだけでなく現地のローカルメーカーへの採用も進めるとともに、日本メーカーへの受注も確実に獲得していきたいと考えています。
また、車載装置の電動化が進むことで軸受の新しいニーズが次々と生まれており、これらのニーズに対応した製品を開発・供給することで、新たな市場チャンスをしっかりとつかんでいきたいと思います。
さらに、インドにおける第2工場の建設によって現地での競争力が一段と向上することになります。グローバルな自動車業界の変化にも迅速に対応できる体制を整えていきます。今後も積極的な投資と製品開発を通じて、世界の自動車市場での存在感を一層高めていきたいと考えています。
佐藤:かなり大規模な投資ですね。電動化による新しいニーズへ柔軟に対応されているというのは心強く、インド市場での競争力向上にも期待が持てます。今後、ほかの地域や分野への展開がさらに広がりそうですね。
今後の展望

坂入:続いて、免震・制震装置についてご説明します。当社では、現在唯一の免震・制震装置の工場である足利事業所に対し、総額約37億円の大型設備投資を進めています。近年、橋の老朽化が深刻な問題となっており、2024年時点で設置から50年を経過した橋梁の割合は約39パーセント、さらに10年後には63パーセントを超えると予想されています。
このような状況を踏まえ、都市再開発や増加する都市型データセンター向け大型免震製品の販売拡大に加えて、今後本格化するインフラリニューアル需要にも対応できるよう、生産能力や性能評価能力の強化を図っています。市場や事業環境の変化に着実に対応するため、将来に向けた積極的な投資を進めていきます。
佐藤:今後の免震・制震装置の成長もますます楽しみにしています。
今後の展望

坂入:最後に、これまでご紹介した3つの事業以外にも、当社には注目していただきたい取り組みがありますので、そちらについてご説明します。既存の3つの事業に続く新たな成長の柱を生み出すため、社内新規事業提案制度「ソウゾー会議」を2024年秋から開始しました。
創業者の意志を受け継ぎ、社員が自らアイデアを提案し、事業化を目指す仕組みです。このプログラムでは、セミナーやワークショップを通じて多くの提案が集まり、審査を経て新規事業化に向けたプロジェクトとして育てています。
こうした取り組みは、中期経営計画で掲げている「新技術・新規事業創出」とも整合しており、イノベーションの推進と社員の成長につながっています。第4の事業の誕生に、ぜひご期待ください。
佐藤:社員のアイデアを事業化する仕組み、とてもおもしろいと思いました。第4の事業がどのような分野に広がっていくのか、楽しみにしています。
今後の展望

佐藤:そして、こちらのスライドには社長ご自身が登場されていますね。
坂入:私が出演している企業CMです。もともと、当社は技術者の間での認知度はありましたが、全体的に社外へのアピールやPRが十分ではありませんでした。そこで、認知度向上と従業員エンゲージメント向上を目的に、広報や広告活動の強化を進めています。CM動画や日本経済新聞への5段広告は社外向けですが、社内向けにもWeb社内報の導入など、さまざまな改革を行ってきました。
私自身の講演ではありませんが、先の大阪・関西万博において「未来をまもる・つくる・つなぐテクノロジー」をテーマに、免震・制震装置のお話を中心とした講演を行いました。
佐藤:社外だけでなく、社内においても積極的に情報発信を強化しているとのことでしたが、万博での講演も御社の技術が社会にどのように貢献しているのかを伝える、非常に良い機会だったのではないでしょうか?
坂入:そのとおりです。アーカイブ動画や資料も当社Webサイト上で閲覧できますので、ぜひお時間があればご覧いただければと思います。
佐藤:こうした情報発信が認知度やブランド価値の向上にどのようにつながるか、期待したいと思います。
ここまでは今後の展望についてご説明いただきましたが、ここからは中期経営計画の進捗状況や、株主還元についてもご説明いただきます。
業績推移

