【QAあり】フレクト、旺盛な需要とプロジェクトの健全な進捗により、3Qは過去最高の四半期売上高・段階利益を達成
2025年3月期第3四半期決算説明会
塚腰和男氏(以下、塚腰):ただいまより、株式会社フレクト2025年3月期第3四半期決算説明会を始めます。本日の司会進行役を務める執行役員コーポレート本部長CFOの塚腰です。本日は、当社代表取締役CEO黒川幸治より決算についてご説明します。
黒川幸治氏(以下、黒川):みなさま、こんにちは。株式会社フレクト代表取締役CEOの黒川です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。本日初めて参加する方向けに、まずは会社および事業概要をご説明し、その後に決算内容についてご説明します。どうぞよろしくお願いします。
会社概要
まず会社概要です。当社の設立は2005年で、現在20期目となります。従業員数は、2024年12月末時点で385人です。
クラウド先端テクノロジーとデザインで企業のDXを支援するマルチクラウド・インテグレーターとして、DX支援のプロフェッショナルサービス「クラウドインテグレーションサービス」を展開しています。
既存事業や新規事業のデジタル変革をサービス企画からデザイン、マルチクラウド開発、運用までワンストップで提供します。
ビジョン
当社のコーポレートビジョンは、「あるべき未来をクラウドでカタチにする」です。
あらゆるヒトやモノがデジタルで当たり前につながる社会において、デジタルに最適化された新しい顧客体験をカタチにし、単に企業から言われたことだけを開発するのではなく、企業やその先にいるユーザーのあるべき姿を当社自身で考え、提案し、もの作りまで行います。この結果として、顧客中心型のビジネス変革を支援していきます。
サービスの流れ
サービスの流れです。まず、クラウドパートナーから顧客紹介と共同提案の依頼が入ります。それを受けて共同営業を行い、受注した顧客企業に対するライセンスはクラウドパートナーの契約となります。当社においてもライセンスのリセール活動は一部行っていますが、売上における影響は軽微なものとなっています。
プロフェッショナルサービスは当社と顧客企業との直接契約となり、サービス提供を行い、そのサービス提供料をいただくかたちとなります。初回契約以降は、当社営業が営業活動を行うことで、お客さまとの継続的なお取引を実現しています。
DXの本質は、企業の競争力を高める「攻めのDX」
DXの本質は、企業の競争力を高める「攻めのDX」です。コスト削減を目的とした、例えば紙からデジタルへの置き換えといった、社内のアナログな業務やデータをデジタル化する「守りのDX」から、収益や顧客エンゲージメントの向上を目的とした、新しい顧客体験を創出する「攻めのDX」にシフトすることが求められています。
「攻めのDX」のステップは、顧客接点の変革、サービス商品の変革、最後にビジネスモデルの変革となります。達成難度も高いため、これを実現すると企業の高い競争力が獲得できます。この「攻めのDX」こそが、DXの本質と考えています。
クラウド先端テクノロジーで新しい顧客体験をカタチにする「攻めのDX」支援
あらためて、クラウドインテグレーションサービスは、クラウド先端テクノロジーで新しい顧客体験をカタチにする「攻めのDX」を支援します。
具体的には、IoT/モビリティやAIサービス、顧客とつながるコミュニティやECサービス、API連携やID認証およびデータ統合基盤構築など、企業の既存事業や新規事業のデジタル変革を支援しています。
また、積極的にDXを推進する大手企業を中心とした顧客基盤となっており、2025年3月期第3四半期の売上比では、約91パーセントが大手企業となります。
デジタルサービスづくりのワンストップサービス
デジタルサービス作りのワンストップサービスについてです。「攻めのDX」の実現のためには、「クリエイティビティ(デザイン力)」と「マルチクラウド・エンジニアリング(開発力)」により、組織の能力をカバーする必要があります。
「クリエイティビティ(デザイン力)」は、デジタルサービスの企画からUI/UX、画面や顧客体験のデザインです。
「マルチクラウド・エンジニアリング(開発力)」は、顧客アプリケーション、業務アプリケーション、IoTやAIといった先端テクノロジー、そしてプラットフォーム、インフラまでの開発が必要となり、当社はこれらをワンストップで提供しています。
変化に適応する高いアジリティ(俊敏性)
変化に適応する高いアジリティ(俊敏性)についてです。テクノロジーや競合の急速な進化、およびユーザーのフィードバックに対して、高いアジリティを持ってデジタルサービスを継続的に発展させていく必要があります。
