サカイ引越センター、引越業界初の1,000億円達成で11年連続売上高1位 件数と単価の上昇で業績拡大を目指す
まごころTOPICS
山野幹夫氏(以下、山野):専務取締役の山野でございます。ただいまから2025年3月期第2四半期の決算説明会を始めます。よろしくお願いいたします。
まずはトピックスを4つ紹介します。1つ目として、1月1日に起きた能登半島地震への支援に対し、国土交通省近畿地方整備局より感謝状をいただきました。
2つ目に、三重県尾鷲市とゼロカーボンシティ宣言の推進に関する協定を締結しました。森林を含めた保全を行っていきます。
3つ目に、箕面市と包括連携協定を締結しました。いろいろな面で箕面市と連携していきます。
4つ目として、「サカイのまごころの日」記念日が認定されました。10月17日は、創業者である田島治子の命日です。創業者の思いが直接伝わっていない従業員もかなり増えてきているということで、10月17日を「サカイのまごころの日」とし、毎月17日は地域清掃活動など創業者の思いを学ぶ機会を作っています。
そして今回、日本記念日協会より、10月17日は「サカイのまごころの日」記念日として認定されました。さらに創業者の思いを落とし込むような活動につなげていきます。
本日お伝えしたいこと(株価動向を踏まえた経営のアップデート)
本日は株価動向を踏まえて、経営のアップデートについてご説明します。重点施策は大きく3点あります。
1点目は、配当方針の変更です。10月31日に配当方針を変更しました。これまでの還元では不十分と考え、安定配当を維持しつつ、配当性向35パーセント以上に引き上げました。
2点目は、キャピタルアロケーションの検討です。取締役会でも活発な見直しを行ってきましたが、時間的な制約もあり、なかなか深度をもって取り組めていないところがありました。そこで今年11月、新たに資本政策委員会および戦略投資委員会を設置しました。
資本政策委員会では実現性を議論し、戦略投資委員会では可能性の議論を行います。今後は取締役会での意思決定をもって、アロケーションの大枠については来年の決算発表時に発表していきます。
3点目は、新生活応援グループの推進です。今後の成長の要となるグループ事業および法人事業を含め、新たな市場に攻めていきたいと考えています。これは、M&Aも含めた市場になります。
これまでも法人事業は行っていますが、BtoCがメインでした。今後はBtoBも含め、BtoG事業もさらに攻めていきたいと考えています。新生活応援グループとして「暮らしの中にもっと"SAKAI"を!」を実践していきます。
2025年3月期 中間決算サマリー
2025年3月期の中間決算サマリーです。運送業界では、2024年問題がかなりのインパクトとなっています。当社は何かあれば真っ先に指導がもらえる立ち位置にいますので、2024年問題の初年度である今期は、本社部門を含めてかなり厳しめに動いています。
しかし、それによって従業員のマインドにもブレーキが働きました。今のところは体制面・業績面ともに概ね予想の範囲内であるものの、作業件数自体は若干マイナスしてしまったというところが上期の大きな状況です。
需要の環境については、移動者数は横ばいで、新設住宅着工戸数は微減となりました。相変わらず厳しい状況が続いています。今後は増えることなく、少しずつシュリンクしていくと見ています。
一方で、法人需要については、事業会社、デベロッパー、ハウスメーカーともに、かなり好評を得ています。特に主要な売上を占める法人事業会社では、10パーセントほどの伸び率となりました。このようなかなり厳しい環境の中でも、転勤需要については当社に依頼してくれる企業が多くなってきています。
供給の体制については、管理体制強化や待遇改善などいろいろと取り組んでいます。コロナ禍には離職数がかなり増えたのですが、現在は減少傾向が続いており、ドライバー数も純増している状況です。
また、前期は品質の問題があり、パートナー台数を増やすのを止めていました。しかし今期は関東圏で順調に増やしており、予算どおり達成するのではないかと考えています。
業績変動要因については、昨年7月と同様に、今年7月にも単価を薄く引き上げました。届出運賃の申請価格を、大幅にではなく薄く引き上げています。価格転嫁への取り組みもある程度うまくいったことで、単価は前年同期比103.2パーセントのアップとなりました。
