今週の日経225先物は、トランプ米政権の関税政策や米雇用統計などの重要な経済指標、さらには日米決算発表を睨んでの相場展開になりそうだ。1月31日の米国市場では、主要な株価指数が下落した。12月の米個人消費支出(PCE)では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているPCEコア指数が前月比0.2%上昇、前年比では2.8%上昇した。いずれも予想と一致し、追加利下げを後押しする内容と受け止められて、NYダウは一時12月4日につけた終値ベースの最高値(4万5014ドル)を上回る場面もみられた。
ただし、トランプ政権がカナダとメキシコに25%、中国には10%の関税を課すと改めて伝わるなか、関税発動は米国にも経済的な影響を及ぼす可能性があることが警戒されて、その後は売りが優勢となった。また、中国のディープシークが開発した低コスト・高性能の人工知能(AI)「DeepSeek」に対する警戒も燻り、エヌビディア
今週もこうした要因に振られやすい状況が続きそうだ。日経225先物は1月31日の取引終了後のナイトセッションで、日中比270円安の3万9360円で終えた。ロング優勢で始まり、米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まると、一時3万9820円まで買われる場面もみられた。ただし、買い一巡後は終盤にかけてロング解消の動きが強まった。
なお、トランプ米大統領は2月1日、カナダとメキシコ、中国からの輸入品への関税賦課について大統領令に署名した。今後、対象国による対抗措置、さらにそれを受けた米国の報復措置が警戒されてくる可能性もあろう。関連する報道によっては、短期的にショートを仕掛けてくる動きがありそうだ。
また、米国の経済指標では、3日に1月ISM製造業景気指数、5日にADP雇用統計、ISM非製造業景気指数、7日に雇用統計などの発表が控える。これらの結果の見極めで慎重姿勢が強まる可能性もあるが、米連邦公開市場(FOMC)が通過したことで、市場に与える影響はそれほど大きくはないとみておきたい。
日経225先物は、25日移動平均線(3万9360円)水準が支持線として意識されやすい。同線を割り込んでくるようだと75日線(3万9060円)が意識されてくるが、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9375円処では押し目狙いのロング対応を想定する。一方、3万9820円まで買われ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9860円)に接近する場面もみられた。+1σを捉えてくると、4万円の大台のほか+2σ(4万0360円)とのレンジに移行する可能性があろう。その場合にはオプション権利行使価格の3万9375円から4万0375円での推移が意識されてくる。
また、週間形状では13週線(3万9170円)と+1σ(3万9820円)によるレンジである。13週線を上回って推移する局面では、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。半面、日足・週足いずれも同水準で推移する+1σを捉えてくるようだと、ショートカバーを誘うことになるだろう。
そのほか、決算発表が本格化するなか、積極的にポジションを傾けにくい需給状況であるが、先週はアドバンテスト <6857> [東証P]やNEC <6701> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]などハイテク株の決算を受けた上昇によって、センチメントを明るくさせる場面もみられた。1月31日の大引け後に決算を発表したこところでは、アルプスアルパイン <6770> [東証P]、SCREENホールディングス <7735> [東証P]の決算が好感される可能性があろう。
ハイテク企業の良好な決算が目立っていることも、押し目狙いのロング対応に向かわせやすい。今週は東京エレクトロン <8035> [東証P]が6日に2025年3月期第3四半期決算の発表を予定しており、市場の関心が集まることになるだろう。
31日の米VIX指数は16.43(30日は15.84)に上昇し、週間でも上昇した。もっとも、1月27日にディープシーク・ショックの影響で一時22.51まで切り上げていたこともあり、その後は落ち着きをみせていた。週末は前日に割り込んだ200日線(16.19)を突破して終えており、一時75日線(16.71)、25日線(16.78)を上抜ける場面もあった。やや市場心理を神経質にさせてくる可能性はあるが、終値で20.00を上回ってくるまでは、過度なリスク警戒にはつながらないとみておきたい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.19倍となり、前週末(1月24日)の14.52倍から低下している。これもディープシーク・ショックの影響が大きく、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが目立つ一方で、内需系などTOPIX型へのシフトが強まった影響である。週前半の低下で200日線(14.23倍)を割り込んでおり、その後は同線が抵抗線として意識されていた。昨年11月の直近安値水準まで低下したことで、いったんはリバランスが入りやすいとみられるが、まずは明確に200日線を上抜けてくるかを見極めたいところである。
