【QAあり】Sapeet、通期売上高は前期比+50.8% AIソリューション・AIプロダクトが好調に進捗し、業績予想を上回り着地

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最新投稿日時:2024/11/29 08:00 - 「【QAあり】Sapeet、通期売上高は前期比+50.8% AIソリューション・AIプロダクトが好調に進捗し、業績予想を上回り着地」(ログミーファイナンス)

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【QAあり】Sapeet、通期売上高は前期比+50.8% AIソリューション・AIプロダクトが好調に進捗し、業績予想を上回り着地

投稿:2024/11/29 08:00

エグゼクティブサマリー_全般

築山英治氏(以下、築山):株式会社Sapeet代表取締役社長の築山です。本日は、2024年9月期決算説明会にご参加いただきありがとうございます。資料に沿ってご説明します。

当社は、「ひとを科学し、寄り添いをつくる」というミッションを掲げています。人の身体やコミュニケーションなど曖昧な部分を、AIをはじめとした技術を用いて分析・可視化し、その技術を入れたシステムをお客さまに提供しています。より良い顧客体験を提供することによって、顧客とその先のお客さまが寄り添い合える世界を作りたいと考えています。

2024年9月期のハイライトです。売上高は6億3,400万円で前期比プラス50.8パーセントと、成長率も上昇しています。営業利益はマイナス1,900万円と、赤字幅が大幅に縮小しています。当期純利益はマイナス2,900万円と、同じく大幅に縮小しています。

エグゼクティブサマリー_着地

売上・損失ともに、業績予想を上回って着地しています。特に利益については、売上増加に伴う固定費の吸収と、達成確度を高めるための保守的な想定によって、業績予想を大きく上回って着地しています。

業績予想に対し、売上高はプラス1.7パーセント、営業利益はマイナス64パーセント、当期純利益はマイナス55.3パーセントと、いずれも順調に着地できています。

エグゼクティブサマリー_業績予想

2025年9月期の業績予想はスライドのとおりです。売上高については、引き続き40パーセント以上の成長率の維持を見込んでいます。

また、営業利益と当期純利益は、人材や開発投資などの先行投資を継続しながら、売上増加により固定費を吸収し、通期での黒字転換を見込んでいます。

1.事業概要_主要KPI

事業の主要KPIについてご説明します。まず「売上成長率」は、これまで40パーセント以上の成長率を維持してきており、2024年9月期も引き続き50パーセント以上を記録しています。

提供したサービスがお客さまに満足いただけていることを示す「AIソリューション継続率」は90パーセントと、高い継続率を記録しています。また「AIプロダクト解約率」は0.82パーセントと、低い水準を維持しています。

これらの水準を維持し続けることによって、今後も安定的に高い売上成長率を実現していきたいと考えています。

1.事業概要_Expert AI

当社は、Expert AIという事業を行っています。従来のAIが「バックオフィスを中心としたノンコア業務を代替し、業務効率化を図る」ことに対して、Expert AIは「AIで各領域の専門家ナレッジを再現・サポートし、コア業務の価値をさらに増幅・拡張する」ものと定義しています。

1.事業概要_Expert AI事業の概要

事業概要です。R&Dでは、強みであるAI技術と各領域の専門家ナレッジを掛け合わせて、コミュニケーションアルゴリズムと身体分析アルゴリズムを研究開発し、それらをAIソリューションやAIプロダクト(SaaS)としてご提供しています。

1.事業概要_Expert AI事業のビジネスモデル

Expert AI事業のビジネスモデルです。AIソリューションは初期開発費用、その後のライセンス利用料や保守運用費用等をいただくモデル、AIプロダクトは初期導入費用と月額利用料等をいただくモデルとなっています。