経費のところでは、資材費はある程度落ち着きを取り戻しています。ただし、傭車費の高騰は相変わらず続いている状況です。どの企業も、2024年問題についてかなりナーバスに見ていると考えています。
下期においては、第3四半期に2024年問題の影響が一番色濃く出てしまうことになります。11月を例にとると、労働時間を前年比で20パーセント程度削減しないと解決できないような状況です。
第3四半期には影響が色濃く出ますが、繁忙期となる第4四半期に関しては、目いっぱいがんばっていきたいと思っています。体制を整えるタイミングということで、適正な単価を維持しつつ、予算の達成を粛々と図りたいと考えています。
配当方針の変更(2024年10月31日リリース)
2024年10月31日にリリースした配当方針の変更についてです。安定した配当を継続的に行うことを基本方針とし、原則配当性向35パーセント以上に加え、機動的な自己株買いを目指していく方針に変更しました。
キャピタルアロケーションの検討
キャピタルアロケーションの検討についてです。「成長」と「資本収益性」について、ある程度スキルを持つメンバーが集中的に検討を行う資本政策委員会を設置します。メンバーには、各部門長も含まれます。
資本政策委員会では、実現性の追求を図っていきます。資本収益性の方針について委員会で議論し、資本政策を策定します。また、戦略投資委員会で議論された投資案件についての検討を行い、取締役会に上程するという役割があります。
戦略投資委員会では、可能性の追求を行っていきます。中長期を見据え、DX・人的資本・グループ戦略に資する具体的な投資案件の可視化を行います。当然ながら、ここには社外取締役のメンバーにも入ってもらい、横ぐしを刺すかたちで取り組みたいと思っています。
1.連結決算概要
多田健吾氏(以下、多田):経理部次長の多田です。私からは決算概要についてご説明します。どうぞよろしくお願いします。
まずは連結決算概要です。2024年9月期の売上高は、前年同期比3.7パーセント増の591億9,300万円、営業利益は前年同期比6.8パーセント減の66億700万円となりました。経常利益は、前年同期比6.3パーセント減の67億3,400万円です。
親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期比5.6パーセント減の45億3,700万円となりました。
2.セグメント別売上高
セグメント別売上高についてご説明します。引越事業は前年同期比3.3パーセント増の500億7,200万円、電気工事事業は前年同期比4.0パーセント増の25億5,000万円となりました。
クリーンサービス事業は前年同期比1.2パーセント増の27億1,000万円、リユース事業は前年同期比11.3パーセント増の35億1,500万円です。その他の事業は、前年同期比7.7パーセント増の3億4,500万円となっています。
3.個別決算概要
個別決算概要です。2024年9月期の売上高は前年同期比2.7パーセント増の503億5,700万円、営業利益は前年同期比7パーセント減の57億300万円、経常利益は前年同期比5.9パーセント減の58億7,600万円となりました。
親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期比5.5パーセント減の39億8,500万円となっています。
4.チャネル別売上高(個別)
チャネル別売上高です。一般は前年同期比5.2パーセント減の67億4,200万円、インターネットは前年同期比1.4パーセント増の178億2,700万円となりました。
法人は前年同期比5.1パーセント増の249億5,500万円となり、そのうち事業法人は前年同期比8.1パーセント増の96億1,100万円と増加しています。その他は前年同期比34.2パーセント増の8億3,100万円となりました。
5.個別経常利益の要因分析
個別経常利益の変動要因についてご説明します。増益要因は、単価上昇により14億8,400万円増となっています。
減少要因は、売上原価のうち労務費が売上比で減少しているものの、傭車費の増加などにより13億1,100万円減となりました。販管費は人件費の費用が増加したものの、売上比率については変わらず推移しています。
6.件数・単価の動向
