*13:02JST マイクロアド Research Memo(2):大量のデータから消費者行動を分析し、企業のデジタルマーケティングに貢献
■マイクロアド<9553>の会社概要
1. 会社概要
同社は「Redesigning the Future Life(データとテクノロジーの力で未来を予測する)」というビジョンの下、データとテクノロジーの力によってマーケティングを変革し、人々の生活をより良いものに、より充実したものにすることを目指している。同社の強みは「膨大な消費者行動データを保有していること」「プライバシー保護に対応したデータ分析と商品開発力を有していること」「マネタイズ能力が高いこと」の3つに大別できる。これらの強みを有機的に結合することによって、大量のデータから消費者行動を分析し、顧客のデジタルマーケティングにおける課題解決に貢献している。
2024年9月期末時点において、(株)エンハンス、(株)cory、(株)UNCOVER TRUTHをはじめとする連結子会社13社の組織体制となっている。国内の事業所及び研究施設は東京本社、大阪支社、福岡支社、名古屋支社、広島支社、仙台支社、京都研究所である。
同社はデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるものの、ビジネスモデルに応じた成長戦略を立案するために「データプロダクト」と「コンサルティング」の2つのサービスで事業展開している。
消費者の購買プロセスの段階に応じて広告配信を行う「UNIVERSE」
2. データプロダクト
「データプロダクト」は、企業のマーケティング課題を解決するためのデジタル広告ソリューション群からなる。消費者に関する膨大なデータの分析をもとに顧客ごとに最適な広告配信を実現する「UNIVERSE」、デジタルサイネージによる広告配信を一元管理する「MONOLITHS」を通じて提供される「デジタルサイネージサービス」が含まれる。
(1) 「UNIVERSE」
「UNIVERSE」は業界や業種ごとに多種多様な消費者の好みや購買プロセスを分析し、そこから得られた知見を活用することによって顧客が抱えるマーケティング課題の解決を支援するサービスである。「UNIVERSE」は同社が開発した2つの独自プラットフォーム「UNIVERSE」「DATA PLATFORM」「UNIVERSE Ads」により構成される。
「UNIVERSE DATA PLATFORM」には、消費者のライフスタイルの変化を捉えるデータ、消費者の性別・年齢等を推定したデモグラフィックデータなどの一般的なデータ群に加えて、業界・業種に特化した大量のデータが蓄積されている。2024年9月期末時点で225を超える外部データ保有企業・メディアから閲覧履歴などのデータを収集・集約しており、これらを分析することによって消費者の複雑な購買行動を分析している。
「UNIVERSE Ads」は、「UNIVERSE DATA PLATFORM」が導き出したインサイトを活用し、RTB(Real Time Bidding)という広告配信技術を用いて顧客ごとに適切な消費者に向けて広告配信を行うプラットフォームである。カギとなるのが、同社のAIを活用した最適化アルゴリズムだ。AIによる分析においては、企業の製品・サービスのカテゴリ、掲載面の品質やコンテンツの内容、配信を行う時間、広告クリエイティブの種類(静止画・動画・ネイティブ広告等)など、広告の費用対効果を決定付ける数十の変数を解析し、最適なアルゴリズムを構築している。これにより、リアルタイムで最適な消費者に対して最適な価格での広告配信を実現している。また、多くのSSP(Supply-Side-Platform)に接続可能なことも適切なターゲットに広告を配信できる要因の1つである(配信先の数は月間2,000億超)。
「UNIVERSE DATA PLATFORM」「UNIVERSE Ads」を組み合わせることで、顧客の業界業種に合わせたマーケティングプロダクトの提供が可能となり、同社は複数の業界特化型プロダクトを開発し、顧客へサービス提供を行っている。たとえばBtoBマーケティング支援「シラレル」はデータを活用し企業の特定部門の役職者などを推定し直接アプローチできる。自動車業界に特化した「IGNITION」は、比較検討から購買直前までの消費者ごとの購買欲の段階に応じたマーケティングが提供できる。飲料・食品業界に特化した「Pantry」は実店舗での購買データを活用し、商品購買に対する広告効果を可視化できる。エンタメ業界に特化した「Circus」は、作品ジャンルや監督、俳優など消費者の細かな趣味嗜好に基づいたマーケティングを可能にする。現在は19業種へ提供しており、特定の企業や業種に大きく依存しない仕組みを構築している。
なお、「UNIVERSE」の収益モデルは従量課金型であり、顧客がマーケティング活動を行うたびに同社に支払われる広告費とデータ費が売上として計上される仕組みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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1. 会社概要
