【QAあり】サーバーワークス、大幅減益となり業績予想下方修正も、特殊要因を除けば期初予想達成水準 創業初の配当開始を決定

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最新投稿日時:2025/10/16 17:00 - 「【QAあり】サーバーワークス、大幅減益となり業績予想下方修正も、特殊要因を除けば期初予想達成水準 創業初の配当開始を決定」(ログミーファイナンス)

【QAあり】サーバーワークス、大幅減益となり業績予想下方修正も、特殊要因を除けば期初予想達成水準 創業初の配当開始を決定

投稿:2025/10/16 17:00

エグゼクティブサマリー

大石良氏(以下、大石):サーバーワークス代表取締役社長の大石です。

まずはサマリーです。大変残念ながら、第2四半期は複数の特殊要因が重なり、前年同期比で大幅な減益となりました。それに伴い、通期の業績予想も下方修正を行っています。ネガティブなサプライズを起こしてしまい、株主・投資家のみなさまに多大なご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。

要因についてご説明します。第2四半期において、サーバーワークスおよびG-genの両社で非常に大きな不採算プロジェクトが発生しました。

さらに、スライドに「特定得意先における臨時損失事案」と記載していますが、特定のお客さま環境において、当社の責によらないセキュリティブリーチが発生しました。これにより、お客さまのAWSリソースが大量に使用される事案が発生しました。

当社としては、対AWSにおいて損失が確定している一方で、回収についてはお客さまと協議中のため、現時点では特別損失として計上しています。

次に、G-genで非常に大きな赤字プロジェクトが発生し、買収当初の事業計画の達成がほとんど見込めなくなったことを受け、G-genののれんを全額一括償却することを決定しました。この結果、特別損失として7億4,200万円が発生しています。さらに、繰延税金資産の取り崩しも発生し、これら2つを合わせて当期純利益が大幅にマイナスとなりました。

この大きな2つの問題については、一義的には経営の責任があると理解しており、私を含め社内取締役2名の経営責任を明確化するため、報酬を減額することを決定しました。

一方で、この特殊要因を除けば、この後ご説明するように、期初の業績予想を達成できる水準にあり、足元の業績は引き続き好調です。

営業キャッシュフローの観点では非常に堅調に推移しており、来期以降も安定した利益創出が見込めると判断しています。これまで利益は全額内部留保としてきましたが、2026年2月期末を基準日として、1株あたり25円の配当を開始することを決定し、株主還元を積極的に行っていく方針です。

業績ハイライト

業績ハイライトです。第2四半期の売上高は、サーバーワークスグループ全体で187億3,600万円となり、前年同期比8.4パーセント増となりました。営業利益は9,000万円で、内訳としてはサーバーワークス単体で5億800万円、G-genでマイナス3億5,400万円となり、ほとんどの利益がG-genの赤字によって相殺されている状況です。

通期連結業績予想の修正

このたび、通期の連結業績予想を下方修正することを発表しました。売上高は前回発表比でマイナス6パーセントと、主に為替が大きく影響しています。営業利益については赤字案件の影響が大きいです。当期純利益についてはのれんの償却が大きく影響しており、今回はマイナス8億7,700万円という予想を発表しています。

2026年2月期 第2四半期決算の総評

今までお話しした、サーバーワークスとG-genで起きていることをまとめています。まず、ネガティブな点についてご説明します。

サーバーワークスでは、大型の不採算プロジェクトが発生しました。また、特定のお客さまでセキュリティブリーチが発生し、特別損失が発生しています。この件については、お客さまと回収方法を協議中です。さらに、税効果分類の変更により会計上の法人税が増加する結果となりました。

これらはいずれも今期一過性の要因と理解していますが、これらの要因が集中したことで下方修正となりました。

G-genでは非常に大きな不採算プロジェクトが発生したことに伴い、G-genの買収時、正確にはトップゲート買収時の事業計画の達成が見込めないと判断し、のれんを一括償却しました。これにより、繰延税金資産の回収可能性がなくなり、会計上の法人税が増加しています。こちらも一過性の要因と理解しています。

「もし」は禁句ですが、もしこれらがなかったと仮定すると、業績予想は達成可能な水準にあったと理解しています。足元の受注状況も非常に堅調であり、期初の採用目標は達成済みです。追加採用もすでに実施しており、順調に進捗しています。

