設計基幹システムと磁気軸受を用いた評価試験機で、効率化と信頼性を向上
株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:近藤禎人、以下「ジェイテクト」)は、転がり軸受の設計においてモデルベース開発(以下、MBD※1)により、開発効率の向上を進めています。
このたびMBDを劇的にアップデートし、デジタルを活用した軸受設計プロセスの効率化および新型試験設備を活用した評価解析の信頼性向上を実現しました。
※1 MBD(Model Based Development):開発したいモノのモデルを製作し、そのモデルをベースにシミュレーション技術を活用することで、開発期間の飛躍的な短縮と製品品質を向上させる高効率な開発手法
ジェイテクトは、JTEKT Group 2030 Visionを掲げ、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」になることを目指しています。ジェイテクトグループは、製品と製造設備に関する要素技術や知見であるコンピタンスを一堂に集約したテクノロジープラットフォームを活用し、これらのコンピタンスを掛け合わせて社内や社会の困りごとの解決策を提案するソリューション共創センターの開設を進めています。
新たなMBDでは、ジェイテクトのコンピタンスを生かした設計基幹システムを導入することで、設計プロセスの大幅な短縮と設計者による検討のばらつきを最小限に抑えることが可能となります。加えて、グループ会社のコンピタンスである磁気軸受を用いた新開発の評価試験機により、従来以上の高速回転下で評価を行うことができ、評価解析の信頼性向上を実現します。
ジェイテクトは本MBDを活用し、早期製品化や製品の高機能化などのソリューションを提案していきます。
【設計基幹システムによる設計プロセスの短縮】
従来の軸受の設計プロセスは、設計者自身が多岐にわたる技術計算を手作業で繰り返し行う必要があり、データ受け渡しや保存にかかる時間のロス、設計者による検討のばらつきが課題となっていました。そこで設計プロセス全体を抜本的に見直し、初期検討から作図までをシームレスに完了できる設計基幹システムを開発。このシステムの導入で設計検討時間を従来比1/4に短縮し、設計者の経験に関係なく、優れた検討が可能となりました。
【磁気軸受を用いた新開発の評価試験機による評価解析の信頼性向上】
今後、自動車や産業機械の電動化が加速していく中で、軸受の高速回転化や効率化、信頼性の要求が高まることが想定されます。こうしたニーズにお応えする軸受を設計するために、グループ会社である株式会社ジェイテクトマグネティックベアリングが開発・製造する磁気軸受を用いた評価試験機を開発。超高速回転かつ急加減速回転条件での性能評価を可能としました。
磁気軸受は電磁力により回転軸を完全非接触で支持する軸受で、摩擦ゼロ、潤滑油不要、メンテナンスフリーといった特長を有しています。新たに開発した評価試験機は主軸を駆動するモーターユニットに磁気軸受を用いることで、超高速回転性能としては、電気自動車(BEV)の電動駆動システムであるeAxleの高速回転要求仕様、45,000 min-1(dmn※2値270万)まで評価可能。また、急加速・急減速回転性能としては、市場ニーズを大きく上回る15,000 min-1/sまで評価可能となります。さらにはラジアルとアキシアルの両方向の荷重を与えることができ、オイル潤滑およびグリース潤滑に対応します。
今回開発した試験機を使用することで、従来の高速試験機では評価できなかった超高速域まで軸受の限界性能を把握できるようになり、eAxleの小型化・高出力化要求に対し高速回転下でも破損や焼付きが発生しない軸受の開発が実現可能となります。ジェイテクトはデジタル上でのシミュレーション結果を精査し、リアルの現象とのギャップを解析プロセスに反映することで、信頼性を飛躍的に向上させています。
※2 dmn : 転がり軸受の回転性能を表す値。転動体のピッチ円直径(mm)×回転速度(min-1)
磁気軸受を用いた評価試験機の構造と特長
磁気軸受を用いた評価試験機の評価能力
【今後の展望】
画期的な設計基幹システムと評価試験機による高効率・高信頼性MBDで軸受の設計期間を短縮し、最小限のリードタイムでお客様の困りごとを解決できるよう継続して取り組んでまいります。さらには、本MBDを推進することで、ゼロエミッションでクリーンなカーボンニュートラル社会の実現にも貢献していきます。
今後もジェイテクトは、お客様をはじめとしたステークホルダーが抱える課題に対し、グループのコンピタンスを生かして最適なソリューションを提供してまいります。
【参考】
・2023年1月16日プレスリリース「『JTEKT Ultra Compact Bearing(TM)』の開発にMBDを活用」
https://www.jtekt.co.jp/news/2023/002875.html
・2021年12月28日プレスリリース「モデルベース開発で転がり軸受の設計期間短縮と性能向上を実現」
https://www.jtekt.co.jp/news/2021/001114.html
