*15:07JST クロス・マーケティンググループ:顧客のマーケティングDXパートナーへ、今期は下期偏重計画
クロス・マーケティンググループ<3675>は、マーケティングリサーチとデータ活用支援を中核とする企業で、国内外に多数のグループ会社を持つ。M&A・子会社設立により事業領域拡大と専門領域の深化しており、国内外で25件39社のM&Aを実行してきた。同社は1,421万人(2025年9月末時点)のパネルネットワークや最大2,500項目の詳細プロフィール、データアナリティス技術として約300名のアナリスト・250名超のエンジニアなどの圧倒的な資産・インフラが強みとなっている。また、幅広い業種に顧客基盤を保有しており、四半期平均取引社数1,953社・年間累計7,812社(前期比9%増)の特定顧客に大きく依存しないビジネスを展開している。そのほか、リサーチ(生活者の理解)とマーケティング実行支援を組み合わせることで顧客の事業推進・成長に直結する付加価値の提供を実現している。
セグメントは、従来のデータマーケティング事業とインサイト事業を統合し、デジタルマーケティング事業(売上高構成比43.3%)とリサーチ・インサイト事業(同56.7%)の2セグメントに変更した。デジタルマーケティング事業は、ソーシャル&デジタルプロモーション(セグメント内売上高構成比約66%)、SI・DXコンサルティング(同約17%)、マーケティングHR(同約17%)に分けられる。ソーシャル&デジタルプロモーションでは、IP/インフルエンサーマーケティング、サンプリングメディアを展開。SI・DXコンサルティングは、顧客企業のWebサイト・アプリケーションの設計・開発・運用・保守を行う。マーケティングHRは、マーケティング/IT/DX領域人材サービス、BPOサービスを提供する。一方、リサーチ・インサイト事業は、国内外で消費者リサーチ、市場データ収集分析、マーケティング・コンサルティングを提供している。同事業の売上高では、国内83%・海外17%を占めているようだ。
同社は顧客にとってデータと理解に基づいた総合マーケティングソリューションを提供することで、顧客の「マーケティングDXパートナー」となることを目指している。事業やサービスごとに競合や類似企業が一定存在するが、全社的な特定の競合は存在していない。調査からデータ活用、営業支援BPOまでを一貫提供できる同社は「調査+CRM/MA導入支援+運用代行」という幅広いコンサルティング領域をカバーしている。
直近の2026年6月期第1四半期は、売上高6,708百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益286百万円(前年同期比19.5%減)で着地した。デジタルマーケティング事業はソーシャル&デジタルプロモーションでインフルエンサーマーケティングやIPプロモーションの高成長領域が伸長するも、3PLのパスクリエが減収。マーケティングHRは、デジタル人材派遣、BPOサービスともに好調だった。一方で、SI・DXコンサルティングは、新規連結のCoumが加わるも、既存システム開発等が減収となり、セグメント全体の粗利減によりセグメント利益は減少した。リサーチ・インサイト事業では、国内のオンラインリサーチ好調に加えて、ヘルスケア領域も復調。海外では、北米が前期並みを確保も、英国・インド・インドネシア等が米国関税影響や政情不安等の影響による案件長期化がマイナス要因となった。通期計画は、売上高32,000百万円(前期比10.7%増)、営業利益2,800百万円(同11.0%増)を見込んでいる。今期は下期偏重の計画となっており、デジタルマーケティング事業が同18%増と全体をけん引する計画である。
市場環境をみても、IP/インフルエンサーマーケティング事業領域では、ソーシャルメディアマーケティング市場が2023年に1兆円を超えて年率約14%で伸びている。また、デジタル人材サービス市場は1.5兆円規模で年率8%と堅調に伸びている。IT人材不足数も今後続くと推定されている。そのほか、企業のデータ活用ニーズは後退しておらず、むしろ生成AIの普及を背景に「AI活用の前提となるデータ収集・整理」の需要も強まっている。
成長指針では、5年以内に売上高500億円・営業利益50億円達成するという目標を掲げている。その後も売上高1000憶円に向けて、売上高CAGR(2025-2035)13%を目指していく。テーマを 「Unite & Generate」 とするグループシナジーを積極的に推進(Unite)して新たな付加価値の創出、それらを通じて高い成長率を実現するようだ。デジタルマーケティング事業のうち、「マーケティングHR」及び「IP/インフルエンサーマーケティング」を戦略的注力領域に設定し、概ねCAGR20%の売上高成長でグループ全体をけん引していく計画。また、AI時代に対応した新組織セットアップを実行していくようで、組織全体の活用カルチャーなど活用や活用促進のための基盤整備、業務効率化、サービスへの応用に活用する。そのほか、M&A含めて今後も投資を実行していく方針も示している。
株主還元については、配当性向15%前後を目安とした継続的な増配(累進配当)を続けてきた。今後も配当と内部留保のバランスを重視している。