当社ではプロジェクトの平均期間は約3ヶ月となり、短期間でのデリバリ(開発)を実現しています。また、初期サービス構築で終わらず、繰り返しデリバリサイクルを回すことで、変化に適応しながらアジャイルでDXサービスの成長を支えていきます。
DXによるビジネス変革を実現するマルチクラウドの高い技術力
DXによるビジネス変革を実現する、マルチクラウドの高い技術力についてです。例えば、IoTサービスのみといった単一サービスの提供ではなく、複数のデジタルサービスを開発し、それらを束ねてビジネスモデル全体の変革を支援しています。
そのためにも、各種クラウドプラットフォームの長所・短所をしっかりと押さえ、デジタルサービスの特徴や顧客要件に最適なクラウドを適材適所で活用しています。このようなマルチクラウドの高い技術力が、当社の競争優位性であると考えています。
DX案件の継続的な受注とクロスセルによる拡大
DX案件の継続的な受注とクロスセルによる拡大についてです。当社では初期サービス構築以降も、フェーズ2やフェーズ3といった単位で、機能追加や性能向上などの開発を継続的に行い、サービスを発展させていきます。
また、1つのデジタルサービスだけでなく、複数のデジタルサービスを同時並行で開発することで、1社の顧客に対してクロスセルによる受注の拡大も実現します。
既存大手企業の売上構成比
既存大手企業の売上構成比です。DX案件の継続的な受注とクロスセルにより、フロービジネスでありながらも、高いストック性を有しています。2024年3月期における既存大手企業からの売上構成比は、85.3パーセントを占めています。
(2025年3月期-第3四半期) 決算サマリー
2025年3月期第3四半期決算についてご説明します。まず、第3四半期の決算サマリーです。
スライドの①に示しているとおり、引き続き旺盛な需要に加え、総じてプロジェクトが健全に進捗していることから、売上、段階利益ともに過去最高の業績を達成しました。
具体的には、売上高は前年同期比21.4パーセント増の59億7,900万円、営業利益は前年同期比42.7パーセント増の7億7,400万円、当期純利益は前年同期比27.2パーセント増の4億6,700万円となりました。
続いて②に示しているとおり、継続的に新規顧客を獲得した結果、大手企業の四半期契約顧客数は前年同期比15社増の51社と、大幅に増やすことができました。
一方で、新規顧客がスモールスタートであることが多いこと、また既存顧客の取引拡大が想定よりも進まなかったことを起因として、大手企業の顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)は前年同期比750万円減少の3,780万円となりました。
③に示しているとおり、エンジニア等従業員数は人材売手市場においても計画を上回って進捗しており、2024年12月末時点で353人となりました。これに伴い、2025年3月期の計画を350人から361人まで引き上げ、さらなる積み上げを目指して採用活動を継続していきます。
最後に④に示しているとおり、通期業績予想は大幅な乖離は生じない見通しで、据え置きとしています。具体的な数字は、売上高は前年同期比17.9パーセント増の81億7,100万円、営業利益は前年同期比25.7パーセント増の9億5,200万円、当期純利益は前年同期比29.2パーセント増の5億6,900万円です。
(2025年3月期-第3四半期)トピックス-1
第3四半期におけるトピックスです。まず、Salesforceが展開する自律型AIエージェント「Agentforce」の導入支援サービスの提供を開始しました。「Agentforce」のPoCプロジェクトをすでに受注し、PoCを開始しています。
直近では、AI活用に向けて、データ統合やAPI連携基盤の構築を組み合わせたプロジェクトの引き合いが増えています。今後もこの領域に向けて注力していきます。
次に、本田技研工業株式会社と「VRPによるテストスケジュールの自動作成」に関する共同論文を発表しました。この論文では、オペレーションズ・リサーチといった数理統計に基づくAIに近いアルゴリズムを活用した「車両テストスケジュールの作成自動化」の事例を紹介しています。従来90時間かかっていた作業時間を、わずか6時間に短縮することに成功しました。
(2025年3月期-第3四半期)トピックス-2
学校法人慶應義塾と株式会社WOWOWのDX支援の事例をご紹介します。
慶應義塾では、在学生向けポータルサイト「K-Support」の開発を支援しました。「Salesforce Education Data Architecture(EDA)」という「Salesforce」の基盤を活用して開発しています。
「試験形態入力」「採点入力」からシステムを刷新・リリースしたのち、「シラバス入力」「出講希望入力」「学生ポータル」の開発を支援し、シームレスな学生体験の提供を可能としました。