坂入:まず、直近10年間の業績推移についてご説明します。当社は長らく売上高が600億円前後で推移してきましたが、2020年度のコロナ禍において一時的に落ち込みました。しかし、その後は着実に回復基調となり、2023年度には過去最高となる687億円を達成しました。
2024年度は、過去最高には至らないものの、中期経営計画で定めた目標とほぼ同水準の売上を達成し、順調に推移しています。また、営業利益率は、ここ2年ほどは10パーセントを超える水準を維持しており、収益性の面でも安定した成長を続けています。加えて、ROEも8パーセント以上を目指し、着実に取り組みを進めています。
佐藤:コロナ禍という大きな逆風を乗り越え、回復だけではなく成長を実現されていることがわかりました。こうした安定した成長の背景には、中期経営計画に基づいた取り組みが大きく影響していると思います。ぜひ、現在の中期経営計画についてもお聞かせください。
中期経営計画

坂入:中期経営計画についてご説明します。当社は「技術で社会に貢献する」という経営理念を軸に、持続的な企業価値向上の実現を目指しています。そのための新たな長期ビジョンとして、「OILES 2030 VISION」を策定しました。
このビジョンでは、「サステナブルな社会の実現を、摩擦・摩耗・振動の技術+Xで貢献する」というテーマを掲げています。コア技術である「トライボロジー」と「ダンピング」のさらなる進化に加え、新技術・新規事業の創出や経営基盤の高度化を進めることで、社会課題の解決と企業価値向上を両立させていきます。
この長期ビジョンの実現に向けて、2024年度から2026年度までの3年間を対象とした「中期経営計画2024-2026」を開始しました。具体的な数値目標としては、2026年度に売上高750億円、営業利益73億5,000万円、ROE8パーセント以上の達成を掲げています。
さらに、2030年度には営業利益率15パーセント以上、ROE10パーセント以上の達成を目標にしています。この中期経営計画を通じて、持続的な成長と企業価値のさらなる向上を目指していきますので、今後ともご期待ください。
佐藤:壮大なビジョンと明確な数値目標が示されていますが、現在の進捗状況についてもお聞かせください。
中期経営計画 進捗状況

坂入:「中期経営計画2024-2026」の進捗状況についてご説明します。まず、2024年度の実績ですが、売上高は676億円、営業利益は69億4,000万円といずれも堅調に推移し、ROEも8.4パーセントと、目標水準を達成することができました。この結果は、全社的なコスト管理の徹底や重点分野への経営資源の集中投下が着実に成果につながったものと考えています。
2025年度は、足利事業所の設備不具合などの要因もあり、業績を下方修正しました。しかしながら、こうした環境変化にも柔軟に対応し、他事業でのカバーやコスト管理を徹底することで、企業全体として成長基盤をしっかりと維持できていると考えています。
中期経営計画で掲げた2026年度の目標達成に向けて、引き続き全社一丸となって取り組んでいきます。
佐藤:進捗をご説明いただきましたが、株主のみなさまへの還元についても注目が集まっているかと思います。続いて、株主還元の方針について教えてください。
株主還元

坂入:株主還元についてご説明します。当社は株主のみなさまへの安定的かつ継続的な配当を、経営の重要課題として位置づけています。
配当金については、2025年3月期に続き、2026年3月期も年間配当85円を予定しており、連結配当性向も40パーセント以上を目標としています。また、自己株式の取得については、内部留保や市場環境を総合的に勘案し、機動的に実施しています。
さらに、2023年から2025年まで、3年連続で自己株式の取得を行っています。今後も安定した財務基盤のもと、株主のみなさまへの還元を経営の重要な柱と位置づけ、企業価値のさらなる向上に努めていきます。
佐藤:安定した配当と積極的な自己株式取得による株主還元の姿勢がよくわかりました。
株主優待

