ドル円、155円台前半に下落 ウォラーFRB理事の発言でドル売り強まる=NY為替概況
ドル円、155円台前半に下落 ウォラーFRB理事の発言でドル売り強まる=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は155円台前半に下落した。ウォラーFRB理事の発言に反応したようで、理事は前日の米消費者物価指数(CPI)を受けて「このようなデータがさらに増えれば、上半期に利下げが行われる可能性がある。3月利下げの可能性が排除されることはない」などと語った。「データが順調に推移すれば、年内に3回か4回の利下げの可能性がある」との認識も示した。
今週のインフレ指標でFRBの利下げ期待が復活しているが、力強い雇用や底堅い個人消費から、インフレの先行きについては慎重な見方も根強い。「来月の米CPIも落ち着いた内容となれば、追加利下げが再び選択肢として浮上する可能性はあるが、あくまでそれを確認する必要がある」といった声も聞かれる。
なお、本日は次期米財務長官に指名されているベッセント氏が米上院財政委員会の公聴会に出席。為替レートの変動、消費者の嗜好の変化、中国製品の低価格化がすべて、米消費者に対する関税の影響を緩和するだろうと述べたほか、トランプ減税が延長されなければ、経済危機に直面すると警告。なお、FOMCは独立性を維持すべきだとも述べていた。為替市場の反応は限定的。
ユーロドルも1.03ドル台に戻す展開。ロンドン時間は戻り売りが優勢となり、1.0265ドル付近まで伸び悩んでいたものの、ウォラーFRB理事の発言で買い戻しが膨らんだ格好。ただ、ユーロドルは依然として上値が重い印象は否めない。ユーロ圏の経済見通しが弱含んでおり、加えて政治的な逆風も吹く中、ユーロは回復に苦戦している。
一部からは、前日の米CPIでユーロは買い戻しの好機となったが、上昇幅は小幅に留まっている。これは恐らく、ユーロ圏とユーロは域内の低成長と政治の指導力の弱さにより、今年は期待を下回るという確信的な見方を暗示しているとの声も聞かれた。
ポンドドルも1.22ドル台半ばに戻す展開。東京時間からの下げを取り戻している格好だが、ポンドに弱気な見方は増えつつあるようだ。この日は11月の英月次GDPが発表になっていたが、前月比0.1%のプラス成長を回復したものの予想は下回っていた。足踏み状態の英経済を示唆していたが、それにより、英中銀の追加利下げの可能性が高まっている。
一部からは「英中銀の政策委員たちは今年の経済活動の期待外れのパフォーマンスの可能性をより真剣に考慮する必要がある」との見解も出ている。英中銀は2月の金融政策委員会(MPC)で0.25%ポイントの利下げを実施し、その後年内に追加で3回の利下げを行うと予想しているようだ。それはベイリー英中銀総裁の見解と一致する。
潜在成長率を下回る成長は余剰生産能力を増大させ、中期的にはインフレを抑制するはずだという。英利回り上昇による金融情勢の引き締めも同様の効果をもたらすとも指摘した。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は155円台前半に下落した。ウォラーFRB理事の発言に反応したようで、理事は前日の米消費者物価指数(CPI)を受けて「このようなデータがさらに増えれば、上半期に利下げが行われる可能性がある。3月利下げの可能性が排除されることはない」などと語った。「データが順調に推移すれば、年内に3回か4回の利下げの可能性がある」との認識も示した。
今週のインフレ指標でFRBの利下げ期待が復活しているが、力強い雇用や底堅い個人消費から、インフレの先行きについては慎重な見方も根強い。「来月の米CPIも落ち着いた内容となれば、追加利下げが再び選択肢として浮上する可能性はあるが、あくまでそれを確認する必要がある」といった声も聞かれる。
なお、本日は次期米財務長官に指名されているベッセント氏が米上院財政委員会の公聴会に出席。為替レートの変動、消費者の嗜好の変化、中国製品の低価格化がすべて、米消費者に対する関税の影響を緩和するだろうと述べたほか、トランプ減税が延長されなければ、経済危機に直面すると警告。なお、FOMCは独立性を維持すべきだとも述べていた。為替市場の反応は限定的。
ユーロドルも1.03ドル台に戻す展開。ロンドン時間は戻り売りが優勢となり、1.0265ドル付近まで伸び悩んでいたものの、ウォラーFRB理事の発言で買い戻しが膨らんだ格好。ただ、ユーロドルは依然として上値が重い印象は否めない。ユーロ圏の経済見通しが弱含んでおり、加えて政治的な逆風も吹く中、ユーロは回復に苦戦している。
一部からは、前日の米CPIでユーロは買い戻しの好機となったが、上昇幅は小幅に留まっている。これは恐らく、ユーロ圏とユーロは域内の低成長と政治の指導力の弱さにより、今年は期待を下回るという確信的な見方を暗示しているとの声も聞かれた。
ポンドドルも1.22ドル台半ばに戻す展開。東京時間からの下げを取り戻している格好だが、ポンドに弱気な見方は増えつつあるようだ。この日は11月の英月次GDPが発表になっていたが、前月比0.1%のプラス成長を回復したものの予想は下回っていた。足踏み状態の英経済を示唆していたが、それにより、英中銀の追加利下げの可能性が高まっている。
一部からは「英中銀の政策委員たちは今年の経済活動の期待外れのパフォーマンスの可能性をより真剣に考慮する必要がある」との見解も出ている。英中銀は2月の金融政策委員会(MPC)で0.25%ポイントの利下げを実施し、その後年内に追加で3回の利下げを行うと予想しているようだ。それはベイリー英中銀総裁の見解と一致する。
潜在成長率を下回る成長は余剰生産能力を増大させ、中期的にはインフレを抑制するはずだという。英利回り上昇による金融情勢の引き締めも同様の効果をもたらすとも指摘した。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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