【IRアナリストレポート】EMシステムズ(4820)

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最新投稿日時:2024/12/04 11:16 - 「【IRアナリストレポート】EMシステムズ(4820)」(みんかぶ株式コラム)

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【IRアナリストレポート】EMシステムズ(4820)

著者:鈴木 行生
投稿:2024/12/04 11:16

~薬局・クリニック・介護/福祉施設の三位一体で、完全課金型ビジネスを推進~

【ポイント】
・今2024年12月期は、下期に、調剤薬局向け電子処方箋システムの需要が急増し、大幅な増益要因として寄与する。これによって、今期の営業利益は38億円を達成し、過去最高となろう。今年で終了する中期計画の目標営業利益(34.6億円)もクリアしよう。

・一方で、医科システム、介護/福祉システムでは、顧客開拓の遅れからソフトウェアの減損処理を余儀なくされた。今3Qで13.4億円の特別損失を計上した。また、今期は医科システムのデータセンターでシステム障害が発生し、その影響が一過性ながら一部負担となった。

・2023年6月に同業のユニケソフトウェアリサーチを買収した。このインパクトは大きい。電子薬歴システムを手掛けるグッドサイクルシステムの子会社化も含めて、調剤システムの今年9月末の業界シェアは43.9%となった。業界地位は盤石である。

・今回公表した長期ビジョンと、来期からの中期3カ年計画では、クラウド型のシステム基盤を強化しつつ、医科システム事業と介護/福祉システム事業の黒字化を図る。その上で、3事業シナジーで次なる利益成長を目指す。黒字化の目途はたつので、その実行戦略に注目したい。

・課金売上は堅調である。サブスク型の契約件数が増加していることによる。ストック型の売上は全売上の半分を超えてきた。フルサブスク型のMAPsシリーズの製品を本格的にマーケティングしている。契約件数の増大が引き続き期待できよう。

・来2025年12月期は、今期急増した電子処方箋システム導入の反動で、減益となろう。医科システムでは、OEMや代理店網の強化で、顧客獲得が進展しよう。介護/福祉システムでは、まだ追加のシステム開発が続こう。両部門の黒字化によって、3年後の2027年12月期には営業利益で40億円とピーク利益の更新を狙っている。

・今後3ヵ年は、配当性向100%で株主還元が充実する。M&Aを含めた成長投資は借入金で対応する。150億円のデット調達は十分可能なので、この財務戦略にも注目したい。次の収益力の好転につれ、ROEの向上と共に株価はさらに見直されよう。

目次
1.特色 薬局向け処方箋処理システム(レセコン)で業界トップ
2.強み 画期的なMAPsシリーズの開発が進展
3.中期経営計画 完全ストック型月額課金ビジネスモデルが本格化
4.当面の業績 2025年12月期は減益となるが、その後は回復へ
5.企業評価 ストック効果の拡大局面へ

EMシステムズ <4820>
企業レーティング
株価
(2024年12月3日)
728円
時価総額 542億円
(74.51百万株)
PBR 2.55倍
ROE 9.8%
PER 26.0倍
配当利回り 4.0%
総資産 28990百万円
純資産 19800百万円
自己資本比率 68.0%
BPS 285.6円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2017.3 13676 2597 3163 2116 30.2 7.75
2018.3 13953 3063 3618 2369 33.4 9.25
2019.3 13133 2622 3248 1971 27.9 9.50
2020.3 14023 1583 2179 1393 19.7 10.0
2020.12 9660 1037 1469 1062 15.0 10.0
2021.12 14436 1870 2607 1829 25.7 11.0
2022.12 16919 2395 2791 1893 26.8 12.0
2023.12 20355 2320 2869 1962 27.8 14.0
2024.12(予) 23700 3800 4500 2000 28.0 29.0
2025.12(予) 21700 2500 3100 1850 26.6 29.0
2026.12(予) 22800 3300 3900 2500 36.0 38.0

(2024.9ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2016年4月1日、2018年3月1日、2020年1月1日に各々1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。2020年12月期より決算期を変更、この期は9カ月決算。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/emsisutemuzu202412.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム

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