来期以降も安定した利益創出が見通せるため、今回は初配となる株主還元を積極的に実施することを発表しています。

今回発生した事案と今後の影響と対策① ※営業利益影響

あらためて、今回発生した事案についてご説明します。期初のガイダンス発表時には想定していなかった事象がどのように発生したのか、その詳細をお話しします。

1つ目は円高の影響です。売上高がマイナス7億4,600万円、粗利がマイナス7,500万円となり、少なからず影響が出ています。この対策として、今回発表した修正後のレートは146.2円で計算しています。

2つ目と3つ目は、不採算プロジェクトについてです。サーバーワークスとG-genの両方で発生し、サーバーワークス側でマイナス1億600万円、G-gen側でマイナス4億1,400万円と、非常に大きな赤字を出しました。ただし、両案件とも収束に向かっています。

最も重要なことは、同じ問題を繰り返さないことです。そのため、見積もりやリスク管理の整備を急ピッチで進めています。システム面では新しい業務システムを導入することで、不採算案件を繰り返さないよう徹底し、再発防止に努めていきたいと考えています。

今回発生した事案と今後の影響と対策② ※当期純利益影響

4つ目は、臨時損失事案です。お客さまの環境で大規模なセキュリティブリーチが発生し、AWSアカウントが乗っ取られ、AWSリソースが大量に使用される事案が発生しました。この結果として、臨時損失9,800万円を計上しています。

なお、対AWSとしては損失が確定していますが、現在お客さまと回収方法や可能性などについて協議を行っている状況です。性格上、これ以上のマイナスは発生しないため、9,800万円がさらに小さくなる可能性はありますが、これが最大値であることをお伝えします。

5つ目は、これらのマイナスに伴い、G-gen株式の減損と、旧トップゲートを当社が買収した際ののれんを一括償却することにより、7億4,200万円のマイナスが確定しています。一方、今後の影響については、営業利益ベースで年間1億800万円相当ののれん償却額がなくなるため、来期以降はプラスの影響が発生すると見込んでいます。

6つ目と7つ目は、これらのマイナスが発生した結果、法人税の調整が入り、取り崩し等が発生したことで、会計上の利益が1億4,300万円減少しました。

【営業利益】特殊要因における影響額の内訳

スライドに示しているチャートは、仮定の話になりますが、個別の特殊要因がなければ期初の予想を達成できていたことを示しています。

【当期純利益】特殊要因における影響額の内訳

こちらのチャートも参考程度にご確認ください。

中期経営方針への影響について

今回、下方修正となったため、中期経営方針への影響についてご説明します。現時点では、中期経営方針の営業利益および経常利益に変更はないと考えています。

再三ご説明しているとおり、今期にマイナス影響があった特殊要因は、主に一過性のものが中心です。来期以降の利益へのネガティブなインパクトはほとんどなく、むしろ、のれんの償却などによってプラスに働くと理解しています。

また、来期以降の利益を創出するため、今期の投資も継続しています。来期は14億円の営業利益を達成するという目標を掲げており、それに必要な人材などの投資は継続しています。

そして、SCA(戦略的協業契約)を成長戦略の軸として、生成AI・セキュリティ・海外進出の3つを変わらず推進していきたいと考えています。

配当方針の変更及び配当予想の修正(配当開始)について

今回初めて発表した配当についてご説明します。今回は残念ながら下方修正の発表となりました。ただし、一過性のものや会計上のマイナスが非常に大きくなっている状況です。

営業キャッシュフローは引き続き大きなプラスが継続する見込みであるため、成長と株主還元の両立が可能と判断し、2026年2月期において配当を実施したいと考えています。特に、当社はストック売上比率が90パーセント以上と非常に安定したキャッシュフローを生み出せる状況にあるため、この両立は可能であると考えています。

連結配当性向は20パーセントから30パーセント、株主資本配当率(DOE)は下限1.0パーセントを目安としています。1株あたりの配当金は、現時点で25円を予想しています。

主要トピックス1

ここからは、通常の決算説明会でご説明している、2026年2月期第2四半期の主要なトピックスについてお話しします。

まず1つ目が、「AWS MSSP コンピテンシー」を取得したというニュースです。こちらは「Managed Security Service Provider(マネージドセキュリティサービスプロバイダー)」の略で、当社がAWSからマネージドセキュリティサービスを提供する十分な能力があると認定されたものです。

