*11:05JST GLテクノ Research Memo(5):増収増益を継続、株主還元も強化し増配へ
■ジーエルテクノホールディングス<255A>の今後の見通し
1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績については、売上高44,700百万円(前期比3.3%増)、営業利益6,680百万円(同5.3%増)と、増収増益で堅調な成長を見込んでいる。業績をけん引する半導体事業の収益性がさらに高まることから営業利益率は14.9%と前期比0.2ポイントの改善を見込む。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,810百万円(同18.3%増)と大幅な増益を計画している。主力の分析機器事業と半導体事業を中心に安定成長を続けるとともに、自動認識事業の成長を図り、バランスの取れた事業ポートフォリオ構築へ向けて堅調に推移する見通しである。
2. セグメント別業績見通し
(1) 分析機器事業
分析機器事業は売上高20,500百万円(前期比2.7%増)、営業利益2,050百万円(同0.2%増)を見込んでいる。主力のクロマトグラフィー関連消耗品が堅調に推移し、景気変動の影響を受けにくい安定した収益基盤を維持する見通しだ。一方で、自社装置販売は北米の特需反動や中国景気の停滞で弱含むが、他社装置販売やサービス収入の拡大で補う。新製品「Inertsil Hybrid-C18」など高付加価値品の投入により収益性を底上げし、グループ全体の安定成長を支える中核セグメントとして機能する。
(2) 半導体事業
半導体事業は売上高22,000百万円(前期比3.2%増)、営業利益4,470百万円(同7.3%増)を見込んでいる。AI、データセンター、自動車関連半導体の需要が拡大し、石英ガラス及び結晶シリコン部材の出荷増加を見込む。前期に比べ生産効率が改善し、営業利益率も向上する見通しである。海外需要が引き続き旺盛で、特に北米・アジア市場向けの高純度製品が伸びている。原材料コスト上昇の影響を吸収しながら、グローバル生産体制の強化を進め、成長をけん引する主要セグメントとしての地位を固める。
(3) 自動認識事業
自動認識事業は売上高2,200百万円(前期比11.0%増)、営業利益140百万円(同21.6%増)を見込んでいる。RFIDリーダーライタやICタグを中心に、化学物質・試薬管理や入退室管理などのシステム導入が進み、数量・単価の両面で拡大する見通しだ。低採算案件の抑制と新規顧客開拓の成果により営業利益率も改善する見通しである。依然として規模は小さいが、DX・スマートファシリティ分野への展開を通じ、今後の成長ポテンシャルが高いセグメントとして期待される。
3. 米国関税及び為替変動の影響について
米国関税及び為替変動の影響について、同社の事業セグメント別の影響度を整理すると、以下のとおり限定的であると見られる。3事業とも外部環境リスクへの耐性は高く、為替・関税変動に対して安定した利益構造を維持できる体制を整えていると評価できる。
(1) 分析機器事業
売上高に占める北米向け比率が低く、米国関税の影響は軽微である。製品の特性上、他社製品への切り替えが難しいケースが多く、一定の価格転嫁を行っても販売数量への影響は限定的と見られる。為替変動に関しては、輸出だけでなく海外メーカー製品の輸入販売も行っているため、円安・円高のいずれの局面でも営業利益への影響は小さい。
(2) 半導体事業
米国向け出荷比率が低いことに加え、中国工場が保税区内に位置しているため、米国関税や中国による報復関税の影響も軽微にとどまる見通しである。為替については、1円の円安が営業利益を約3,000万円押し上げる効果があり、想定為替レートは1ドル=150円としている。為替感応度は比較的緩やかであり、為替環境の変動が収益構造に与える影響は限定的と言える。
(3) 自動認識事業