WOWOWでは、認証基盤システムの開発を支援しています。配信サービスの利用者増加に伴い、注目コンテンツ配信時にログインが集中し、システムの負荷が高くなるという課題がありました。これに対して「Keycloak」を採用し、セキュリティ面の強化を含めた認証基盤の刷新を図り、セキュリティ・パフォーマンスの向上を実現しています。
(2025年3月期-第3四半期)業績推移
第3四半期の売上高および売上総利益の推移です。旺盛なDX支援の需要を背景に、売上高は前年同期比11.1パーセント増の20億7,000万円と、過去最高の四半期売上高となりました。
プロジェクト進捗は総じて健全な状況にあり、売上総利益率は前年同期比0.2ポイントプラスの44.3パーセントと、高水準の利益率を維持しています。売上総利益額も前年同期比11.6パーセント増の9億1,600万円と、四半期会計期間において過去最高となりました。
(2025年3月期-第3四半期)業績推移
第3四半期の営業利益および当期純利益の推移です。営業利益は、売上総利益率の向上に加え、増収効果により、前年同期比14.6パーセント増の3億4,200万円となりました。過去最高の四半期営業利益を達成しています。当期純利益においても前年同期比3.9パーセント増の2億1,000万円となり、過去最高を達成しました。
(2025年3月期-第3四半期)販管費
第3四半期の販管費は、前年同期比9.8パーセント増の5億7,300万円となりました。第2四半期に投下した一過性の資格取得を含む教育費用がなくなったことで販管費率が適正化し、前年比で0.3ポイント低下しています。
(2025年3月期-第3四半期累計) 業績サマリー
第3四半期累計の業績サマリーです。冒頭でお話ししたとおり、売上高は59億7,900万円で過去最高となっています。併せて、各段階利益においても過去最高を達成しています。
(2025年3月期-第3四半期)業績進捗
第3四半期までの業績進捗です。売上高の進捗率は73.2パーセント、営業利益の進捗率は81.4パーセントとなり、いずれも堅調に推移しています。
なお、通期の着地数字については、前年同様に第4四半期に業績連動型の賞与を計上することに加え、今期の残りの期間および来期に向けた体制構築費用を加味し、業績予想値から大幅な乖離は生じない見通しとして、業績予想は据え置きとしています。
(2025年3月期-第3四半期)貸借対照表
第3四半期末時点での貸借対照表です。主な増減については、流動資産が7,500万円減少、流動負債が5億5,000万円減少しています。自己資本比率は62.7パーセントと、健全な財務基盤となっています。
KPI推移(四半期ベース)
クラウドインテグレーションサービスのKPIの推移です。第3四半期の大手企業の四半期契約顧客数は、新規顧客を継続的に獲得した結果、前年比で15社増加の51社となりました。
第3四半期の大手企業のARPAについては、新規顧客がスモールスタートであること、また既存顧客の取引拡大が想定よりも進まなかったことから、前年比750万円減少の3,780万円となりました。
KPI推移(四半期ベース)
大手企業に絞った指標です。大手企業の新規既存別の顧客数について、新規では第3四半期に6社獲得し、既存大手企業の四半期契約顧客数は前年比で10社増加の45社となりました。
既存大手企業のARPAは、前年比360万円減少の4,210万円となっています。
売上高別の契約顧客数及び売上高(大手企業)
同じく大手企業に絞った売上高別の契約顧客数および四半期の売上高についてご説明します。顧客数については、四半期の売上高が2,500万円以上の顧客が前年比で4社増加し、24社となりました。
四半期の売上高が2,500万円以上の顧客からの売上合計については、前年比2億2,700万円増加の17億2,100万円となっています。
プライム上場を目標に据えた中長期成長計画
最後に、成長戦略についてご説明します。まず、プライム上場を目標に据えた中長期成長計画についてです。各成長戦略を推進することで、2026年3月期は売上高100億円以上、2027年3月期は東証プライムへの上場を目指していきます。
マルチクラウドの強化および発展
具体的な成長戦略です。まず1つは、マルチクラウドの強化・発展を掲げています。既存顧客のARPA上昇に向けて、顧客を中心に360度でつながる「Salesforce」のクラウドサービスを幅広くカバーすることで、マルチクラウドでのアプリケーション開発のクロスセルを推進していきます。
また、「MuleSoft」であらゆるシステムをつなげるAPI連携開発や、「Okta」であらゆるデジタルサービスのIDを統合する認証プラットフォームの連携開発により、同じくクロスセルを推進していきます。
契約顧客数の増加に向けては、各クラウドパートナーの開拓により、商談チャネルを拡大していきます。
拡大が見込まれるAI・データ基盤領域のワンストップソリューション