中期経営方針でもお伝えしているとおり、当社はクラウドのインフラ基盤を提供することをメインとしていますが、昨今のサイバーセキュリティへの関心の高まりを受け、「クラウドインフラもしっかりと守っていきたい」「セキュリティレベルを高めていきたい」といったニーズが増加しています。

当社は「サバソック」というブランド名でセキュリティサービスの提供を開始し、このたび「サバソック」が十分な体制を有していることをAWSから認定されたというニュースです。

主要トピックス2

2つ目は、G-genが「Google Cloud Next Tokyo 2025」に出展したというニュースです。「Google Cloud」も、「Gemini」や「Google Agentspace」といった領域で非常に大きな盛り上がりを見せており、G-genは集客コンテストで2位を獲得しました。AI分野においても非常に賑わいを見せたというトピックスです。

主要トピックス3

3つ目は、サーバーワークスおよびG-genの両社による生成AI事例に関するトピックスです。サーバーワークスでは東日本計算センターさまで、G-genでは東京システムハウスさまで、それぞれユニークな生成AIの事例が発表されています。

開発において生成AIを使用することがすでに当たり前になりつつあります。また、エンタープライズサーチと呼ばれていた社内文書検索の領域などでも、生成AIを活用する事例が非常に盛り上がってきています。

売上高の推移 -連結・各社-

ここからは業績の詳細についてご説明します。第1四半期は昨年末に発生した大きな解約の影響を受けて落ち込んでいましたが、第2四半期では、特にサーバーワークスにおいて、昨年の第4四半期の水準まで回復が進んでいる状況です。

製品・サービス区分別 -各社売上構成-

サービス別の売上高の推移です。クラウドインテグレーションは非常に堅調に推移しています。当社のビジネスモデルは、まずクラウドインテグレーションから始まり、その後リセールやMSPへとつながる構造となっているため、クラウドインテグレーションは非常に重要な先行指標の1つです。

順調に伸びているものの、赤字プロジェクトがなければさらに伸びていた可能性があると理解しており、残念に感じている部分もあります。それでも着実に成長しており、これだけ積み増しができていれば、今後リセールやMSPにつながっていくことが期待されます。足元が順調であることをご理解いただけるかと思います。

一方で、G-genでは非常に大きな赤字プロジェクトが発生し、その対応に多くのリソースを割いたため、やや低調な伸びとなっています。ただし、リセールについては順調に伸びている状況です。

リセール -AWSアカウント数・ARPUの推移-

リセールの伸びを示すAWSアカウント数と、お客さまあたりの単価の推移についてです。ご覧のとおり、アカウント数は非常に大きく伸びています。単価については、当社がお客さまの利用料が増えすぎないような活動をしっかりと継続していることもあり、コントロールが非常にうまくいっていると理解しています。

AWS利用料の推移(米ドルベース)

ドルベースでのAWS利用料の推移です。非常に重要なチャートであり、株主や投資家のみなさまにも毎回お伝えしています。第1四半期にサーバーワークスで非常に大きな解約がありましたが、それを乗り越え、順調に右肩上がりで推移しています。AWSの市場自体がまだ成長していることがおわかりいただけると思います。

為替レートの推移

為替レートの推移についてです。足元では円安が進行していますが、第2四半期は147円で推移しました。今回の下方修正に合わせて、実績の平均為替レートを146.2円に修正しています。これにより、今後は為替の影響を受けにくいガイダンスになっていると考えています。

営業利益の前年同期比増減要因分析

ここからは、営業利益の前年同期比の増減要因についてです。

連結貸借対照表(要約)

分析が必要な方は、スライド30ページおよびこちらのスライドをご確認ください。

LTV(顧客生涯価値)

ここからは補足データのご説明です。こちらのチャートは、毎回ご紹介しているLTV(顧客生涯価値)のチャートです。大変ありがたいことに、2012年以前からご契約いただいているお客さまを含め、みなさまの売上高が積み重なり、しっかりとした伸びを実現していることがおわかりいただけると思います。

グループ人員数推移

グループ人員数の推移です。スライドのグラフに「計画残」を記載していますが、順調に進捗しており、今期末には約548名の体制にできると考えています。

エンジニアのAWS資格取得推進

エンジニアのスキルアップも順調に進んでおり、AWS認定資格の取得数は目標である1,500件に対して、もう少しという状況まで達しています。

2026年2月期 第2四半期に関する想定Q&A

最後に、想定Q&Aです。いただく可能性があるご質問について、あらかじめお答えします。

1つ目は、「クラウドインテグレーションの分野で、プロジェクト単価が下がっている理由を教えてください」というご質問です。第1四半期に非常に高単価な案件があったため、一過性の要因と考えています。これを除けば、順調に右肩上がりを続けているというのが当社の理解です。