総じて、同社はリサーチの高収益性を軸にしながら、デジタルマーケティングやIP・人材領域など成長分野を掛け合わせることで、中期的な企業価値向上を図るフェーズにある。一方で、事業の多層性ゆえに投資家への説明が難しい点、デジタル領域の利益率改善、海外リサーチのボラティリティなど課題も存在する。ただ、膨大な顧客基盤、国内最大級のパネル資産、多様な子会社群の統合力といった同社固有の強みを踏まえ、成長指針に沿った今後の動向に注目しておきたい。
<HM>
セグメントは、従来のデータマーケティング事業とインサイト事業を統合し、デジタルマーケティング事業(売上高構成比43.3%)とリサーチ・インサイト事業(同56.7%)の2セグメントに変更した。デジタルマーケティング事業は、ソーシャル&デジタルプロモーション(セグメント内売上高構成比約66%)、SI・DXコンサルティング(同約17%)、マーケティングHR(同約17%)に分けられる。ソーシャル&デジタルプロモーションでは、IP/インフルエンサーマーケティング、サンプリングメディアを展開。SI・DXコンサルティングは、顧客企業のWebサイト・アプリケーションの設計・開発・運用・保守を行う。マーケティングHRは、マーケティング/IT/DX領域人材サービス、BPOサービスを提供する。一方、リサーチ・インサイト事業は、国内外で消費者リサーチ、市場データ収集分析、マーケティング・コンサルティングを提供している。同事業の売上高では、国内83%・海外17%を占めているようだ。
同社は顧客にとってデータと理解に基づいた総合マーケティングソリューションを提供することで、顧客の「マーケティングDXパートナー」となることを目指している。事業やサービスごとに競合や類似企業が一定存在するが、全社的な特定の競合は存在していない。調査からデータ活用、営業支援BPOまでを一貫提供できる同社は「調査+CRM/MA導入支援+運用代行」という幅広いコンサルティング領域をカバーしている。
直近の2026年6月期第1四半期は、売上高6,708百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益286百万円(前年同期比19.5%減)で着地した。デジタルマーケティング事業はソーシャル&デジタルプロモーションでインフルエンサーマーケティングやIPプロモーションの高成長領域が伸長するも、3PLのパスクリエが減収。マーケティングHRは、デジタル人材派遣、BPOサービスともに好調だった。一方で、SI・DXコンサルティングは、新規連結のCoumが加わるも、既存システム開発等が減収となり、セグメント全体の粗利減によりセグメント利益は減少した。リサーチ・インサイト事業では、国内のオンラインリサーチ好調に加えて、ヘルスケア領域も復調。海外では、北米が前期並みを確保も、英国・インド・インドネシア等が米国関税影響や政情不安等の影響による案件長期化がマイナス要因となった。通期計画は、売上高32,000百万円(前期比10.7%増)、営業利益2,800百万円(同11.0%増)を見込んでいる。今期は下期偏重の計画となっており、デジタルマーケティング事業が同18%増と全体をけん引する計画である。
市場環境をみても、IP/インフルエンサーマーケティング事業領域では、ソーシャルメディアマーケティング市場が2023年に1兆円を超えて年率約14%で伸びている。また、デジタル人材サービス市場は1.5兆円規模で年率8%と堅調に伸びている。IT人材不足数も今後続くと推定されている。そのほか、企業のデータ活用ニーズは後退しておらず、むしろ生成AIの普及を背景に「AI活用の前提となるデータ収集・整理」の需要も強まっている。
成長指針では、5年以内に売上高500億円・営業利益50億円達成するという目標を掲げている。その後も売上高1000憶円に向けて、売上高CAGR(2025-2035)13%を目指していく。テーマを 「Unite & Generate」 とするグループシナジーを積極的に推進(Unite)して新たな付加価値の創出、それらを通じて高い成長率を実現するようだ。デジタルマーケティング事業のうち、「マーケティングHR」及び「IP/インフルエンサーマーケティング」を戦略的注力領域に設定し、概ねCAGR20%の売上高成長でグループ全体をけん引していく計画。また、AI時代に対応した新組織セットアップを実行していくようで、組織全体の活用カルチャーなど活用や活用促進のための基盤整備、業務効率化、サービスへの応用に活用する。そのほか、M&A含めて今後も投資を実行していく方針も示している。
株主還元については、配当性向15%前後を目安とした継続的な増配(累進配当)を続けてきた。今後も配当と内部留保のバランスを重視している。
総じて、同社はリサーチの高収益性を軸にしながら、デジタルマーケティングやIP・人材領域など成長分野を掛け合わせることで、中期的な企業価値向上を図るフェーズにある。一方で、事業の多層性ゆえに投資家への説明が難しい点、デジタル領域の利益率改善、海外リサーチのボラティリティなど課題も存在する。ただ、膨大な顧客基盤、国内最大級のパネル資産、多様な子会社群の統合力といった同社固有の強みを踏まえ、成長指針に沿った今後の動向に注目しておきたい。
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