AIプロダクトは代理店経由での販売も行っており、約10パーセントが代理店経由の売上となっています。

1.事業概要_Expert AI事業の展開

スライドは当社が事業展開している領域です。創業から、ウェルネス領域の身体的領域、精神的領域でのサービス提供を行ってきました。

我々はサービス提供を通じて、「身体分析」だけではなく、課題のヒアリングや信頼の醸成、フォローアップも含めた「コミュニケーション」をより強めていくことが、より良い顧客体験を生むことに気づきました。

それを機に、コミュニケーション領域での研究開発を進めており、現在は接客・営業領域や教育領域でサービス提供しています。

1.事業概要_AIソリューション

AIソリューションの概要です。「身体分析アルゴリズム」「コミュニケーションアルゴリズム」といった技術モジュールをベースに、お客さまごとにカスタマイズして開発し、ご提供しています。

さらに上流の戦略策定や開発後の保守運用など、お客さまの課題に応じてサービス提供しており、それらを通じて顧客価値最大化を目指しています。

1.事業概要_AIソリューションの提供事例

AIソリューションの提供事例です。身体分析アルゴリズムの身体的領域の活用事例として、寝具業界のお客さまには、全身写真を撮って寝姿勢を分析し、それに応じた枕とマットレスをレコメンドする技術をご提供しています。

またアパレル業界では、顔のパーツや形状を7分類したフェイスタイプと、肌の色を4分類したパーソナルカラーを掛け合わせて、お客さまに合わせたファッションをレコメンドするシステムをご提供しています。

1.事業概要_AIソリューションの提供事例

コミュニケーションアルゴリズムの接客・営業領域での活用事例です。宝飾品の販売スタッフは、これまで店長とのロールプレイングで接客の練習を行っていました。その相手役をAIアバターが行うことによって、店長やマネージャーの工数を削減することを可能にしています。

またそのやり取りを、接客のエキスパートの要素を入れた評価AIがフィードバックしてハイパフォーマーとの差分を可視化し、それをもとに練習することで接客力を向上します。これにより、実際に売上単価が増加するなど、評価AIの点数とスタッフの売上が相関しているというデータが出ています。

また、精神的領域での自治体の事例としては、もともと自治体では地域の孤独・孤立に悩む住民の方向けにLINEの相談窓口を設けて、人のオペレーターで対応していましたが、「夜や土日は対応しづらいため、AIで対応できないか」という課題から取り組みが始まりました。

メンタルケアの専門家である臨床心理士の監修のもと、メンタルケアのエキスパートのナレッジやノウハウを組み込んだAIチャットボットを開発しました。こちらはすでに運用が始まっており、多くの方々のご相談に乗っています。

1.事業概要_AIソリューション_その他活用テーマ

その他コミュニケーションアルゴリズムの活用例はスライドのとおりです。

1.事業概要_AIプロダクト

AIプロダクトについてです。「カルティクラウド」というシリーズ名で、4つのラインナップでサービス提供しています。

1つ目の「カルティ シセイカルテ」は、姿勢・可動域・歩行分析を行います。

2つ目の「カルティ マルチカルテ」は、個社ごとの項目のカスタマイズが可能で、接客を標準化して支援する機能が備わっています。

3つ目の「カルティ セールス」は、商談を標準化するためのものです。

4つ目の「カルティ チャット」は、AIと人がコラボしながらお客さまのチャット対応ができるプロダクトです。

1.事業概要_AIプロダクト_カルティシセイカルテ

「カルティ シセイカルテ」についてご説明します。こちらは、整形外科医、理学療法士、柔道整復師などの身体の専門家と協力して、姿勢分析のナレッジ・ノウハウをAIで再現したものです。

全身写真を撮って姿勢を点と線で表し、点のずれをスライドのようにグラフ化して、ずれのパターンに応じて姿勢の特徴を可視化します。その分類によって、お客さまに合ったエクササイズや商品、サービスをレコメンドできます。

サービスの効果を見える化することによって価値を実感してもらい、それを改善するための支援をすることで販売促進の効果を生んでいます。

1.事業概要_AIプロダクト_カルティシセイカルテ

「カルティ シセイカルテ」は、実際に接骨院、整体院、カイロプラクティック、フィットネス/パーソナルトレーニング、歯科医院、介護施設などのウェルネスの業種に導入いただいています。