2つ目は、「リセールのARPUは右肩上がりに伸びないのでしょうか?」ということで、「ARPUが下がっているように見える」というご質問です。

当社では、お客さまの環境をアセスメントする際に、利用が過度に増えすぎないよう、利用料を適切な水準に抑えるコンサルティングを行っています。これにより、お客さまに当社のようなパートナーを活用する価値を認めていただき、その結果、継続的な契約につながると考えています。

最後は、「リセールのアカウントが第2四半期に急増している理由を教えてください」というご質問です。第1四半期に非常に大きな解約があり、アカウントの伸びが抑制されてしまう状況がありました。これを乗り越え、第2四半期からは順調にアカウント数を増やすことができています。そのため、大きく伸びているように見える状況です。

私からの説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:不採算プロジェクトの再発防止策について

司会者:「今回の減益要因は特殊要因と説明されていますが、同様の損失が再発するリスクはないのでしょうか?」というご質問です。

大石:ご指摘のとおり、今回の減益は複数の特殊な要因が重なったものです。その中でも、特に赤字のプロジェクトについてご説明します。

これはG-genとサーバーワークスの両方で起きていることですが、G-genにおいては、トップゲート社の買収直後に、PMIが十分に行き届かない状況下で受注したプロジェクトが起因しています。

こちらについては、金額のバーをしっかりと設け、G-genではしばらく会社の体力を超える大型プロジェクトの受注を控える方針です。大型案件にまつわるリスクを抑制していきたいと考えています。

また、サーバーワークスは、長い間、小規模プロジェクトを積み重ねてストックビジネスを築いてきた歴史があります。この歴史を新生G-genでもしっかりと繰り返し、着実に積み上げて数字を作り出していきたいと考えています。

サーバーワークスでは、新しいチャレンジ案件において赤字が拡大した部分がありましたが、新たな業務システムの導入やワークフロー、ガイドラインの整備など、人に依存しない仕組みを構築することで再発防止に努めています。

この点については、私が直接指示し、全社展開を進めています。再発を防ぐため、責任を持って取り組んでいきます。特に赤字案件については、計画的な単発の赤字案件が一部存在する可能性はありますが、計画外の大きな赤字案件の発生を抑制することを引き続き徹底していきたいと考えています。

今後については、のれんの償却が終わることで償却負担がなくなり、ポジティブに働いていくものと考えています。

質疑応答:配当金額について

司会者:「配当を25円と決めた理由を教えてください」というご質問です。

大石:まず、配当を始める理由と配当の金額についてご説明します。これまで当社では、まだまだ成長の余地があることから、事業拡大や体制整備のため、内部留保に回していました。

一方で、現在では営業キャッシュフローも非常に安定しており、継続的に株主のみなさまに還元しながら成長も両立できると自信を持てるところまで発展しました。特にストックビジネスが拡大してきています。これを踏まえ、今後も安定的に配当を続けていける水準として、初配25円を決定しました。

25円の水準感としては、中期経営方針で示している今後の利益目標や、現在計画している営業キャッシュフローの状況を踏まえ、配当性向をおおむね20パーセント台、株主資本配当率(DOE)を下限1.0パーセントとすることを目安に設定しました。この水準は、成長投資に必要な資金を維持しつつ、安定的に株主還元を行えるものとして決定しています。

一時的な業績変動に左右されることなく、成長投資と株主還元のバランスを保ちながら、今後も企業価値の向上と株主還元の両立を目指していきます。その水準として、25円で決定したとご理解いただければと思います。

質疑応答:株式の流動性を高める取り組みについて

司会者:「最近、株式の流動性が低くなっているように思いますが、対策は考えていますか?」というご質問です。

大石:ご懸念の点については、私どもも重要な課題の1つであると認識しています。4月に公表した中期経営方針では、持続的かつ安定的な成長を通じて、企業価値と株主価値の向上に努めると宣言しています。そのためにも、より多くの投資家や株主のみなさまに当社の事業を理解していただくため、IR活動を強化し、対話の機会を増やしていく必要があると考えています。