件数と単価の動向です。2024年問題の残業時間の減少を受け、作業件数の取り組みが弱くなったことで、件数は前年同期比0.1パーセント減の40万8,918件となりました。単価については、原価高騰の価格反映や運賃改定により、前年同期比3.2パーセント増の12万1,114円となりました。
7.件数・単価の動向
価格帯別の件数割合についてご説明します。パートナー件数は増加したものの、大型案件やVIP案件などにも注力したことから、低単価層の割合が減少し、高単価層の割合が増加しました。
8.傭車利用の状況と取組
傭車費用についてです。2024年問題の影響を受けて件数・単価ともに増加し、前期比24パーセント増となりました。下期はグループ会社を使用することで内製化を図るとともに、引き続き傭車費のコントロールを行っていきます。
9.連結貸借対照表
連結貸借対照表です。現金及び預金が14億1,900万円減少し、281億2,000万円となりました。純資産は28億9,100万円増加し、922億300万円となりました。有利子負債の残高は前期末から3,800万円増加し、49億8,700万円となりました。
10.連結キャッシュフロー計算書
連結キャッシュフロー計算書についてご説明します。営業活動によるキャッシュフローは、前期比で7億300万円減少しました。
投資活動によるキャッシュフローは、前期比で1,400万円増加しました。設備投資の主な内訳は、名古屋市北区の土地・建物の6億9,000万円、大阪市福島区の建物の6億2,000万円などです。
財務活動によるキャッシュフローはマイナスで、現金及び現金同等物の期末残高は2億2,700万円の増加となりました。
11.業界を取り巻く環境~業績の推移~
山野:当社の成長戦略についてご説明します。前期に、引越業界で初めて売上高1,000億円を達成しました。これにより、当社社長の田島哲康が長年言っていた「まず1,000億円まで、引越でがんばりたい」という1つのハードルを超えたことになります。
2027年3月期の売上高は、スライド右上に「1,100億円」と示していますが、さらに加速していきたいと考えています。その中で、スライドに記載の他社グラフを踏まえても、当社の伸びるスピードについて来ることのできる会社は、かなり少なくなっていくと考えています。
その理由は、今後の成長に関してです。今までの成長要因は、基本的に法人チャネルとなっていますが、最終的にはBtoCを考えています。今まで「売上高1,000億円を達成するまでは、まずは引越で」ということでずっと事業を行っていましたが、その目標は達成したため、今後はBtoBだけではなくBtoGにもかなり力を入れていきたいです。
そのための下準備も、今までずっと行ってきました。今後はその目標を目指し、引越市場の中でも今まで取り組んでいなかった、新たな市場に進んでいきたいと考えています。
そして商品販売については、新生活応援グループを目指します。今までは引越の販売を通して、それに付随するエアコンの移設や、その時に要望があるテレビ・冷蔵庫・洗濯機などを販売していました。しかし、それ以外にもこのタイミングで売れるものがたくさんありますので、暮らしに必要な商品をさらに販売していきたいと考えています。
先ほどお話しした大型移転に関してです。実は当社は、10月に行われた衆議院選挙をかなりお手伝いしました。投票所の設営を含め、最近は行政の引越をご依頼いただけるようになってきています。こちらについては、後ほどあらためてご説明します。
ムービンググループについてはパートナー戦略を行っていますが、受注に対してサカイ引越センターが実行できる部分はまだかなり少ないです。サカイ引越センターとは異なるブランドでさらに販売できないかと考え、パートナー戦略だけでなく、それ以外についても伸ばしていきたいと考えています。
基軸は引越ですが、その周りの部分をどんどん伸ばし、さらに加速させていきます。
12.業界を取り巻く環境と2024年問題への対応
業界を取り巻く環境についてです。移動者数は横ばい程度ですが、新設の住宅着工戸数自体は微減しています。そして、運送業界の倒産件数は過去最高になっており、前期比でもかなり増えてきています。この理由としては、やはり後継者問題や人材確保の問題が大きいです。