1.事業概要_AIプロダクト_カルティマルチカルテ

「カルティ マルチカルテ」は「ノーコードでフルカスタマイズできる」カルテサービスです。ウェルネス領域では自由メニューを持っているパーソナルトレーニングや整体が混在しています。また、規模感が大きくなれば、個社ごとのニーズが増えてきます。

それらのニーズに対応した電子カルテを作ることで、業務効率化を実現します。さらにカスタマイズによって、接客やサービス提供のエキスパートの方々のフローをカルテに再現することも可能です。そのため新人でも一定の質が担保された接客が行えるようになり、サービス価値を底上げして、売上アップにつながるといった効果も確認されています。

また、音声入力AIや要約AIによってナレッジやノウハウがクラウドにたまり、利活用されるシステム体制を提供できています。

1.事業概要_AIプロダクト_カルティマルチカルテ

実際に同じような業種の方々に使っていただいています。具体的には、大手の整体院やパーソナルトレーニングの多店舗展開しているお客さまに使っていただいています。

1.事業概要_AIプロダクト_カルティセールス・カルティチャット

商談の標準化を支援する「カルティ セールス」や、AIや人のチャットコミュニケーションを支援する「カルティ チャット」の詳細は、スライドのとおりです。

1.事業概要_市場環境

Expert AI事業では、国内AIシステム市場と国内DX市場の2つの市場に取り組んでいます。共通して、大きい規模感かつ高い成長率の市場に属しており、そのなかで拡大を目指しています。

1.事業概要_顧客ターゲットと事業特徴

AIソリューションとAIプロダクトの両方を提供していることによって、広いターゲットに対してサービス提供が可能な点とアセット蓄積効率の高さが、Expert AI事業の特徴です。

AIソリューションを通じて、規模が大きく単価の高いプロジェクトにも提供しています。また、AIプロダクトを通じて中小企業にもサービスを提供しています。

AIソリューションを通じて、技術の研究開発やニーズに合ったサービス提供を行うユースケースを見極めることによって、AIプロダクトに反映し、多くのお客さまに使っていただいています。

これらのデータをもとにさらに研究開発を行い、循環することによって、当社のデータやナレッジ・ノウハウをベースにした技術アセット・システムアセットがどんどん蓄積するという仕組みが構築できています。

1.事業概要_市場と競争優位性_顧客基盤

接骨院やフィットネス、医療機関などの幅広いウェルネス顧客基盤に加えて、ITや小売りなど多様な基盤を持っています。そのため業界依存度が低く、かつ幅広い領域のナレッジ・ノウハウが獲得できるため、事業の安定性・拡張性につながっています。

顧客基盤をベースに、引き続き新しい新規領域にもチャレンジしていきたいと考えています。

1.事業概要_市場と競争優位性_開発基盤

当社では、AIソリューションとAIプロダクトを提供している裏側のチームを共通化しています。例えば、コンサルタントやエンジニアなどのサービス提供するリソースも共通化しているので、タイムリーな適材配置が可能になります。また、技術・ノウハウの一元管理が可能です。

ノウハウが蓄積されていることにより、お客さまの課題に合わせたサービス提供が可能であると同時に、効率的なサービス提供体制も構築できています。

1.事業概要_市場と競争優位性_AIソリューションの特徴

お客さまの課題に合わせ、課題整理/戦略提案などの上流から、開発、実装、保守運用などの下流まで、一気通貫で行うモデルとなっています。これによりコストや利益、納期のコントロールが可能となります。

また、お客さまの事業及びその課題を正しく理解し、最適なサービスを提供することで満足度が上がり、結果的に高い継続率につながっています。

1.事業概要_市場と競争優位性_AIソリューションの特徴

当社は創業から9年弱の会社です。創業当時のAI技術から、昨今のLLM・生成AI技術まですべてを網羅しており、お客さまの課題に応じて最適な技術を組み合わせて提供しています。

