今週のポイント
今週は、17-18日の米FOMCが最大の注目材料です。今回0.25%利下げすることが決定されたとしても、次回25年1月のFOMCでの追加利下げ観測が市場で後退する場合、米ドルが全般的に堅調に推移して、米ドル/カナダドルには上昇圧力が、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルには下落圧力が加わりそうです。
豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円は、18-19日の日銀金融政策決定会合の結果に影響を受けそうです。今回の会合で利上げが見送られて、植田総裁の会見で次回25年1月の会合での利上げ観測が後退すれば、円安圧力が加わる可能性があります。
19日にはBOM(メキシコ中銀)の政策会合が開かれます。メキシコの11月CPI(消費者物価指数)は総合指数が前年比4.55%、コア指数が同3.58%と、上昇率はいずれも10月(4.76%と3.80%)から鈍化しました。市場では、BOMは19日の会合で0.25%利下げすると予想されています。
その通りの結果になれば、声明で追加利下げが示唆されるかどうかに注目です。前回11月会合時の声明では「政策金利のさらなる調整が可能になると予想している」とされました。今後さらに利下げする可能性が示されれば、メキシコペソは上値が重くなるかもしれません。
トランプ米次期大統領は、メキシコとカナダから輸入する全ての製品に25%の関税を課す考えを示しました。メキシコペソやカナダドルに関しては、トランプ次期大統領の関税に関する発言には要注意です。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09500NZドル~1.11000NZドル>
RBA(豪中銀)は9-10日に政策会合を開き、政策金利を4.35%に据え置くことを決定しました。政策金利の据え置きは9会合連続です。
RBAの声明や会合後のブロック総裁の会見では、RBAのこれまでのタカ派的な金融政策スタンスが転換したことが示されました。豪ドルの上値を抑える要因になるかもしれません。
声明では従来の「何も決定しておらず、何も排除していない」と「政策は十分に(景気)抑制的である必要」が削除されて、「(RBAの)理事会はインフレ率が目標レンジに向かって持続的に推移しているという、ある程度の確信を得つつある」になりました。ブロック総裁は会見で、「政策を変更(利下げ)するために、必ずしも四半期CPIを複数回確認する必要はない」、「2月に利下げするかどうかは分からない」と述べ、次回25年2月17-18日の会合での利下げを否定しませんでした。
今週は19日にNZの7-9月期GDP(国内総生産)が発表されます。GDPが市場予想の前期比マイナス0.2%と比べて良好な結果になれば、NZドルのプラス材料となって豪ドル/NZドルは軟調に推移する可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.39000カナダドル~1.43000カナダドル>
BOC(カナダ中銀)は11日の政策会合で0.50%の利下げを行うことを決定。政策金利を3.75%から3.25%へと引き下げました。利下げは5会合連続です。
BOCの声明では、従来の「政策金利はさらに引き下げられると予想している」が削除され、「政策金利のさらなる引き下げの必要性を会合ごとに判断していく」になりました。マックレム総裁は会合後の会見で「経済がおおむね(BOCの)予測通りに推移すれば、金融政策へのアプローチはより緩やかになると予想している」と述べました。今後の会合では、利下げが見送られることもあり得るほか、利下げするとしても0.50%よりも小幅になる可能性があります。このことはカナダドルにとってプラスになるかもしれません。
今週は17-18日に米FOMCが開かれます。今回のFOMCで0.25%利下げすることが決定されたとしても、次の25年1月28-29日のFOMCでの追加利下げ観測が市場で後退すれば、米ドル高が全般的に進むとともに、米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わる可能性があります。
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