株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:近藤禎人、以下「ジェイテクト」)は、転がり軸受の設計においてモデルベース開発(以下、MBD※1)により、開発効率の向上を進めています。
このたびMBDを劇的にアップデートし、デジタルを活用した軸受設計プロセスの効率化および新型試験設備を活用した評価解析の信頼性向上を実現しました。
※1 MBD(Model Based Development):開発したいモノのモデルを製作し、そのモデルをベースにシミュレーション技術を活用することで、開発期間の飛躍的な短縮と製品品質を向上させる高効率な開発手法
ジェイテクトは、JTEKT Group 2030 Visionを掲げ、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」になることを目指しています。ジェイテクトグループは、製品と製造設備に関する要素技術や知見であるコンピタンスを一堂に集約したテクノロジープラットフォームを活用し、これらのコンピタンスを掛け合わせて社内や社会の困りごとの解決策を提案するソリューション共創センターの開設を進めています。
新たなMBDでは、ジェイテクトのコンピタンスを生かした設計基幹システムを導入することで、設計プロセスの大幅な短縮と設計者による検討のばらつきを最小限に抑えることが可能となります。加えて、グループ会社のコンピタンスである磁気軸受を用いた新開発の評価試験機により、従来以上の高速回転下で評価を行うことができ、評価解析の信頼性向上を実現します。
ジェイテクトは本MBDを活用し、早期製品化や製品の高機能化などのソリューションを提案していきます。
【設計基幹システムによる設計プロセスの短縮】
従来の軸受の設計プロセスは、設計者自身が多岐にわたる技術計算を手作業で繰り返し行う必要があり、データ受け渡しや保存にかかる時間のロス、設計者による検討のばらつきが課題となっていました。そこで設計プロセス全体を抜本的に見直し、初期検討から作図までをシームレスに完了できる設計基幹システムを開発。このシステムの導入で設計検討時間を従来比1/4に短縮し、設計者の経験に関係なく、優れた検討が可能となりました。
【磁気軸受を用いた新開発の評価試験機による評価解析の信頼性向上】
今後、自動車や産業機械の電動化が加速していく中で、軸受の高速回転化や効率化、信頼性の要求が高まることが想定されます。こうしたニーズにお応えする軸受を設計するために、グループ会社である株式会社ジェイテクトマグネティックベアリングが開発・製造する磁気軸受を用いた評価試験機を開発。超高速回転かつ急加減速回転条件での性能評価を可能としました。
磁気軸受は電磁力により回転軸を完全非接触で支持する軸受で、摩擦ゼロ、潤滑油不要、メンテナンスフリーといった特長を有しています。新たに開発した評価試験機は主軸を駆動するモーターユニットに磁気軸受を用いることで、超高速回転性能としては、電気自動車(BEV)の電動駆動システムであるeAxleの高速回転要求仕様、45,000 min-1(dmn※2値270万)まで評価可能。また、急加速・急減速回転性能としては、市場ニーズを大きく上回る15,000 min-1/sまで評価可能となります。さらにはラジアルとアキシアルの両方向の荷重を与えることができ、オイル潤滑およびグリース潤滑に対応します。
今回開発した試験機を使用することで、従来の高速試験機では評価できなかった超高速域まで軸受の限界性能を把握できるようになり、eAxleの小型化・高出力化要求に対し高速回転下でも破損や焼付きが発生しない軸受の開発が実現可能となります。ジェイテクトはデジタル上でのシミュレーション結果を精査し、リアルの現象とのギャップを解析プロセスに反映することで、信頼性を飛躍的に向上させています。
※2 dmn : 転がり軸受の回転性能を表す値。転動体のピッチ円直径(mm)×回転速度(min-1)
磁気軸受を用いた評価試験機の構造と特長
磁気軸受を用いた評価試験機の評価能力
【今後の展望】
画期的な設計基幹システムと評価試験機による高効率・高信頼性MBDで軸受の設計期間を短縮し、最小限のリードタイムでお客様の困りごとを解決できるよう継続して取り組んでまいります。さらには、本MBDを推進することで、ゼロエミッションでクリーンなカーボンニュートラル社会の実現にも貢献していきます。
今後もジェイテクトは、お客様をはじめとしたステークホルダーが抱える課題に対し、グループのコンピタンスを生かして最適なソリューションを提供してまいります。
【参考】
・2023年1月16日プレスリリース「『JTEKT Ultra Compact Bearing(TM)』の開発にMBDを活用」
https://www.jtekt.co.jp/news/2023/002875.html
・2021年12月28日プレスリリース「モデルベース開発で転がり軸受の設計期間短縮と性能向上を実現」
https://www.jtekt.co.jp/news/2021/001114.html
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