直近では生成AIの技術の発展が著しく、ユースケースはスライド右側に記載のように増えています。

技術として強みであるAIの技術と、各領域のエキスパートのナレッジ・ノウハウを組み合わせた「Expert AI」を開発する技術が、大きな特徴となっています。

1.事業概要_市場と競争優位性_AIプロダクトの特徴

AIプロダクトの特徴についてご説明します。一般的なSaaSは汎用的な機能でカスタマイズができませんが、当社は規模が大きいお客さまに対してカスタマイズ開発を許容しています。

これはほかのお客さまからも求められる機能もあるため、契約やシステム上の整理をもとに、実際のベースのプロダクトに対しても機能を追加することによって、プロダクト全体を強化できる体制となっています。

1.事業概要_市場と競争優位性_「姿勢」を起点にしたウェルネス領域全般への展開

姿勢分析データやカルテデータを蓄積できる点も特徴です。姿勢データによって、当社の姿勢分析の精度の高さや、高いUXのサービスを提供できているだけではなく、相関のある領域への進出も可能になります。

こちらの領域にサービスを提供することにより、さらに相関のある領域に対しても拡大することができます。

2.2024年9月期 通期業績_全社売上高

2024年9月期通期業績についてご説明します。通期としては引き続き40パーセントを超える成長率を保っており、今回は50パーセントを記録しています。

売上高は6億3,400万円で、営業利益はマイナス1,900万円となっています。人材投資や開発投資などの先行投資を継続しながらも、売上増加に伴い固定費を吸収し、赤字幅が大幅に圧縮できています。

四半期別では一定の割合できちんと成長ができており、第4四半期は黒字化が達成できています。

2.2024年9月期 通期業績_コスト

売上高の増加がコストを吸収し、売上高に対するコスト割合を低下できています。2024年9月期は、引き続き人材投資を継続しました。

外注費(売上原価)が大幅に増加したのは、AIソリューションの案件のための柔軟なリソース確保が大きな要因です。一方、外注から正社員への転換事例が複数あります。

働き方を考慮し、正社員ではなくフリーランスを選択する方もいますが、稼働は正社員とあまり相違がありません。外注費の一部は人材への投資ととらえて、積極的に活用しています。

引き続き研究開発への投資は続けており、今後も継続する予定です。

2.2024年9月期 通期業績_AIソリューション・AIプロダクト売上高

提供形態別の売上高です。AIソリューションは、前期から引き続き90パーセントを超える高い成長率を確保しています。AIプロダクトもアップセルやクロスセルなどが進むことによって、前期を若干上回る成長率となっています。

四半期別では、AIソリューションについては第1四半期と第2四半期は横ばいですが、下期は生成AIの市場ニーズの高まりと当社のサービスが合致し、特にコミュニケーションアルゴリズムの領域が成長しています。

AIプロダクトは、ARR自体は右肩上がりで堅調に推移していますが、単発的な初期の売上やカスタマイズ開発の売上によって、トータルは横ばいであったり急に上昇したりしています。このような傾向は、今後も継続すると考えています。

2.2024年9月期 通期業績_B/S

2024年4月に、第三者割当増資(日本テレビホールディングスとの資本業務提携を含む)により、4.5億円を調達しました。今回のIPOの公募増資によって財務基盤が強化され、財務健全化や今後の成長資金を確保しています。

3.成長戦略_中長期の事業戦略

成長戦略についてご説明します。AIソリューションやAIプロダクト、プラットフォーム等、当社のデータや技術、顧客基盤にシナジーがあるところとの事業提携を加速させていきたいと考えています。