国内市場中心の事業展開であるため、米国関税や為替変動の影響は販売面ではほとんどない。ただし、米国製を含む海外電子部品を使用しているため、調達コストに関しては一定の関税・為替影響がある。これについては、販売価格への転嫁や調達先の見直しなど、柔軟な対応を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績については、売上高44,700百万円(前期比3.3%増)、営業利益6,680百万円(同5.3%増)と、増収増益で堅調な成長を見込んでいる。業績をけん引する半導体事業の収益性がさらに高まることから営業利益率は14.9%と前期比0.2ポイントの改善を見込む。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,810百万円(同18.3%増)と大幅な増益を計画している。主力の分析機器事業と半導体事業を中心に安定成長を続けるとともに、自動認識事業の成長を図り、バランスの取れた事業ポートフォリオ構築へ向けて堅調に推移する見通しである。
2. セグメント別業績見通し
(1) 分析機器事業
分析機器事業は売上高20,500百万円(前期比2.7%増)、営業利益2,050百万円(同0.2%増)を見込んでいる。主力のクロマトグラフィー関連消耗品が堅調に推移し、景気変動の影響を受けにくい安定した収益基盤を維持する見通しだ。一方で、自社装置販売は北米の特需反動や中国景気の停滞で弱含むが、他社装置販売やサービス収入の拡大で補う。新製品「Inertsil Hybrid-C18」など高付加価値品の投入により収益性を底上げし、グループ全体の安定成長を支える中核セグメントとして機能する。
(2) 半導体事業
半導体事業は売上高22,000百万円(前期比3.2%増)、営業利益4,470百万円(同7.3%増)を見込んでいる。AI、データセンター、自動車関連半導体の需要が拡大し、石英ガラス及び結晶シリコン部材の出荷増加を見込む。前期に比べ生産効率が改善し、営業利益率も向上する見通しである。海外需要が引き続き旺盛で、特に北米・アジア市場向けの高純度製品が伸びている。原材料コスト上昇の影響を吸収しながら、グローバル生産体制の強化を進め、成長をけん引する主要セグメントとしての地位を固める。
(3) 自動認識事業
自動認識事業は売上高2,200百万円(前期比11.0%増)、営業利益140百万円(同21.6%増)を見込んでいる。RFIDリーダーライタやICタグを中心に、化学物質・試薬管理や入退室管理などのシステム導入が進み、数量・単価の両面で拡大する見通しだ。低採算案件の抑制と新規顧客開拓の成果により営業利益率も改善する見通しである。依然として規模は小さいが、DX・スマートファシリティ分野への展開を通じ、今後の成長ポテンシャルが高いセグメントとして期待される。
3. 米国関税及び為替変動の影響について
米国関税及び為替変動の影響について、同社の事業セグメント別の影響度を整理すると、以下のとおり限定的であると見られる。3事業とも外部環境リスクへの耐性は高く、為替・関税変動に対して安定した利益構造を維持できる体制を整えていると評価できる。
(1) 分析機器事業
売上高に占める北米向け比率が低く、米国関税の影響は軽微である。製品の特性上、他社製品への切り替えが難しいケースが多く、一定の価格転嫁を行っても販売数量への影響は限定的と見られる。為替変動に関しては、輸出だけでなく海外メーカー製品の輸入販売も行っているため、円安・円高のいずれの局面でも営業利益への影響は小さい。
(2) 半導体事業
米国向け出荷比率が低いことに加え、中国工場が保税区内に位置しているため、米国関税や中国による報復関税の影響も軽微にとどまる見通しである。為替については、1円の円安が営業利益を約3,000万円押し上げる効果があり、想定為替レートは1ドル=150円としている。為替感応度は比較的緩やかであり、為替環境の変動が収益構造に与える影響は限定的と言える。
(3) 自動認識事業
国内市場中心の事業展開であるため、米国関税や為替変動の影響は販売面ではほとんどない。ただし、米国製を含む海外電子部品を使用しているため、調達コストに関しては一定の関税・為替影響がある。これについては、販売価格への転嫁や調達先の見直しなど、柔軟な対応を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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