さらに、拡大が見込まれるAI・データ基盤領域のワンストップソリューションサービスを提供していきます。
Salesforceが展開する自律型のAIエージェント「Agentforce」の導入支援に注力します。AI活用効果の最大化に向けて、あらゆるシステムをつなげるAPI連携プラットフォーム「MuleSoft」を活用し、データを一元管理するデータ統合基盤「Data Cloud」を組み合わせることで、ワンストップソリューションを実現していきます。
人材投資の効果を最大化する仕組み
人材投資の効果を最大化する仕組みについても、さらに改善していきます。従業員のキャリアアップの再現性を高める体制と仕組みを構築し、さらには従業員満足度の上昇と会社の成長につなげていきます。
当社では、採用からオンボーディングと呼ばれる初期立ち上げ教育、その後の従業員の持つスキルや志向に沿った適切な配置、目標設定も型化されており、公平性を担保し、かつメリハリのある報酬設計と迅速な昇格・昇進を行っていきます。そして、キャリアアップを後押しする教育投資も積極的に行います。
採用から教育、従業員の日々の働きに対して、人事、教育推進の専門チーム(教育イネーブルメント)、メンター、トレーナー、マネージャー等のサポーターが多面的にフォローし、人材投資の効果を最大化していきます。
クラウドエンジニア等の専門職従業員を中心とした組織拡大
クラウドエンジニア等の専門職従業員を中心とした組織拡大については、冒頭でお話ししたとおり、堅調に推移しています。クラウドエンジニア等従業員数は計画を上回っており、前年同期比で95人増加、2024年12月末で353人となりました。これに伴い、2025年3月期の計画を350人から361人に引き上げ、さらなる積み上げを目指します。
当社は、エンジニアのキャリアアップ実現の機会を提供することで、高い採用競争力を有していると考えています。
具体的には、「Salesforce」「AWS」「MuleSoft」「Okta」などのマルチクラウド、あるいはAI/IoTなどの先端テクノロジーを実際に開発する経験を得られることや、日本を代表する大手企業のDXプロジェクトでやりがいのある仕事に携われることが挙げられます。
さらに、サービス企画を含め、上流から下流まで一気通貫で、開発の一部分だけではないプロジェクト全体の経験を得られることをPRしています。
加えて、教育推進チームを中心とする充実したキャリアアップのフォロー体制があることや、フルフレックス制、フルリモート勤務が可能で柔軟な働き方ができ、地方在住でも先端クラウドの経験が得られることなどで魅力づけしています。
高い採用基準によるエンジニアの厳選採用
高い採用基準によるエンジニアの厳選採用についてです。高い採用基準を設け、コンピュータの基礎力が高い人材を見極めて採用しています。経験者採用においては、エントリーから入社に至る割合は約50人中1人となっており、優秀なエンジニアを厳選しています。
2020年4月から2025年4月の新卒採用数は、1位が東京大学大学院、2位が九州大学大学院、3位が京都大学大学院となっています。なお、新卒採用は2025年4月に42人の理系院卒エンジニア職が入社する予定です。
マルチな専門性を育む仕組みと人づくりの推進
マルチな専門性を育む仕組みと人作りの推進についてです。当社では、先ほどお話ししたとおり、教育専門チームを中心として、従業員の教育推進および仕組みの改善活動を継続的に行っています。
当社のキャリア採用のうちクラウド未経験者は約8割ですが、基礎力の高い人材を採用していることもあり、この教育スキームを活用することで、クラウドの専門知識をつけて現場アサインするまでの期間は約1ヶ月と短期間です。
一方、新卒採用は入社から現場配属までの教育期間は約3ヶ月間です。その後も現場でOJTを受けるため、実戦に移行するのは6ヶ月後になります。
マルチクラウド資格の取得推進
マルチクラウドの資格取得を引き続き推進します。注力領域の「MuleSoft」「Data Cloud」「Heroku」の資格保有者数は国内1位となり、他社を大きく上回る数となっています。
従業員エンゲージメントを高めるフォローアップの仕組み
従業員エンゲージメントを高めるフォローアップの仕組みを構築しています。定期的に従業員のエンゲージメントスコアを集計し、部門ごとにモニタリングを行い、抽出された課題から迅速に対策を講じる運用体制を構築しています。
また、従業員からのフィードバックを受け付け、個別のフォローアップも行います。従業員のコンディションや外部環境の変化に応じて柔軟かつ機動的に施策を行うことで、エンゲージメントスコアは測定以来、上昇が続いています。直近では、同業界対比でスコアが19ポイント高い状態となっています。
従業員の属性および活動データ収集基盤の活用