1つ目のAIソリューションは、研究開発するアルゴリズム領域をこれからも拡大することにより、取引先を支援できる場面を増やしてLTVを最大化していきます。

また新規顧客を増やし、提供先の領域を広げることによって、今後も拡大していきたいと考えています。

2つ目のAIプロダクトは、「カルティクラウドシリーズ」の機能やサービスを引き続き追加・拡販していきたいと考えています。またAIソリューションから筋の良い市場や技術を活かして、積極的にAIプロダクト化していきたいと考えています。

海外からの引き合いもあるため、海外の販売パートナーと協業しながら海外展開を進めて、海外市場に対しても積極的にアプローチしていきたいと考えています。

3つ目のプラットフォーム等は、AIソリューションやAIプロダクトで培ったデータやアセット、顧客基盤をベースに、顧客の大きな課題である物販や集客、人材について支援できるようなプラットフォームビジネスを想定しています。

また当社に足りていない機能や顧客基盤が先行している企業は、M&Aやアライアンスなどを通じて一緒に成長していきたいと考えています。

3.成長戦略_市場展開

市場展開についてです。スライドの図の縦軸は業界、横軸が支援業務となっています。顧客がサービス提供するコア業務を主に支援しています。集客・来店促進からヒアリング・分析を行い、結果に応じてサービスを提供し、フォローアップ・リピート促進、顧客管理を行います。

当社はもともとウェルネス領域に対して事業を展開しており、一定浸透してきていると思っています。こちらをより深めていくだけではなく、周辺のウェルネス領域のサービスや業種に対しても価値提供を広げていきます。

同時に、BtoCビジネスで共通する部分がある業界にも積極的に拡大し、市場やTAMを拡大していきたいと考えています。

3.成長戦略_顧客・パートナーとの連携

我々は各領域の専門家およびお客さま、またパートナー企業とタッグを組みながら、協力して事業を行い、専門知識や技術、ノウハウなどをどんどん吸収していきます。このようにして作り上げたものを、より多くのお客さまに提供していきます。

この循環により、パートナーを巻き込みながら、さらに高いユーザー体験を提供できるサービスを作り出しています。

このような循環を続けることで、さらにサービス価値を高め、協力パートナー企業とともに成長していきます。

4.2025年9月期 業績見通し

2025年9月期の業績見通しについてご説明します。AIソリューション・AIプロダクトがともに成長することにより、引き続き40パーセント以上の高い成長を目指しています。

売上高に関しては、9億2,400万円となっています。利益に関しては、サマリーでも申し上げたとおり、人材投資や開発投資を継続しながらも、IPO前後のコストの増加を吸収しながら、通期黒字転換を目指します。

4.2025年9月期 業績見通し

売上高に関しては、足元のお客さまの状況および市場の状況を勘案しながら、戦略的にアロケーションを考えています。それにより、収益の最大化を目指す方針です。

営業利益に関しては、引き続き人材投資および開発投資といった先行投資を継続しながらも、確実に黒字転換を目指していきます。

AIソリューションに関しては、引き続き需要として旺盛なため、スライドに記載の売上成長率の絶対額およびパーセンテージが達成できる見込みです。

AIプロダクトに関しては、引き続き「カルティ シセイカルテ」「カルティ マルチカルテ」を軸としながらも、他のサービスおよび機能によってクロスセル、またアップセルすることによって、成長の数字を作っていきたいと考えています。

私からのご説明は以上となります。

質疑応答:IPO後の変化について

佐藤琢治氏(以下、佐藤):「IPOから1ヶ月も経っていませんが、何か変化があれば教えてください」というご質問です。

築山:IPOに関しては、当初は知名度および信頼性の向上を1つの目的としていましたが、その効果が実際にありました。商談のリード、また採用のリードが大きく増加している状況です。

質疑応答:2025年9月期のAIソリューションについて

佐藤:「2025年9月期には、AIソリューションはどういった職種、業種での用途が伸びを牽引していくとお考えでしょうか?」というご質問です。

築山:2024年9月期もそうでしたが、コミュニケーション分野での引き合いが大きくなってきています。例えば、ソリューション事例に挙げたAIロープレや接客・商談データのAI分析・利活用などがそれにあたります。