佐藤:続いて、株主のみなさまにご好評いただいている株主優待制度についてもご紹介いただけますか?
坂入:毎年3月末時点で300株以上を保有されている株主さまにポイントを付与し、「オイレス工業プレミアム優待倶楽部」で4,000点以上の商品の中から交換いただけます。生活用品や体験型ギフトのほか、社会貢献への寄付にもご利用可能です。
佐藤:商品が4,000点以上もあり、その中から選べるというのはすごいですね。そして、こちらのかわいいぬいぐるみも関係ありますか?
坂入:こちらは、当社公式キャラクター「オスビー」です。先ほどご紹介した社外へのPR活動の一環として活用しています。株主優待では、「オスビー」のキャラクターグッズもお選びいただけます。
佐藤:体が軸受で、しっぽは免震装置になっていますね。とてもかわいらしいです。こうしたグッズがあると、ますます応援したくなりますし、ご家族やお子さまにも喜ばれそうですね。
坂入:ありがとうございます。ただし、こちらのぬいぐるみは残念ながら非売品です。キーホルダーやメモ帳、カレンダーなど、さまざまなグッズをお選びいただけますので、ぜひそちらを楽しんでいただければ幸いです。
佐藤:ここまで、幅広い取り組みや魅力的な制度についてお話しいただきました。あらためて、これまでの説明のポイントを教えていただけますか?
まとめ/ポイント

坂入:本日のポイントをまとめます。オイレス工業は、独自の摩擦・摩耗・振動の技術を強みに、多様な事業ポートフォリオを展開し、さまざまな産業分野での社会課題解決に貢献してきました。半導体やEV、インフラ分野などの成長市場への積極的な投資とグローバルな事業展開を通じて、今後もさらなる飛躍を目指します。
また、安定した財務基盤のもと、株主のみなさまへの積極的な還元にも力を入れており、配当や自己株式取得などを通じて企業価値の向上と株主還元の両立を図っていきます。
今後も「技術で社会に貢献する」という経営理念のもと、持続的な成長と企業価値の向上に努めていきますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
佐藤:ありがとうございます。それでは、最後にオイレス工業についてさらに深掘りするかたちで、株主のみなさまからよくいただく質問を3つに絞り、お答えいただきたいと思います。
質疑応答:自動車業界の変化と新たなチャンスについて
佐藤:「ガソリン車からEV・電気自動車など自動車の変化が進む中で、売上が下がる心配はありませんか?」というご質問です。
坂入:ご安心ください。業績推移のとおり、売上は下がるどころかむしろ伸びています。ガソリンエンジンなどの内燃機関がすぐにすべて電動化されるわけではなく、今後もハイブリッド車を経由しながら段階的に移行していくため、内燃機関向けの需要は依然として残っています。
また、電動機向けには、ウォーターポンプやコンプレッサー、新エネルギー車向けにエアサスペンション用の軸受など、新しい分野での需要が拡大しています。自動車業界の変化は、当社にとってピンチではなく、むしろ新たなチャンスと捉えています。
質疑応答:成長投資の最優先分野について
佐藤:「自己資本比率が高水準ですが、今後の自己株買いや成長投資などの優先順位はどのように考えていらっしゃいますか?」というご質問です。
坂入:まず最優先は成長投資だと考えています。半導体製造装置などのエレクトロニクス市場や、水力・風力発電などの再生可能エネルギー分野、そして自動車分野ではインドや中国など海外市場での競争力強化に積極的に投資していきます。
質疑応答:認知度・従業員エンゲージメント向上の取り組みについて
佐藤:「最近、オイレス工業のメディアでの露出が増えているようですが、積極的にPR活動をされているのでしょうか?」というご質問です。
坂入:先ほどもご紹介しましたが、認知度向上および従業員エンゲージメント向上のために、積極的に社外PR活動を強化しています。
日経新聞への広告やTVerでのCM動画、当社が所在する湘南エリアでは、東海大学の長距離駅伝チームへのスポーツ協賛としてスポンサー契約も結んでいます。また、この公式キャラクター「オスビー」も招集通知や説明会資料、Webサイトなどで活用し、みなさまに親しみを持っていただけるよう工夫しています。
今後もさまざまな媒体を通じて、当社の魅力や事業内容をわかりやすく発信していきますので、ぜひご注目ください。
本日の説明を通じて、オイレス工業にご興味を持っていただければ幸いです。最後までご視聴いただき、誠にありがとうございました。
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