「選挙は買い」のアノマリーが奏功するか
【注目ポイント】「96.420円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①-1】同レートでの下値サポートなら、「100.000円」付近までの上昇
【シナリオ①-2】さらに「100.000円」超えなら、「102.000円」付近までの上昇も
【シナリオ②】「96.420円」割れなら、「94.230円」付近までの下落もあり得そう
【1~2カ月程度の“主戦場”(コアレンジ)】「94.230~100.000円」
ここもと、豪ドル/円の注目ポイントと見ていた「97.500円上抜けブレーク成否」。11日の終値ベースで同レートを上抜けブレークし、足もとでは今年1月27日以来となる98円台での推移となっています。
上図(週足チャート)をそれぞれ見ていくと、1) 26週MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足を上放れる“好転”(上図黄色丸印)が示現していること、3) ローソク足の下方に赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが緩やかながら右肩上がりとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、現在の豪ドル/円・週足チャートは上昇トレンド序盤を示すチャート形状であると判断します。
その他では、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”になりつつあること、またⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が示現しつつあることを合わせると、今後の豪ドル/円はさらなる上値切り上げとなる蓋然性(がいぜんせい)が高く、上昇モメンタムが強まる動きとなりそうです。
足もとで注目すべきポイントは・・・BB・+1σラインをメドとする「96.420円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①-1]
この先、「96.420円」で下値サポートされた場合は、「上昇バンドウォークの継続」→「上値切り上げ」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのさらなる上放れ」や「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、心理的な節目である「100.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇となりそうです。
[シナリオ①-2]
さらに「100.000円」超えとなった場合は、「心理的な節目超え」→「もう一段の上値追い」へのトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「エクスパンションの進展」や「+DI>-DIのさらなる乖離拡大」なども伴いながら、昨年11月以来の高値水準となる「102.000円」(上図Ⓐ’桃色線)付近までの上昇を視野に入れるべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「96.420円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「下押し」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への近接」や「SARの売りサインへの転換」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、26週および200週MAをメドとする「94.230円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落もあり得そうです。
上記シナリオ①(1、2)および②を概括すると、現下の豪ドル/円はもう一段の上値切り上げを模索する相場付きとなる中、当面※は「94.230~100.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。(※ここでの「当面」は、1~2カ月程度のスパンを想定しています。)
[シナリオ①-2]で記載した「102.000円」までの上昇については、豪ドル/円の上昇モメンタムが強まった場合、今後あり得る水準として認識すべきでしょう。
当面は、自民党総裁選挙に関する材料が、円相場を主体とする豪ドル/円の相場動意となりそうです。ちなみに、選挙に関する動きの一つに「選挙は買い」(=選挙期間中は各候補者が経済対策に重点を置く傾向があることから、リスク資産を買う相場付きになりやすい)というアノマリーがあります。足もとのマーケットでは、次期総裁(首相?)候補者に対して、財政拡張ならびに金融緩和を期待(切望)する、いわば“期待先行”ともいえる相場付きとなっています。この動きはしばらく継続するのでしょうか。チャートの動きとともに、本邦国内政局の動向にも大いに留意すべきでしょう。
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