これまでは、お客さまの売上に寄与するコミュニケーションを分析することで、「どのような方がハイパフォーマーであるのか」を定義づけるのは難しいことでした。ハイパフォーマーについても、それを真似できないと言う方はいまでも多いです。

ところが生成AIを含めたAI技術の発展によって、そのような暗黙知となっていた情報が構造化され、他の人に伝承できる下地が整ってきました。そのようなコミュニケーションを支援するようなユースケースがますます増えていくと考えています。

そして例えば、先に挙げたAIロープレといったユースケースが、今後も伸びていくと思います。他にも、実際に商談している時、または接客している時の音声を録音してAIがフィードバックするようなユースケースが増えてくるのではないかと考えています。

質疑応答:AIソリューションの拡大と外注費の増加について

佐藤:「前期は売上原価の外注費が大幅に増加していますが、AIソリューションの拡大とともに、今後も外注費は増加していくのでしょうか?」というご質問です。

築山:その傾向はあると思います。ソリューションに関しては人月ビジネスといった側面もあるため、売上に対しての人件費は連動すると考えています。

その中身が外注費となるのか、もしくは人件費となるのかに関しては、正社員採用を積極的に推し進めることにより、外注費がこれまでのような伸び率にはならないようにしたいと考えています。

補足すると、技術アセットは着実に蓄積できていますし、サービス提供体制もかなり効率化できています。

そのような意味で、案件の単価を上げること、またデリバリー効率を高めることによって、より高い利益を出すことが可能です。そのため、売上の成長にそのままの割合で人件費や外注費が連動しなくても成長が見込めるようなかたちを想定しています。

質疑応答:人材投資について

佐藤:「今後の人材投資については、どのような職種を中心に進めていくのでしょうか?」というご質問です。

築山:幅広く考えていますが、メインとしては我々の技術を担うアルゴリズムエンジニアを積極的に採用しています。

また、我々の技術がどう社会に提供できるのか、どのような市場があるのかを捉えるコンサルタントも、同時に採用していきたいと考えています。

質疑応答:資金調達方法について

佐藤:「今後の資金調達について、どのように行っていくのかを教えてください」というご質問です。

キャッシュフローの状況については、前期第4四半期は四半期単体でも黒字化するなど、黒字化に向けて順調に進捗している状況です。それに伴い、キャッシュフローも改善しています。

今後については、IPO時の調達資金と自己資金に加えて、調達コストを勘案しながら、必要なタイミングで必要な資金を確保できるよう、金融機関とも話をしながら進めていくという方針です。

質疑応答:正社員登用と外注活用のバランスについて

佐藤:「正社員への登用と固定化しない外注の活用について、どのようなバランスで進めていくお考えでしょうか?」というご質問です。

築山:現在、プロダクト体制では、一定の割合が外注費にあたる個人の業務委託メンバーです。バランス自体は大きく変えないまでも、正社員登用を少し増やしていきたいという温度感です。

AIソリューション自体は、案件の単価が大きいものもありますし、時期の変動も大きいです。そのため、変動の吸収ができる程度の業務委託割合、ないし外注割合を、今後も維持していきたいと考えています。

築山氏からのご挨拶

築山:本日は、株式会社Sapeet2024年9月期通期決算説明会にご参加いただきありがとうございました。

当社は、「ひとを科学し、寄り添いをつくる」というミッションのもと、人を科学する技術により社会課題の解決に取り組んでいます。今後も事業成長および企業価値向上に努めていきます。

また、決算説明会などを通じ、ステークホルダーのみなさまとさまざまなディスカッションを行い、当社の体制をアップデートしていきたいと考えています。また、IR情報のメール配信も開始しますので、ご登録よろしくお願いします。引き続き見守っていただき、応援していただけるとうれしいです。今後ともどうぞよろしくお願いします。

配信元: ログミーファイナンス

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