具体的には、このようなライブ配信での説明会をはじめ、機関投資家のみなさまとの1on1、スモールミーティング、ラージミーティング、アナリストとの面談などのIR活動を今後さらに拡大していきます。

これにより、さらに多くの株主や投資家のみなさまにアプローチし、特に日々の出来高の増加が重要であると認識しているため、流動性を高めるための努力を継続していきたいと考えています。

質疑応答:配当に関する方針と原資について

司会者:「配当を25円としていますが、今後も継続的に配当を出していけると考えてよいでしょうか?」というご質問です。

大石:配当を出す以上、安定的かつ継続的に行うことが非常に重要であると理解しており、方針としてもそのように切り替えています。

配当性向は20パーセント台、総還元性向は25パーセントから50パーセントを目標としています。業績に左右されずに配当を出し続けられるように、DOEの下限を1.0パーセントと定め、これを基に配当を継続的に進めていきたいと考えています。

その原資としては、売上ストック比率が90パーセントであることから、この安定的なビジネスが原資になっているとご理解いただければと思います。

質疑応答:生成AIとセキュリティ分野の現在の状況、今後の見通しについて

司会者:「生成AIやセキュリティへの取り組みを強化しているとのことですが、業績への貢献はどの程度を想定していますか?」というご質問です。

大石:生成AIとセキュリティについては、まだ投資を始めたばかりであり、業績への影響はこれからという状況です。

一方で、現時点で生成AIの案件は非常に増えています。例えば、自社での活用では社内のヘルプデスクなどでの利用が進んでいます。お客さまの案件では、コールセンター向けの支援といった分野でも増加しています。

セキュリティ分野については、先ほどのプレゼン資料でも触れましたが、AWSから「MSSP コンピテンシー」を取得し、マネージドセキュリティサービスを提供する十分な能力があると認定されています。このように、一定程度のケイパビリティの証明ができていると理解しています。

今後、これをしっかりとGo To Marketしていき、数字として大きくしていきたいと考えています。

質疑応答:積極採用を続ける理由について

司会者:「採用や人件費が増えているようですが、業績が一時的に厳しい中で、なぜ積極採用を続けるのでしょうか? 今後の利益とのバランスをどのように考えていますか?」というご質問です。

大石:中期経営方針に掲げているとおり、クラウドが一丁目一番地であるということに変わりはありません。しかし、生成AIやセキュリティといった成長領域でも需要拡大が見込まれることから、クラウドを基盤として、その上に生成AIとセキュリティを三位一体で提供する体制を構築していきたいと考えています。

今回の業績の下方修正は、非常に一時的な要因によるものです。赤字プロジェクトやのれんの減損といった特殊な要因、および税効果によるもので、これらの一時的な要因が不運にも1つの四半期に重なりました。

足元の受注状況は非常に堅調ですので、今後もしっかり採用を進め、優秀なエンジニアを確保して、ビジネスをさらに成長させていきたいと考えています。利益面では一時的に人件費が先行することも考えられますが、1人あたりの付加価値の向上により、来期以降はしっかりと利益に貢献してくれるものと期待しています。

質疑応答:自社株買いの実施について

司会者:「このタイミングで自社株買いは行わないのでしょうか?」というご質問です。

大石:今期は、今年4月に金額ベースで約5億円、株式数で22万2,000株の自社株買いをすでに実施しています。

一方で、事業成長に向けた投資や財務基盤の維持、流動性の確保、キャッシュアロケーションの課題もあるため、現時点では株主還元について配当を第一の選択肢としています。

ただし、自社株買いの選択肢を捨てたわけではありません。最適な実施時期や規模を慎重に見極めつつ、配当と合わせて株主のみなさまへの還元を積極的に進めていきたいと考えています。

質疑応答:TOB・MBOの検討について

司会者:「株価がすべてだと思います。TOBやMBOなどを検討して、株主に報いるべきではないのでしょうか?」というご質問です。

大石:TOBやMBOといった選択肢は、経営陣だけの意思で進められるものではなく、株主構成や資本市場との対話を踏まえた慎重な判断が必要になるオペレーションであると理解しています。

私どもとしては、まず上場企業としての透明性および成長資金の確保をしっかり進めていく方針です。今回は残念ながら下方修正となりましたが、今後は信頼を回復するため業績を向上させ、それを通じて株価・企業価値の向上を目指していきます。これが最終的に株主のみなさまに最も大きな利益を還元できる経営の方向性であると理解しています。

