アイドマHD、売上高は前年比+20.4%と大きく成長、受注件数も過去最高に 自己株式取得の実施で株主への利益還元を図る
目次
三浦陽平氏(以下、三浦):アイドマ・ホールディングス代表取締役の三浦です。第1四半期の決算発表を行います。よろしくお願いします。
本日は第1四半期の業績ハイライト、次に今期の事業方針、最後に成長戦略についてご説明します。
エグゼクティブサマリー
エグゼクティブサマリーです。2025年の事業方針として、3点掲げています。1つ目に、AIの活用により原価および販管費を最適化し、コストを削減していく取り組みを進めています。
2つ目に、さまざまなお客様にワークインフラを提供する事業をローンチし、今期中に一定の実績を出していきます。
3つ目に、ユニット型業務支援事業を推進していきます。前々期までは営業支援・人材支援の2軸でサービス提供していましたが、我々の主要顧客である中小企業は、営業以外にもあらゆる業務に関する課題があります。それらを解決することができるソリューションをパッケージ化し、営業支援の顧客にアップセル、クロスセルを推進します。
トピックの1つ目として、第1四半期は売上高、営業利益、受注件数、いずれも前年比で大きく成長しています。特に営業支援は過去最高の受注件数を実現した四半期となりました。
前期第3四半期で、受注率が平均の10.5パーセントから一時的に微減しましたが、組織全体で受注率の高いアポイントのチャネルを効果的に伸ばしていき、同時に初回の商談から次の提案商談までのリードタイムを早期化したりすることで受注率は10.5パーセントを若干上回る水準に回復してきています。
また、アポイント自体の取得件数も増加しており、営業支援の受注件数が伸長しました。
2つ目として、第1四半期にいくつかの開発投資を行いました。第2四半期以降、ローンチしていくプロジェクトになります。1つは「スポットワークス」の開発です。こちらは、フルリモートで働けるスポットのお仕事を、アイドマ・ホールディングスを通さず、企業とクラウドワーカーが直接やり取りできる、クラウドソーシングに近いモデルです。もう1つは、営業支援の中で、我々が開発したAIエージェントによって、アウトバウンド活動ができるような取り組みの開発です。
3つ目に、株主還元の一環として、自己株式の取得を進めていきます。現状の業績に伴い、これら3つのトピックを提示しています。
売上高 [第1四半期主要KPI推移]
次に業績について、詳細をご説明します。売上高は引き続き、成長基調に入っています。第1四半期は30億円強と、営業支援・人材支援ともに業績が伸長しています。
人材支援は、連結子会社のメイクブイ・ホールディングスの決算月が2ヶ月分ずれているものを、第1四半期に取り込みました。その影響は売上で約5,000万円ですが、こちらを差し引いても、計画どおり順調に伸長しています。
営業利益・営業利益率 [第1四半期主要KPI推移]
営業利益率について、2023年8月期は、第1四半期、第2四半期、第3四半期で利益を出し、第4四半期で大きく投資する方針で進めてきました。
前期から、第1四半期から第4四半期にかけ、平均的に計画投資を実行する方針に変え、投資する費用を戦略コストと運用コストに分け、四半期ベースでどの程度投資するかを決めて、進めることにしました。今期も、その方針で進めています。
全サービス受注件数 [第1四半期主要KPI推移]
受注件数は、営業支援・人材支援、どちらも引き続き堅調に推移しています。営業支援は、受注率、商談数が計画どおりに進捗しており、引き続き堅調に推移しています。
人材支援は追加ユニット施策が一定程度奏功したことにより、前期の第4四半期では想定以上にお客様の社数が増えました。その影響から営業リソースを一時的にお客様支援に振り替えたことで、やや微減しているものの、計画どおりに進捗しています。したがって、第2四半期・第3四半期で少しずつ伸長していく想定です。
また、営業支援の受注が伸びれば伸びるほど、追加ユニット施策も伸長していくため、特に問題なく進捗しています。
連結損益計算書_会計期間 [全体と過去対比]
売上高と営業利益について、全体と過去対比です。売上高は、前年比で20パーセント強、成長しています。営業利益はM&Aの一時費用などを第1四半期で処理しているため、15パーセント弱になりますが、こちらの影響がなければ、前年同期比で18パーセント程度伸長しています。
原価・販管費率の構成割合比較 [第1四半期会計期間]
原価・販管費率についてです。原価は、第1四半期に開発投資を行ったため前年比でプラスになっています。そのため、販管費をコントロールして前期第1四半期と比較し4パーセントほど抑えています。
