刮目すべきは・・・遅行スパンの“好転”!
【注目ポイント】「200.000円」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レート超えなら、「208.000円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レートでの上値抑制なら、「193.000円」付近までの下落も視野に
【1カ月程度の“主戦場”(コアレンジ)】「193.000~208.000円」
4月上旬、いわゆる“トランプ相互関税ショック”に伴うリスク回避の動きが進展し、英ポンド/円も円高フロー主体で大幅に下落。同月9日には昨年9月以来の安値となる「184.367円」まで下げたものの、その後は「下値固め」→「反発/上昇フロー」に。以後、強気基調が継続する中、足もとでは週足チャートにおいてさらなる上昇を示唆する指標が出現しています。
上図(週足チャート)をそれぞれ見ていくと、1) 26週MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足を上抜ける“好転”(上図黄色丸印)が示現していること、3) ローソク足が赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)の上方にあること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で僅かながら+DI>-DIとなり、ADXが低位置での横這い推移になっている(上図赤色点線丸印)ことから、現在の英ポンド/円・週足チャートは上昇トレンド序盤を示すチャート形状であると判断します。
その他では、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”になりつつあること、またⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が示現しつつあることを加味すると、今後の英ポンド/円はトリガー次第ではもう一段の上値切り上げとなる蓋然性(がいぜんせい)が高そうです。
そんな中、目先の注目ポイントは・・・心理的な節目である「200.000円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜けブレークするか否か。同レートは、直近の高安レート(高値:208.049円[24/7/11]、安値:184.367円[24/4/9])を基準とするFR(フィボナッチ・リトレースメント)・61.8%戻しの水準と近似値であるため、英ポンド/円のトレンド観測における重要な“分水嶺(ぶんすいれい)”と言えそうです。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「200.000円」を終値ベースで上抜けブレークした場合は、「心理的な節目およびFR・61.8%ライン超え」→「上昇モメンタム加速」のトリガーとなり得そうです。当該ケースでは、「上昇バンドウォークおよびエクスパンションの進展」や「遅行スパンの上放れ」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、昨年の7月11日に付けた直近高値水準である「208.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「200.000円」超えが不達(=上値抑制)であった場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「一旦の下押し」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」や「SARの売りサインへの転換」、また「+DI>-DIの乖離縮小または収斂」なども伴いながら、約半年間における市場参加者の平均コストを示す26週MAをメドとする「193.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下の英ポンド/円はもう一段の上値切り上げを模索する相場付きとなる中、当面※は「193.000~208.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。(※ここでの「当面」は、1カ月程度のスパンを想定しています。)
上述した各メルクマールの中で、特に刮目すべきは・・・「遅行スパンの“好転”」。
当該シグナルは、従前の相場環境(ここでは『レンジ相場』)からのカタルシス(解放、開放)を示唆していると捉えることができ、またアナロジー(類比)分析上では、上昇トレンドへの転換期となる事例やパターンが多くみられます。よって、筆者は上記[シナリオ①]となる蓋然性(がいぜんせい)が高いと考えます。“フェイク(ダマし)”には十分留意しながら、トレードアイデアの一つとしてご参考にしていただければ幸いです。
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