1月第3週(1月20日-24日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりの買い越しであり、買い越し額は9300億円(1月第2週は9729億円の売り越し)だった。なお、現物は3911億円の買い越し(同46億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しであり、先物は5389億円の買い越し(同9682億円の売り越し)と4週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で7491億円の売り越しと4週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で3776億円の売り越しとなり、2週ぶりに売り越した。
主要スケジュールでは、3日に日銀金融政策決定会合の主な意見(1月23~24日分)、米国1月ISM製造業景気指数、4日に米国12月製造業新規受注、5日に12月毎月勤労統計、中国1月財新サービス業PMI、米国1月ADP雇用統計、米国12月貿易収支、米国1月ISM非製造業景気指数、6日にイングランド銀行(BOE)政策金利、7日に12月景気動向指数、米国1月雇用統計、米国2月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
06月限 日経225 38535.35 TOPIX 2714.56
07月限 日経225 41531.26 TOPIX 2893.54
08月限 日経225 35661.68 TOPIX 2510.68
09月限 日経225 36906.92 TOPIX 2585.41
10月限 日経225 39701.93 TOPIX 2721.72
11月限 日経225 39901.35 TOPIX 2765.26
12月限 日経225 39434.85 TOPIX 2738.68
01月限 日経225 39343.19 TOPIX 2726.70
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
25/03 01月31日 39480 39710 39350 39630 +210
25/03 01月30日 39560 39610 39130 39420 -170
25/03 01月29日 39170 39590 38940 39590 +520
25/03 01月28日 39410 39450 38660 39070 -410
25/03 01月27日 40040 40610 39480 39480 -460
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
25/03 01月31日 2781.0 2797.0 2776.5 2791.0 +13.0
25/03 01月30日 2778.0 2787.0 2761.0 2778.0 -1.5
25/03 01月29日 2763.5 2782.5 2757.5 2779.5 +20.5
25/03 01月28日 2747.5 2776.0 2713.0 2759.0 +7.5
25/03 01月27日 2754.0 2789.5 2745.5 2751.5 +1.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
01月31日(03月限) 39355 -275
01月30日(03月限) 39585 +165
01月29日(03月限) 39270 -320
01月28日(03月限) 39410 +340
01月27日(03月限) 39060 -420
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
01月24日 1538億円 +35億円 2兆0567億円 +2743億円
01月17日 1502億円 -127億円 1兆7824億円 -5615億円
01月10日 1630億円 -446億円 2兆3440億円 -1863億円
12月30日 2076億円 -18億円 2兆5304億円 +1116億円
12月27日 2094億円 -244億円 2兆4187億円 +3327億円
12月20日 2339億円 +253億円 2兆0859億円 +494億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
01月29日 4205万株 -425万株 8億8589万株 +1277万株
01月28日 4631万株 -331万株 8億7311万株 +28万株
01月27日 4962万株 +254万株 8億7283万株 +695万株
01月24日 4708万株 -440万株 8億6588万株 +1900万株
01月23日 5148万株 +94万株 8億4687万株 +5358万株
01月22日 5054万株 +68万株 7億9328万株 +2446万株
01月21日 4985万株 +156万株 7億6882万株 +939万株
01月20日 4829万株 +75万株 7億5942万株 -787万株
01月17日 4753万株 -25万株 7億6730万株 -2807万株
01月16日 4779万株 +99万株 7億9537万株 -7509万株
01月15日 4680万株 -357万株 8億7047万株 -4367万株
01月14日 5036万株 +2万株 9億1414万株 -8406万株
01月10日 5034万株 +280万株 9億9821万株 -2708万株
01月09日 4754万株 -637万株 10億2529万株 -4884万株
01月08日 5391万株 +1005万株 10億7414万株 +291万株
01月07日 4386万株 -1841万株 10億7123万株 +9259万株
01月06日 6227万株 +170万株 9億7864万株 -7603万株
12月30日 6057万株 +3万株 10億5467万株 +4078万株
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