我々はお客様の代わりに営業支援を行っていますが、それらの取り組みのほとんどをクラウドワーカーで実行しています。AIエージェントを開発して活用することにより、効率を大幅に上げていけることができますので、第1四半期から積極的に投資を行い、さまざまな研究・開発に取り組んでいます。
「ママワークス」や「ReWorks」など、求人サイトとは違う、企業とワーカーをマッチングする新しいプラットフォームの開発にも投資しています。そのため、それらの費用が第1四半期に計上されています。
後ほど詳しくご説明しますが、現在、開発投資を行っているものが、今後の原価や販管費の改善にもつながります。
原価・販管費の考え方
スライドは、業務委託費の最適化について具体的に示したものです。売上の約26パーセントが、現在クラウドワーカーに支払っている費用になり、その中でも、架電業務費は3億円程度かかっています。
それとは別に、クラウドワーカーは、クライアントの支援をサポートする取り組みを行っています。営業人材のモニタリングや、打ち合わせのモニタリングを行い改善する、議事録を作るような取り組みも行っています。
また、業務委託者が業務委託者をマネジメントできるよう、クラウドワーカーにマネジメント業務を依頼しています。これらの業務委託費用は、業務委託費の中でトータル25パーセント程度です。
その他費用の中には、開発や制作費用なども入っており、第1四半期の開発投資により、一定の増加をしています。
これらの原価率を下げていくために複数の取り組みを今後進めます。
大きなインパクトが見込める点では、電話営業の費用全般の最適化になります。営業支援や当社自体の営業は電話をかける架電業務が主力になります。そのため、受付の方と通話する部分を自動化することによって業務委託費用は実質的に8割くらい下がります。保守的に見込んでも、3割から5割くらい下がると仮定しています。
また、案件ごとの稼働原価についても、AIを活用しながら適切に管理したり、RPAなどを活用したりして、案件ごとの原価が自動的に把握できるような取り組みを進めています。
その他にも、お客様との打ち合わせの議事録作成や、社内営業担当のロールプレイングなど、自動化できるところはすべてAIを活用しています。開発は第1四半期で概ね完了していますが、検証を含め、原価率にヒットしてくるのは第2四半期の後半から第3四半期にかけてになると考えています。
『AI受付通過くん』
1つ目の架電業務の最適化について、詳しくご説明します。自社のアウトバウンドの活動からまずは取り組みを始めていきますが、今期中にはお客様にもリリースし、活用、販売していく予定です。そうすれば、売上の向上や当社のお客様向けの電話営業の原価の最適化にもつながります。
自社では第2四半期から活用していく方針となっており、どのように進めていくのか、簡単にイメージをお伝えします。
まず、我々は1ヶ月に約200万件の電話をかけています。1件コールするのに50円くらいかかっています。そのうち、およそ80パーセントは受付の方に止められてしまう、もしくは、「社長がいない」という理由で断られてしまいます。約20パーセントの確率で決裁者の方につながり、いろいろお話しをする中で、5パーセント程度がアポイントになります。
受付の160万件は、「断られる」もしくは「社長がいない」ことに対して費用を使っている状態です。この部分を、「AI受付通過くん」というAIエージェントを活用して自動化する取り組みを進めています。
『AIモニタリング』&『AIロールプレイング』
次に「AIモニタリング」と「AIロールプレイング」になります。現在、当社ではこの2つの開発を同時に行っています。今までは1ヶ月に2,000万円くらいの費用をかけて、さまざまな打ち合わせや商談のモニタリングを行っていました。同時に、自社社員や営業支援のお客様向けのロールプレイングを行っています。これらの実施を90パーセント程度まではAIを活用して行うことができる状態になっています。
まだ試験運用中ではあるのですが、予め定められた項目に沿ってAIがモニタリングやロールプレイングの内容を確認し評価・改善を提案します。また、お客様の感情や話しぶりなどを分析し、ステータスがどのようになっているか、疑念を感じているのか、もしくは満足いただいているのかなど定性的な要因を把握します。
さらに、お客様との打ち合わせ、商談の議事録、To Doを自動で作成し、「Sales Crowd」のデータベースに自動で入れ込みます。それにより、関係者全員がリアルタイムで状況を詳しく把握できる仕組みになっています。
コストの効率化としては、本格的に展開が始まれば、月次で約1,000万円はヒットしてくるだろうと考えています。現状、大規模に行うというより、少しずつ運用に乗せている状態です。
これ以外にもさまざまな取り組みを行っており、今までは社員が行っていたものをクラウドワーカーに、クラウドワーカーが行っていたことをAIエージェントを活用するというステップで、業務委託費、原価の部分を最適化していく取り組みを、全社的に着手しています。
