CRI・MW Research Memo(3):ミドルウェアの許諾や受託開発、音響制作を展開

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最新投稿日時:2025/12/05 12:03 - 「CRI・MW Research Memo(3):ミドルウェアの許諾や受託開発、音響制作を展開」(フィスコ)

CRI・MW Research Memo(3):ミドルウェアの許諾や受託開発、音響制作を展開

配信元:フィスコ
投稿:2025/12/05 12:03
*12:03JST CRI・MW Research Memo(3):ミドルウェアの許諾や受託開発、音響制作を展開 ■CRI・ミドルウェア<3698>の事業概要

1. 事業内容
同社グループは、同社及び音響制作の(株)ツーファイブと中国事業の上海希艾維信息科技(CRI China)の子会社2社で構成されており、「CRIWARE」などのブランドで、ソフトウェア製品の許諾ビジネスや許諾ビジネスに関連する受託開発、音響制作などを行っている。同社の事業内容は、以下のように様々な角度から見ることができる。

(1) 事業セグメント
事業セグメントはゲーム事業とエンタープライズ事業に分けられる。ゲーム事業では同社及び子会社2社が、ゲーム業界向けにゲーム開発をスムーズかつ効率的に行うための音声・映像関連ミドルウェアや画像最適化ソリューションを提供、音響制作事業ではゲームキャラクターの音声収録や楽曲制作などを行っている。「CRIWARE」のロゴは多くのゲームのパッケージやスマホゲームの起動画面に描かれており、ゲーマーの間では有名なミドルウェアである。エンタープライズ事業では同社が、ゲーム事業で培った音声・映像関連の技術を生かし、ゲーム以外の業界向けに、音声・映像関連ミドルウェアやソリューションの提供、関連する受託開発などを行っている。なかでも現在ターゲットとしているのは、車載機器などモビリティ分野、家電・IoT機器など組込み分野、Web動画や静止画などに関わる技術を取り扱うクラウドソリューション分野の3分野である。

(2) ゲームで培った要素技術
同社は長年にわたり、音声や映像など多くのデジタル信号処理技術を独自で研究開発し、顧客とともに技術検証を繰り返してきた。こうして蓄積された経験やノウハウと、その実績に基づく顧客からの信頼が、同社の技術評価や企業価値、ひいては「CRIWARE」ブランドを向上させてきた。特に音声に関しては、デジタルフィルタ処理などを用い、音に対して様々なエフェクトをリアルタイムに適用する音声信号処理、独自開発した音声圧縮技術によりマルチプラットフォームで展開できる音声コーデック※のほか、音声分析やサウンドオーサリングなど多くの技術を有している。映像/グラフィックスについては、ゲーム機やデバイスの特徴を考慮したうえで描画やデコード(解凍)のタイミングを調整する動画再生技術、単純な圧縮ツールでなくエンコード(圧縮)ライブラリとしてリアルタイム処理する動画圧縮技術のほか、映像解析や動画ストリーミングなど様々な技術を持っている。このほか、Web API開発や先読み/遅延ロード、ネットワーク技術、Webアプリケーション開発、UI/UX設計・開発、マイコン制御やOS/ドライバーの開発、電断対応などの組込み技術なども開発している。また、近年は様々な分野においてAIの活用を積極的に進めている。

※ コーデック(CODEC):音声や映像などのデジタルデータを圧縮・復元する技術、またはそのためのプログラム。

(3) 製品サービスとソリューション
ゲームで培ったこうした音声や映像などの高度な要素技術を、製品サービスやソリューションとして顧客に提供している。製品サービスとしては、遊技機やカラオケ、バーチャルキャラクター、VR/AR機などのエンターテインメント、家電やIoT、PC、サイネージなどの組込み、車載メーターやAVAS(Acoustic Vehicle Alerting System)、DMS(Driver Monitoring System)などのモビリティ、ECサイトやオンライン展示会などのクラウドソリューションといった分野で利用されている。ソリューションとしては、VR機器や有名ゲームタイトル向けアニメーションオーサリングツール、カラオケ会社向けキャラクターコンテンツ、自動車会社向けメータークラスタ用サウンドミドルウェア、自動車メーカー向け画質最適化システム、アパレルのビデオブログシステム、オンライン展示会のシステムなどの開発に活用されている。


統合型サウンドミドルウェア「CRI ADX」などを開発

2. 同社の製品とサービス
ゲーム事業では、20以上の機種や様々なOSに対応し、ハイクオリティなゲーム制作を支援している。主な製品は、主力の統合型サウンドミドルウェア「CRI ADX」、高画質・高機能ムービーミドルウェア「CRI Sofdec」、ネットワーク動画再生ミドルウェア「CRI Clovis」、オンラインコミュニケーションミドルウェア「CRI TeleXus」などである。また、子会社ツーファイブは、著名な声優を使った音声やイメージに合ったサウンドを作りたいというニーズに対し、声優のキャスティングから演出など音響監督による仕切り、収録、加工、編集、データ化までのサービスをワンストップで提供している。エンタープライズ事業では、クリアな音声、ブザー音から音声ガイドへの変更、部材点数の減少、状況に応じた音声の組み替えなどのニーズに対し、ワンチップマイコンで低負荷・高音質な音声の再生などを実現している。主な製品は、組込み分野の省回路型高出力サウンドミドルウェア「CRI D-Amp Driver」、フルデジタルオーディオソリューション「CRI SOLIDAS」、高圧縮トランスコードシステム「CRI DietCoder」、モビリティ分野のサウンド開発ソリューション「CRI ADX Automotive(CRI ADXAT)」、グラフィック開発ソリューション「CRI Glassco」、クラウドソリューション分野のWeb動画ソリューション「CRI LiveAct」、画像軽量化ソリューション「OPTPiX SmartJPEG」などである。


独自開発したデジタル信号処理技術などに強み

3. 同社の強み
同社には技術面の強みに加え、各分野ごとにそれぞれ強みがある。技術面では、高音質で24分の1という高い圧縮率の音声コーデックや、高画質で1,000分の1という高い圧縮率の映像圧縮技術といったデジタル信号処理技術に強みがある。加えて圧縮技術のツールや方式は自社で持っているため、コスト面などの制約があるなかでも、きれいに響かせたり、リアルタイムで映像とシンクロさせるなどの開発を積極的に進めることができた。こうした取り組みが価格と品質の面での優位性につながり、国内ゲーム向けにおいて高いシェアを獲得するに至った。さらに市場や顧客のニーズにマーケット・インして活用を進めた結果、ゲーム以外の幅広い分野でも利用されるようになった。また、分野ごとでは、ミドルウェア/ツールでは対応機種の多さ、音響制作では声優のキャスティングからデータ化までのワンストップサービス、組込み分野ではワンチップマイコンによる低負荷・高音質な再生、モビリティ分野では対応力や品質の均一性、クラウドソリューション分野ではスマホブラウザでの動画表現が強みである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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