スライド右上をご覧ください。厚生労働省の資料によると、運送業界の労働時間は規制がかかったことで減少しており、かなり厳しい状況です。その中で当社ができるのは、やはり人材を集めることです。
現状として、前期同様に新卒採用には非常に力を入れており、前期よりも少し多い状況で推移しています。大学生は175名から内定承諾をいただいていますが、今後もう少し増えると思います。承諾破棄の方もいるかもしれませんが、とりあえず今はその程度の母集団が集まっているところです。
高校生に関しては、将来的に運転手になっていただける方が、今のところ140名採用見込みです。これから2次募集を含めてもう少し増やしていくところですが、まずはサカイ引越センターに人材を集める力があるということが、かなり大きな源泉ではないかと考えています。
今までは引越事業のみでしたので、高校生や大学生の親御さんから「もう、やめとき。40歳になった時どうするの?」と言われるような様子でした。しかし、今はグループ戦略でグループ会社を増やしているため、「年齢を重ねた方もグループで働くことができます」と、学校の教員へも含めてご説明しています。
そのため最近は大変受けが良くなってきており、人材を集めることができるようになってきました。
生産性の向上については、取締役会で行ってきた以上に、資本政策委員会および戦略投資委員会で、深い実現性を持った取り組みに対する投資をしていきます。
今後は、人材の採用や生産性向上、そして引越にどれほど付加価値を提供できるかについて取り組みます。この取り組みができるからこそ、当社はまだまだ伸びていけるのではないかと考えています。
13.サカイの成長戦略
成長戦略の5つの指針と、大方針である「価値の訴求」についてご説明します。
14.価値の訴求~世界一の新生活応援グループを目指して~
価値の訴求については、以前からお伝えしているとおり、世界一の新生活応援グループを目指しています。スライド左側のグラフにある引越の裸単価は、運賃改定を含めて価格転嫁を進めているため、それなりに伸ばせています。
また最近は、さまざまなご提案をしているため付帯単価も増えています。スライド右側に記載しているように、やはり今後は引越だけではなく、付加価値の深掘りに注力しなければいけません。どれほど「引越+付加価値」をお客さまに提供できるかが、当社の大きな取り組みになっています。
付加価値については、引越時に薄くいろいろなサービス・商品を提供します。高品質な引越に加えて周辺内容にもご満足いただければ、より高満足を得られます。そうすることで、シェアや価格競争に対して、さらに当社が勝っていけるということです。
これは今、「日本のすべての引越需要を取っていく」という大きな方針のもとで進めています。さまざまな付帯サービスを行うためには、引越需要をさらに取っていかなければ、多くのお客さまにサービスを提供できません。これに取り組むことで、プライスリーダーになっていけるということです。
今は環境的にもかなり価格決定権を取りやすくなり、昔のような泥仕合をする必要性がなくなってきています。適正な単価をお客さまに提案することで、待遇改善やDX、圧倒的な雇用、グループ戦略などに取り組んでいくことができます。
それを資本政策委員会および戦略投資委員会で議論し、付加価値を起爆剤としてループを回すことで、さらなる飛躍をしていければと考えています。
16.共創の経営~パートナー企業の概要、引越品質の確保~
共創の経営についてご説明します。パートナー戦略として、パートナーをいきなり増やしたことにより、品質がどんどん落ちていきました。そこで昨年は、品質を維持するために再度教育し直すべく、パートナーの増加を止めました。
今年は、関東圏で順調にパートナーを増やしています。昨年の反省を踏まえ、教育として引き続き毎月1回は当社の講師陣もしくはマイスターがパートナーに訪問して技術を教えているため、今のところ品質は問題ありません。
今後の戦略についてです。パートナーも同様に、以前は同業他社の買収もしくは協業はNGとしていましたが、現在はウェルカムです。当社は受注を集める力がかなり大きいものの、こなす力がないため、パートナーや引越事業者と一緒になって行うことですべての引越に携わっていきたいと思っています。
当社がパートナー企業を集めてムービンググループを結成し、一緒になってサカイ引越センターの引越市場内のシェアをどんどん上げていきたいです。その一歩として、パートナー戦略があります。今後は引越事業者の買収を含め、さらに積極的に進めていきたいと考えています。