2025年8月期 通期 業績進捗
通期の業績進捗については、すべて計画どおり進捗しています。
売上&利益進捗[過去対比]
第1四半期で2024年8月期と同程度の進捗になっています。
受注件数&進捗率 過去対比
受注件数も同程度の進捗です。
株主還元について-配当-
株主還元については、前期から配当を始めました。
株主還元について-自己株式-
自己株式の取得については、2025年1月10日付で決定しました。取得株式総数は20万株、取得総額は7億円、取得期間は2025年1月14日から2025年3月31日までです。
自己株式の消却を行い、株主様に還元していくことが目的です。また、株式公開による将来のM&Aの活用、さらには今後、成長基調に入る中で、従業員のインセンティブなどの設計にも自己株式を入れて取り組んでいこうと考え決定しました。
お客様の喜びの声
我々のお客様が、営業支援の取り組みや、クラウドワーカーの活用、クリエイティブ支援により、どのように喜んでいただけるのかについて、現在300社以上の導入事例をホームページに掲載しています。
投資家のみなさまに導入事例を見ていただく機会は、そこまで多くなかったかもしれませんが、実は2年前から、当社のサービスをご利用いただいている、様々な業種、業界のお客様に出ていただく取り組みを行っています。
こちらのページでは、当社のサービスの種別、お客様の企業規模、抱えている課題などから実績が見られるようになっています。私たちがどのような取り組みを行い、どのような側面でお客様に支持されているのかを知ってもらえればと思い、記載しています。
経営方針
事業方針についてご説明します。我々の経営理念は「すべての人の夢の実現に貢献する」であり、2050年頃には「世界の可能性を広げる」会社になるというビジョンを持っています。ビジョンを実現する為の戦略として、少子高齢化により、日本の労働人口の減少は顕著になり、これまで経験したことがないような状況に直面していますが、そのような流れを、我々はビジネスを通じて成長の機会にできるよう、取り組みます。
事業方針は冒頭のサマリーでもお伝えしたとおり、方針1として、AIを活用してコストを削減し、最適化していきます。方針2としては、ワークインフラを提供していきます。また方針3として、ユニット型業務支援事業を拡張していきます。今年はこの3つの方針に基づき進めています。
AIを活用したコスト最適化は先ほどお話ししたとおりですが、ワークインフラの提供およびユニット型業務支援事業に関しては、この後、少しご説明します。
ワークインフラの考え方
ワークインフラの考え方についてです。発生する課題として、スライド記載の2つに大別しています。
1つ目は、企業の課題です。シンプルに労働人口が減り、人を採用することが困難になります。現在、従業員規模5人以下の会社の3年以内離職率は、6割を超えています。10人未満の会社でも、55パーセントを超えている状態です。
人が採用できないだけではなく、辞めてしまうという二重苦で、中小企業は正社員の採用に非常に苦しんでいます。また2025年から、65歳以上の高齢者が日本の人口の3分の1を超え、さらに、国内の経営者の約60パーセントが60歳以上の年齢になっていきます。
これから益々、経営者の高齢化による承継課題など、さまざまな経営の課題が発生してきます。これらの課題について、我々はテクノロジーとソリューションを掛け合わせ、特に中小企業様を対象とした業務支援と経営支援を行うことで貢献しようと考えています。
2つ目は、潜在的な働き手の課題です。企業の課題解決については、我々の社員だけが行うのではありません。潜在的に、「働きたいけれど働けない方」が多く存在しています。そのような方たちを顕在化させ、つなげていくような会社になろうという方針で動いています。
我々は、この取り組み全体を、「ワークインフラを提供する」考え方で進めています。
『スポットワークス』リリース
ワークインフラを提供する流れの中で、まずは今期、「スポットワークス」というプロダクトをリリースします。これまでは、お客様の求人を「ママワークス」などに掲載し、応募者を募り採用や契約を頂くというパターンでしたが、「スポットワークス」では、企業が直接仕事を登録し、その仕事とワーカーを自動的にマッチングし、応募、採用というプロセスを無くしていきます。今後は誰が一番適切な応募者であるかをAIが判断しマッチングしていくかたちを目指しています。
さらには、業務内容によっては、AI自体が実行する機能も実装し、求職者がダイレクトに働けるようにしていきます。つまり、アイドマ・ホールディングスという会社を介在させずに企業とワーカーやAIがつながり、業務が動いていくようなプラットフォームを提供していきます。