同社は「Redesigning the Future Life(データとテクノロジーの力で未来を予測する)」というビジョンの下、データとテクノロジーの力によってマーケティングを変革し、人々の生活をより良いものに、より充実したものにすることを目指している。同社の強みは「膨大な消費者行動データを保有していること」「プライバシー保護に対応したデータ分析と商品開発力を有していること」「マネタイズ能力が高いこと」の3つに大別できる。これらの強みを有機的に結合することによって、大量のデータから消費者行動を分析し、顧客のデジタルマーケティングにおける課題解決に貢献している。
2024年9月期末時点において、(株)エンハンス、(株)cory、(株)UNCOVER TRUTHをはじめとする連結子会社13社の組織体制となっている。国内の事業所及び研究施設は東京本社、大阪支社、福岡支社、名古屋支社、広島支社、仙台支社、京都研究所である。
同社はデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるものの、ビジネスモデルに応じた成長戦略を立案するために「データプロダクト」と「コンサルティング」の2つのサービスで事業展開している。
消費者の購買プロセスの段階に応じて広告配信を行う「UNIVERSE」
2. データプロダクト
「データプロダクト」は、企業のマーケティング課題を解決するためのデジタル広告ソリューション群からなる。消費者に関する膨大なデータの分析をもとに顧客ごとに最適な広告配信を実現する「UNIVERSE」、デジタルサイネージによる広告配信を一元管理する「MONOLITHS」を通じて提供される「デジタルサイネージサービス」が含まれる。
(1) 「UNIVERSE」
「UNIVERSE」は業界や業種ごとに多種多様な消費者の好みや購買プロセスを分析し、そこから得られた知見を活用することによって顧客が抱えるマーケティング課題の解決を支援するサービスである。「UNIVERSE」は同社が開発した2つの独自プラットフォーム「UNIVERSE」「DATA PLATFORM」「UNIVERSE Ads」により構成される。
「UNIVERSE DATA PLATFORM」には、消費者のライフスタイルの変化を捉えるデータ、消費者の性別・年齢等を推定したデモグラフィックデータなどの一般的なデータ群に加えて、業界・業種に特化した大量のデータが蓄積されている。2024年9月期末時点で225を超える外部データ保有企業・メディアから閲覧履歴などのデータを収集・集約しており、これらを分析することによって消費者の複雑な購買行動を分析している。
「UNIVERSE Ads」は、「UNIVERSE DATA PLATFORM」が導き出したインサイトを活用し、RTB(Real Time Bidding)という広告配信技術を用いて顧客ごとに適切な消費者に向けて広告配信を行うプラットフォームである。カギとなるのが、同社のAIを活用した最適化アルゴリズムだ。AIによる分析においては、企業の製品・サービスのカテゴリ、掲載面の品質やコンテンツの内容、配信を行う時間、広告クリエイティブの種類(静止画・動画・ネイティブ広告等)など、広告の費用対効果を決定付ける数十の変数を解析し、最適なアルゴリズムを構築している。これにより、リアルタイムで最適な消費者に対して最適な価格での広告配信を実現している。また、多くのSSP(Supply-Side-Platform)に接続可能なことも適切なターゲットに広告を配信できる要因の1つである(配信先の数は月間2,000億超)。
「UNIVERSE DATA PLATFORM」「UNIVERSE Ads」を組み合わせることで、顧客の業界業種に合わせたマーケティングプロダクトの提供が可能となり、同社は複数の業界特化型プロダクトを開発し、顧客へサービス提供を行っている。たとえばBtoBマーケティング支援「シラレル」はデータを活用し企業の特定部門の役職者などを推定し直接アプローチできる。自動車業界に特化した「IGNITION」は、比較検討から購買直前までの消費者ごとの購買欲の段階に応じたマーケティングが提供できる。飲料・食品業界に特化した「Pantry」は実店舗での購買データを活用し、商品購買に対する広告効果を可視化できる。エンタメ業界に特化した「Circus」は、作品ジャンルや監督、俳優など消費者の細かな趣味嗜好に基づいたマーケティングを可能にする。現在は19業種へ提供しており、特定の企業や業種に大きく依存しない仕組みを構築している。
なお、「UNIVERSE」の収益モデルは従量課金型であり、顧客がマーケティング活動を行うたびに同社に支払われる広告費とデータ費が売上として計上される仕組みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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