質疑応答:不採算案件の完了時期について

司会者:「2つの不採算案件の完了時期は、いつ頃の予定ですか?」というご質問です。

大石:サーバーワークス側のプロジェクトは今期中に完成する見通しです。G-genのプロジェクトについては、2026年中頃まで継続する予定ですが、費用をできるだけ今期中に落とす方向で、今回は保守的に損失を確定しています。来期に大きな損失を持ち込むことのないように、今期のコストとして慎重に見込んでいるとご理解いただければと思います。

質疑応答:株主へのリターンと経営体制の立て直しについて

司会者:「役員報酬を減額しても、株主は報われません。既存の株主に対して、何かすべきではないのでしょうか?」というご質問です。

大石:ご意見ありがとうございます。おっしゃるとおり、役員報酬の減額はあくまで責任を明確にするための対応であり、株主のみなさまへの直接的なリターンになるものではないことは重々承知しています。

株主のみなさまに報いるためには、しっかりと立て直し、持続的かつ安定的に計画どおりの利益を出せることを実績として示し、信頼関係を回復することが何よりも重要だと認識しています。

短期的なご期待に沿うことが難しい局面もあるかと思いますが、私を含め当社の経営陣は、痛みを伴いながらも収益改善や資本効率の向上を着実に進め、結果として株主価値の向上というかたちでみなさまのご期待に応えることが最も重要だと考えています。

併せて、今回は特殊な要因を除くと、営業キャッシュフローではしっかりとプラスが出ています。そのため、配当も含め、既存の株主のみなさまに対して着実に還元を進めていきたいと考えています。

質疑応答:下期の業績について

司会者:「下期の営業利益が3億円の計画となっていて、第2四半期の一過性の影響がなくなるにも関わらず、利益率が1.5パーセントと低い想定なのはなぜでしょうか? まだ下期にリスク要因を見ているのでしょうか?」というご質問です。

大石:現時点では、大きなリスク要因を見込んでいるわけではありません。一方で、先ほどお話ししたとおり、来期以降は中期経営方針である14億円の利益を達成できるように、赤字案件のコストを今期に保守的に見込むなど、来期以降に向けた準備をしっかりと進めていきます。

そのコストを今年度に一定程度負担するというオペレーションのため、下期の利益率が低く見えるという点についてご理解いただければと思います。

質疑応答:セキュリティ事案の責任の所在について

司会者:「セキュリティ事案についてです。一般論として、AWSアカウントの乗っ取りへの対策の責任の所在は、御社側・顧客側のどちらにあるのでしょうか?」というご質問です。

大石:この件については、一義的にはお客さまの責任となります。私どもとしては特別損失として計上していますが、基本的なスタンスとしては全額回収を目指す方針です。一方で、お客さまが困難な状況にあることも理解しています。そのため、回収の方向性や具体的な方法についてきちんと協議を行い、現実的に回収を進めていくこととなります。

質疑応答:株価を10倍にするという目標について

司会者:「過去に『X』で『株価を10倍にする』との発言がありました。いつ10倍になりますか? 株主軽視は慎んでいただきたいです」というご質問です。

大石:厳しいご意見を真摯に受け止めています。私たちは現在、企業価値を高める取り組みとして、収益性の改善や資本効率の向上を着実に進めています。その結果として、市場から評価されることが最も重要なことだと理解しています。

短期的な目標だけでなく、企業価値を10倍にするという私の願いに嘘偽りはなく、その目標を下げるつもりもありません。今後もしっかりと目指していくことに変わりはないということをご理解いただければと思います。

大石氏からのご挨拶

大石:本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございました。今回は下方修正ということで、株主・投資家のみなさまにはネガティブなサプライズを起こしてしまったことを、本当に申し訳なく思っています。この場をお借りし、あらためてお詫び申し上げます。

一方で、足元の状況は堅調であり、生成AIなどをトリガーとしてクラウドビジネスはさらに成長していくものと考えています。私どもは今回、一時的に後退してしまいましたが、しっかりと立て直し、マーケットの成長を上回る成長を目指していきます。

これにより、株価をしっかりと回復させ、最終的には株主のみなさまに確実に還元していくことが求められていると理解しています。みなさまからの信頼を取り戻せるよう努めていきますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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