従業員の属性および活動データの収集基盤を活用しています。従業員データは、キャリアプラン設計や業務アサインの判断材料として活用します。また、リモートワーク環境下での従業員のコンディションを把握し、フォローアップに活用して、早期ケアを実現しています。
例えば「最近、チャットの投稿数が少ない。心配だからケアをしにいこう」「同じプロジェクトに長く滞在しているため、異動してもらい、違う経験を広げてもらおう」など、データに基づいた適切なフォローアップを行っています。
これらのデータ基盤と可視化するシステムは、Salesforce社において先進事例として紹介されています。(事例紹介のURLはこちら)
多様なバックグラウンドを持つ優秀なエンジニアが活躍
当社では、新卒、大手企業出身のベテラン、フルリモート勤務者など、多様なバックグラウンドを持った優秀なエンジニアが活躍しています。
経験者採用では、大手企業から当社に入社した社員や、フロントエンジニアから未経験のクラウド領域にチャレンジしたエンジニアなど、多方面で活躍している社員がいます。新卒採用では、1年目からプロジェクトマネージャーやリーダーに抜擢されて活躍しているエンジニアも在籍しています。
年齢や入社年次に関係なく、パフォーマンス次第でマネージャーやリーダーポジションの役割を任せていくことが当社の特徴です。
研究開発を通じた先端テクノロジーの社会実装
研究開発を通じた先端テクノロジーの社会実装を引き続き行います。企業、産業、社会の課題を先端テクノロジーで解決することを目指し、まだ普及していない先端テクノロジーに着目して研究開発を行っています。具体的には、AIによる業務自動化・最適化、リアルタイムボイスチェンジャーの研究を進めています。
AIによる業務自動化・最適化においては、先ほど冒頭でお伝えした本田技研工業との「車両テストスケジュール作成自動化」のベースとなる技術「OR(Operations Research)」を活用し、研究しています。
AIによるリアルタイムボイスチェンジャーでは、生体情報としてプライバシー保護の必要性が高まっている人間の声を、AIを用いてリアルタイムに別の音声に変換する研究開発を行っています。プライバシー保護と併せて、聞き手にとって優れた音声体験を実現することを目指しています。
当社からの説明は以上となります。ご清聴いただきありがとうございました。
質疑応答:「Agentforce」導入支援の業績寄与について
塚腰:「AIエージェントの業績寄与の考え方について教えてください」というご質問です。
黒川:SalesforceのAIエージェント「Agentforce」の今後の展開についてのご質問を承りました。「Agentforce」は今、Salesforceが最もグローバルレベルで注力している新しい製品です。グローバルでもサービス開始から間もないこともあり、現時点で具体的な業績貢献における数字について示すことが難しい状況です。
ただし、現状のトレンドや注力具合、効果も含め、市場ポテンシャルは非常に大きいと考えています。私どもはこれに対して市場におけるポジションをしっかり取りにいくところで、「Agentforce」導入支援プランとして、3つのプランを提供しています。
具体的には、主にPoCを目的とした導入支援を行う「ライトプラン」、社内あるいは社外の顧客等に向けて本格的にAIを実業務で活用する「ミディアムプラン」、企業内の分散したシステムの統合からデータ統合まであわせて基盤を構築し、さらなるAI活用を進める「フルプラン」です。
このようなパッケージプランを用意し、販売を推進していきたいと考えています。
質疑応答:2026年3月期のARPAの推移について
塚腰:「来期、2026年3月期も新規顧客の獲得が進む中、ARPAは横ばいでの推移にとどまるのでしょうか?」というご質問です。
黒川:2025年3月期第3四半期において、既存のお客さまがやや伸び悩んでいることはお伝えしたとおりです。
一方で、課題は見えており、そのようなところに対する打ち手と、AI、データ基盤、システム統合というまさに我々が強みとする領域が今後ますます市場として大きくなるというトレンドにしっかり乗ることで、既存のお客さまも含めたクロスセルを実現していきたいと考えています。計画としては、ARPAを上げる動きを取りたいと考えています。
質疑応答:「攻めのDX」の具体的な内容について
塚腰:「『攻めのDX』におけるサービス商品の変革、ビジネスモデルの変革について、具体的にどのような支援を行っているのかを教えてください」というご質問です。
黒川:顧客接点の変革も含めてご説明します。タッチポイントと言われるユーザーとの接点は、Webサービス、EC、モバイルなどさまざまあります。まず、そこを変えていくことがファーストステップになります。
