足もとでは“居心地のいい値位置”に
【注目ポイント】「152.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「155.000円」付近までの上昇も視野に
【シナリオ②】同レート割れなら、「148.000円」付近までの下落を想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「148.000~155.000円」
足もとでは、12月の日銀会合(18-19日)での利上げ見送り観測などもあり、円売り優勢の相場付きに。本稿執筆(13日午前8時)時点の米ドル/円は、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA(移動平均線、≒152.320円)付近での推移となっています。言うなれば、現時点の米ドル/円は“居心地のいい値位置(領域)にある状態”と捉えて良いでしょう。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 上述した21日MAが若干右肩下がりになっていること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態であること、3) ローソク足が青色雲(=先行スパン、サポート帯)の上方で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが横這い推移となっている(上図青色点線丸印)ことから、現在の米ドル/円・日足チャートは、下方硬直性を伴うレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
その他では、BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが収縮する“スクイーズ”となっていることを合わせると、足もとの米ドル/円は相場の力を溜め込みつつ、方向感を模索する時間帯/局面と言えるでしょう。
そんな中、足もとにおける注目ポイントは・・・200日MAをメドとする「152.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先において、「152.000円」で下値サポートされた場合は、「重要線での下値固め」→「もう一段の上値追い」となりそうです。当該ケースでは、「SARの買いサイン継続」や「遅行スパンのローソク足近接継続」、また「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、BB・+1σラインをメドとし、同時に心理的な節目でもある「155.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇も視野に入りそうです。
[シナリオ②]
一方で、「152.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「重要線割れ」→「もう一段の下押し」となりそうです。当該ケースでは、「SARの売りサインへの転換」や「遅行スパンの下放れ(=逆転)」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、BB・-2σラインをメドとする「148.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落を想定すべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下の米ドル/円はしばらく方向感を模索する相場付きとなる中、当面※は「148.000~155.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)