ドル円、一時150円台 トランプ関税のニュース再浮上でリスク回避=NY為替概況
ドル円、一時150円台 トランプ関税のニュース再浮上でリスク回避=NY為替概況
きょうのNY為替市場、トランプ関税のニュースが再浮上し、市場にはリスク回避の雰囲気が広がった。為替市場はドル高・円高が強まったが、円高の動きがドルを勝り、ドル円は一時150円台に下落する場面が見られた。トランプ大統領は会見で「来週の10日か11日に相互関税を公表する計画だ」と述べていた。
その後、ドル円は151円台に戻したが、本日の日米首脳会談の際にトランプ大統領が「対日貿易赤字解消を望んでおり、日本への関税も選択肢の1つだ」と述べたことが伝わると、円高の動きが後退している。今週のドル円の下落が急速で150円台では売られ過ぎ感も出ていた。なお、市場が注目していた日米首脳会談での為替の協議については「日米の財務相間で協議継続」と無難に収まっている。
本日は1月の米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数(NFP)が14.3万人増と予想を下回ったものの、前回分が大幅に上方修正されたことや、失業率が4.0%に低下したこと、そして平均時給が予想以上の伸びを示していた。FRBの利下げへの慎重姿勢を裏付ける内容であったことから、大きな動きには至っていない。一部からは「本日の米雇用統計で、恐らく3月利下げは選択肢から消えただろう。数字に特に驚きはないが、失業率低下と賃金の大幅な伸びは労働市場が依然として健全であることを示唆している」との見解も出ていた。
ユーロドルは戻り売りが優勢となり、1.23ドル台前半まで下落。きょうの下げで本日1.2370ドル近辺に来ている21日線に上値を抑えられた格好となった。リバウンド相場の流れはまだ残っているものと思われるが、上値が重い印象は否めない。
本日はECBが中立金利の推計を公表していた。1.75-2.25%の間にあると推測している。ラガルド総裁がこれまで示してきた範囲と同水準。現在、中銀預金金利は2.75%にあるが、あと2回の利下げでそのレンジの上限に達することになる。多くは、政策金利はレンジ中心の2.00%で落ち着くと予想しているようだ。
ただ、市場はもう一段の利下げを織り込んでいる状況。ユーロ圏は景気の先行きへの不透明感が高まっている中、ECBは景気に配慮した水準まで利下げを実施する可能性を見ているのかもしれない。
ポンドも売り優勢となり、ポンドドルは再び1.23ドル台に一時下落。本日1.2360ドル付近に来ている21日線をうかがう展開が見られた。
本日は英中銀チーフエコノミストのピル委員の講演が伝わっていた。英中銀は前日の金融政策委員会(MPC)で利下げを決めたが、一部の委員が大幅利下げを主張したことについてピル委員は、政策変更を急ぎ過ぎているとの考えを述べた。「インフレに対する勝利宣言はまだできない」とも述べている。
前日はこれまで利下げに最も強く反対し、タカ派の急先鋒と見られてきたマン委員が0.50%ポイントの大幅利下げを主張し、市場を驚かせた。ベイリー英中銀総裁がその後、過度な利下げ期待への火消しに回っていたが、短期金融市場では、今年はあと2回か3回の利下げが実施されるとの見方を変えていない。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
きょうのNY為替市場、トランプ関税のニュースが再浮上し、市場にはリスク回避の雰囲気が広がった。為替市場はドル高・円高が強まったが、円高の動きがドルを勝り、ドル円は一時150円台に下落する場面が見られた。トランプ大統領は会見で「来週の10日か11日に相互関税を公表する計画だ」と述べていた。
その後、ドル円は151円台に戻したが、本日の日米首脳会談の際にトランプ大統領が「対日貿易赤字解消を望んでおり、日本への関税も選択肢の1つだ」と述べたことが伝わると、円高の動きが後退している。今週のドル円の下落が急速で150円台では売られ過ぎ感も出ていた。なお、市場が注目していた日米首脳会談での為替の協議については「日米の財務相間で協議継続」と無難に収まっている。
本日は1月の米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数(NFP)が14.3万人増と予想を下回ったものの、前回分が大幅に上方修正されたことや、失業率が4.0%に低下したこと、そして平均時給が予想以上の伸びを示していた。FRBの利下げへの慎重姿勢を裏付ける内容であったことから、大きな動きには至っていない。一部からは「本日の米雇用統計で、恐らく3月利下げは選択肢から消えただろう。数字に特に驚きはないが、失業率低下と賃金の大幅な伸びは労働市場が依然として健全であることを示唆している」との見解も出ていた。
ユーロドルは戻り売りが優勢となり、1.23ドル台前半まで下落。きょうの下げで本日1.2370ドル近辺に来ている21日線に上値を抑えられた格好となった。リバウンド相場の流れはまだ残っているものと思われるが、上値が重い印象は否めない。
本日はECBが中立金利の推計を公表していた。1.75-2.25%の間にあると推測している。ラガルド総裁がこれまで示してきた範囲と同水準。現在、中銀預金金利は2.75%にあるが、あと2回の利下げでそのレンジの上限に達することになる。多くは、政策金利はレンジ中心の2.00%で落ち着くと予想しているようだ。
ただ、市場はもう一段の利下げを織り込んでいる状況。ユーロ圏は景気の先行きへの不透明感が高まっている中、ECBは景気に配慮した水準まで利下げを実施する可能性を見ているのかもしれない。
ポンドも売り優勢となり、ポンドドルは再び1.23ドル台に一時下落。本日1.2360ドル付近に来ている21日線をうかがう展開が見られた。
本日は英中銀チーフエコノミストのピル委員の講演が伝わっていた。英中銀は前日の金融政策委員会(MPC)で利下げを決めたが、一部の委員が大幅利下げを主張したことについてピル委員は、政策変更を急ぎ過ぎているとの考えを述べた。「インフレに対する勝利宣言はまだできない」とも述べている。
前日はこれまで利下げに最も強く反対し、タカ派の急先鋒と見られてきたマン委員が0.50%ポイントの大幅利下げを主張し、市場を驚かせた。ベイリー英中銀総裁がその後、過度な利下げ期待への火消しに回っていたが、短期金融市場では、今年はあと2回か3回の利下げが実施されるとの見方を変えていない。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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