また、我々が持っている「MEMBER-S(メンバーズ)」というアプリケーションがあります。これはチャットのシステムなのですが、「¥」マークを押すと、スレッドに入っている人にタスクを指示することができます。
チャットグループの人たちにタスクの指示ができる機能ですが、スポットワークスがオープンしたら「人」だけに指示が出来るのではなく、スポットワークスにも指示できるようになります。したがって、チャットのコミュニケーションの中で「スポットワークス」に指示すれば、社員などに指示をしなくても、誰かが直ぐに、適正価格で、確実にタスクを実行してくれる状態になります。
企業からは預かり金を入れてもらい、預かり金の中からクラウドワーカーに報酬が支払われます。我々のマネタイズポイントとしては、手数料として、預かり金の10パーセントを企業様から受け取ります。
企業は、自分たちの社員が行うのと、クラウドワーカーが行うことのどちらが費用や効果があるのか比較することもできますし、特定の業務を社員で実施することができなくても、スポットワークスに業務をアップすれば、誰かが実施してくれます。良い人材であれば、直接雇用なども一切費用をいただかずに実施することができ、採用のプラットフォームにもなり得るような取り組みです。社内では、すでにテスト運用を始めており、第2四半期にはローンチできると考えています。
『営業のワークインフラ』リリース
「Sales Crowd」についてご説明します。我々がお客様の営業支援で活用している「Sales Crowd」というシステムについても、同じような発想で、企業クラウドワーカーの方をダイレクトにつなぎ、当社が介在しなくても営業ができる取り組みが始まります。
営業に特化したワークインフラということで、企業に営業人員がいなくても、また当社に任せなくても、このプラットフォームを使えば、リアルタイムにリソースの制約から解放されていく仕組みになっています。現在、設計がスタートし、今後本格的に開発が始まります。
『ユニット型業務支援事業』サービス立ち上げ背景
前期から引き続いてですが、「ユニット型業務支援事業」サービス立ち上げの背景についてご説明します。
現在、中小企業の採用難と離職率は非常に高くなっており、その中で営業以外の多くの業務課題が顕在化していきます。
人を一人採用するよりも早く、安く、そしてノウハウが残る、という点をコンセプトに複数の業務に合わせたユニットを構築し、提供していきます。
『ユニット型業務支援事業』サービス詳細 [1/2]
現在提供できるユニットはスライドに記載しているとおりです。単純に別ユニットを提供するだけでなく、例えば営業支援では、1ユニットだけではなく2ユニットの導入をいただくケースも少しずつ増えてきています。
ユニットの定義をアップデート
ユニットの定義についてご説明します。現在、さまざまな支援のユニットが増えてきています。それらをまとめるため、当社では、「アウトソーシング型」「インソーシング型」「経営支援型」の3つに分けて、お客様に提案を進めています。
この定義をしたことによって、社内的にもお客様のニーズに合わせてどの型を提案し、どのような業務に使ってもらうのかを、戦略的に組み立てることができるようになってきています。
3つの成長戦略
3つの成長戦略についてご説明します。まず1つ目に、サービス全般の受注件数を増やすため、「商談数の増加」「受注率の向上」「追加ユニット受注件数の増加」の取り組みを行っています。
2つ目は、サービス全般の付加価値強化です。「ユニット型業務支援事業」導入後に、どのような取り組みを行い、LTVを増やしていくかについて、着手しています。
3つ目は、M&Aでの戦略的成長です。M&Aでの成長戦略を高めていくためのPMI専門の組織を作り、PMI自体の仕組み化を行っていきます。ゆくゆくは経営支援とつなぎ、お客様にソリューションできる状況を作るべく、準備を進めています。
三浦氏からのご挨拶
本日は、2025年8月期第1四半期の業績ハイライトについてご説明しましたが、計画どおりに進行しており、それぞれのKPIについても、順調に達成している状態です。引き続き、今期も成長基調で進めていきます。
以上で、2025年8月期第1四半期決算のご説明を終了します。ありがとうございました。
関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
---|---|---|
7373
|
1,827.0
(01/30)
|
+71.0
(+4.04%)
|
関連銘柄の最新ニュース
-
01/30 13:49
-
01/15 07:32
-
01/14 14:50
-
01/14 13:45
-
01/14 11:06
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 08:30
-
今日 08:30
-
今日 08:25