[資源・新興国通貨12/2~6のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドル:RBAとRBNZの金融政策が意識されるか

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最新投稿日時:2024/12/02 12:42 - 「[資源・新興国通貨12/2~6のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドル:RBAとRBNZの金融政策が意識されるか」(八代和也)

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[資源・新興国通貨12/2~6のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドル:RBAとRBNZの金融政策が意識されるか

著者:八代和也
投稿:2024/12/02 12:42

今週のポイント

米国のトランプ次期大統領の発言には要注意です。トランプ次期大統領がSNSにメキシコとカナダからのすべての輸入品に関税を課す考えを示したことで、11月26日にメキシコペソとカナダドルが急落する場面がありました。

トランプ次期大統領は11月30日、「われわれが傍観している間に、BRICS諸国が米ドル離れを進めようとする考えはもう終わりだ」、「新たな通貨を作らず、米ドルに代わる他の通貨を支持しないという約束をBRICS諸国に求める。さもなければ、100%の関税に直面する」などとSNSに投稿しました。南アフリカはBRICSを構成する国のひとつであるため、この投稿が市場で意識されれば、南アフリカランドには下押し圧力が加わるかもしれません。

今週は米国の経済指標が多く発表されます。米経済指標の結果によって、市場で次回12月17-18日のFOMCの見方がどのように変化するかにも注目です。12月FOMCでの利下げ観測が後退すれば、米ドルにとってプラスになりそうです。

4日に豪州の7-9月期GDP、6日にカナダの11月雇用統計が発表されます。豪ドルやカナダドルにつては、これらの結果が材料になる可能性があります。豪GDPが市場予想と比べて強ければRBA(豪中銀)の利下げ観測が後退し、カナダの雇用統計が市場予想よりも弱い結果になればBOC(カナダ中銀)の大幅な利下げ観測が強まると考えられます。

3日にはトルコの11月CPI(消費者物価指数)が発表されます。CPIが市場予想の前年比46.55%(12/2時点)を上回る結果だった場合、TCMB(トルコ中銀)の早期の利下げ観測が市場で後退するとともに、トルコリラにとってプラスになる可能性があります。

今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09000NZドル~1.11000NZドル>

RBNZ(NZ中銀)は11月27日の政策会合で、0.50%の利下げを行うことを決定。政策金利を4.75%から4.25%へと引き下げました。

RBNZの声明や会合の議事要旨では、「経済状況が予測通りに推移し続ければ、25年初めに政策金利をさらに引き下げることができると予想している」とされ、追加利下げが示唆されました。

オアRBNZ総裁は会合後の会見で「(RBNZの)見通しは、経済状況次第で2月に0.50%利下げするというのと整合的だ」と述べ、次回25年2月の会合で0.50%の追加利下げを行う可能性を示しました。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によれば、市場が織り込む次回会合での利下げ確率は、0.25%幅が7割程度、0.50%幅が3割程度です。

RBA(豪中銀)は23年11月に利上げを実施して以降、政策金利を4.35%に据え置き続けています。今週4日に発表される豪州の7-9月期GDP(国内総生産)が市場予想と比べて強い結果になれば、RBAの利下げはまだ先との見方が市場で強まる可能性があります。その場合、RBAとRBNZの金融政策の方向性の違いが改めて市場で意識されるとともに、豪ドル/NZドルが堅調に推移しそうです。

今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.38000カナダドル~1.43000カナダドル>

米ドル/カナダドルは11月26日に一時1.41731カナダドルへと上昇し、20年4月以来の高値をつけました。全般的な米ドル高の影響のほか、トランプ米次期大統領がカナダに対して関税を課す考えを示したことが(※)、足もとの米ドル/カナダドルの上昇要因と考えられます。トランプ次期大統領の発言には引き続き要注意です。

(※)トランプ次期大統領は11月25日、SNSに「(大統領就任日の)25年1月20日に、メキシコとカナダから輸入する全ての製品に25%の関税を課し、中国からの輸入品すべてに追加で10%の関税を課す」と投稿しました。

米国とカナダの経済指標にも注目です。今週は11月の雇用統計など米国の経済指標が多く発表され、カナダの11月雇用統計も発表されます。市場では、BOC(カナダ中銀)は次回12月11日の政策会合で利下げを行うと予想されており、利下げ幅については“0.25%”と“0.50%”で市場の見方が分かれています。カナダの雇用統計で0.50%の利下げ観測が強まる、あるいは米経済指標で12月FOMCでの利下げ観測が後退する場合、米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わる可能性があります。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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