サービス商品の変革における「サービス商品」とは、まさにECとしてのサービスや、モバイルアプリ全体としてのサービスのようなくくりで、1つのビジネスや事業です。ただし、その裏には他の事業があったりするため、網羅性のある変革を行います。
例えば、ECでは「在庫管理までDX化を進める」あるいは「物流まで対象として広げる」ということもビジネスモデル全体に影響するため、範囲の広さが変わってくるというのが、我々の考えているステップになっています。
もう1つは、簡単に言いますと、「マルチクラウドの高い技術力をもって面でDXしている」とお話ししています。
例えばサービス商品の変革としてIoTサービスを立ち上げた場合、そこで取られたデータをAIで学習して生産性を向上させようとすると、1つの商品・サービスから枠を超えて、ビジネス領域など他領域まで入ります。このようにDXの範囲を面で広げていくことが、ビジネスモデルの変革だと考えています。
質疑応答:2026年3月期の目標売上高100億円の達成見込みについて
塚腰:「2026年3月期の売上高は100億円を目標としていますが、「Cariot」がなくなったことで実質的なハードルは上がったと思います。人材リソースや顧客状況などに鑑みて、目標は十分に達成可能と見ていますか?」というご質問です。
黒川:計画を立ち上げたタイミングでは、「Cariot」の数字も加味していました。そのため、この事業分の売上が減ったこと、および足元で既存顧客の伸びが想定よりも進んでいないことから考えると、100億円へのハードルは一定あると思っています。
一方で、「MuleSoft」「Data Cloud」「Agentforce」のアップサイドは非常に期待できると考えています。第4四半期においても、この体制準備に費用投下していきたいと考えています。
したがって、来期の目標は高いハードルではありますが、目指せる目標と考えており、足元をしっかり見極めながら判断していきたいと考えています。
質疑応答:「Agentforce」導入支援による売上高CAGRへの寄与について
塚腰:「『Agentforce』導入支援の注力は売上高成長にどのようなインパクトを与えますか? 中長期成長計画の売上高CAGRプラス30パーセントの達成可否という観点でご教示ください」というご質問です。
黒川:「Agentforce」について、業績貢献の読みはまだ難しいところです。ただし、ポテンシャルは十分にあると考えています。日本において導入実績を持つ会社も少ないため、そのようなポジショニングを取りながらこのトレンドに乗り、アップサイドをしっかり高めていきたいと考えています。
質疑応答:Salesforceにおける「Agentforce」の営業強化による業績寄与について
塚腰:「Salesforce社が『Agentforce』の営業を強化するとのことですが、日本でも営業人員を強化するのでしょうか? また、その時にはSalesforceの「Data Cloud コンサルタント」の資格を多く保有している御社に案件の紹介が優先的に回ってくるのでしょうか?」というご質問です。
黒川:セールスフォース・ジャパンによる活動を含めた、当社の業績へのつながりについてのご質問だと思います。
ご指摘のとおり、Salesforce社はグローバルで1,000人規模のAI営業の採用に動いているところです。セールスフォース・ジャパンについては詳細を把握できていませんが、同様の流れはあると思います。
グローバルレベルで「Agentforce」に注力していくことをSalesforceの方針として打ち出しているため、セールスフォース・ジャパンも例外なくその流れに乗ると考えています。
「Agentforce」を十分に活用するためには、データ基盤が整備されていなければなりません。さらに、企業が持っているシステムが分散しているところをしっかりつなげなければ、有効的なデータを管理することができません。
当社は、「MuleSoft」「Data Cloud」の資格保有者が国内1位です。そして今まさに、体制準備に使っている「Agentforce」を含めたAIのトレーニングも急ピッチで進めています。この領域でも専門家を多く輩出し、ワンストップソリューションで当社のポジショニングを取りにいきたいと考えています。したがって、アップサイドにつなげることは実現していきたい考えです。
関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
---|---|---|
4414
|
1,863.0
(13:35)
|
+60.0
(+3.32%)
|
関連銘柄の最新ニュース
-
今日 11:00
-
今日 07:32
-
02/11 07:32
-
02/10 07:32
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 14:04
-
今日 14:03
-
今日 14:01