18.人材活用~働きがいの創出~
人材活用についてご説明します。今年6月に発表されたエンゲージメントスコアは、0.3ポイント上昇しました。
特に最近は女性従業員が増えてきている中で、従来のインフラとして、支社の社屋がかなり偏った作りになっています。そのような部分も改善しつつ、積極的にさまざまなアプローチをしていかなければいけないと考えています。
当然ながら、インターネットの回線速度も含めて今はいろいろと変えています。運送業者という特性上、地方のインフラ条件が悪いところにも社屋があるため、なかなか苦労していますが、今は改善しつつあります。
スライド右下に社員会の写真を載せていますが、10月に全国から従業員代表が集まりました。毎年2回の意見交換会という取り組みは、もう30年ほど行っています。支社ごとに問題をエリアに上げ、最終的には経営者と社員会が議論をします。その議論は前日からの議論も含めて、約2日間しっかりと本社で行います。
従業員だけの声を拾っていくのは難しいことですので、当社は社員会を大事にしています。現在の社員会長は中堅の女性社員ですが、経営陣と一緒に歯車を回すための1つの組織として、社員会にはかなり大きく機能してもらっています。
このような社員会活動を踏まえ、今後も社員と一緒に歯車を回して会社を前進させたいと思っています。そのためのエンゲージメントを可視化したものがエンゲージメントスコアだと考えており、今後もでこぼこはあるものの、基本的には上がっていくことを目指しています。そして、2027年3月期にはAランクに到達したいと思います。
20.生産性の向上
生産性の向上についてです。やはり件数が減っているため生産性も若干悪くなっているのですが、最終的には戻していけると思っています。
特に今は、一般事務員の比率がかなり下がっています。DXなどの自動化の仕組みが入ってきているからです。例えば今までは、エアコンの移設などのお客さまからのいろいろな発注業務を人が行っていましたが、今は全部がコンピューターの自動発注に変わりつつあります。発注業務は、人の手を介することなくどんどんといろいろな企業に振り分けさせてもらっているところです。
その反面で、管理職は増えているのではないかというご指摘があるかもしれません。実は、コロナ禍において、ベテランドライバーがかなり辞めました。新型コロナウイルスによって休むベテランドライバーが多く、絶えずアルバイトや新人と一緒に回していく必要が出てくると、疲労面でベテランドライバーの負担が大きくなりました。
コロナ禍においてこのような状況がありましたので、管理職を多めに配置することにしたということです。それによって、これまで教育などのフォローを入れてくれていた現業職の代わりに、管理職が現場にフォローを入れるようになっています。
昨年から今年にかけて管理職を増やしているのですが、ある程度現場が育てば、管理職にはまた違う職種でがんばってもらえると思っています。一過性とはいえ、今はこのような部分が増えている状況です。
今後も委員会を通しながらDXを含めてかなりの投資を行い、配車効率のさらなる向上などを目指したいと思っています。そのようなことから、今は一過性とはいえ件数が減っている可能性がありますが、将来的には向上させていきたいと思っています。
22.シェア拡大~法人チャネル~
シェア拡大についてです。半期のため正確なシェアの数字が出せませんので、法人需要を含めた取り組みをご説明します。
現在は、大きな引越を受注する機会が増えています。これまでは荷物や書類を運ぶような受注はあったものの、大学全体の引越などを受注することは難しい状況でした。なぜなら、化学実験器具などの特殊な装置が大学には多く、なかなか対応できなかったからです。
最近は、そのようなことについてアドバイスしてもらえる会社とも協定を結んでいます。スライドに示した名古屋大学も、大きな什器を含めての引越を受注できました。また、和歌山県御坊市役所やテレビ大阪の引越も受注できており、移転による大きな引越についての問い合わせがある状況です。
今までは支店で受けてきたBtoB案件よりも、もっと大きな案件を法人活動として積極的に受けていきます。
加えて、BtoG案件にも取り組んでいきます。約1,000億円規模の入札がけっこうあるのですが、今までは取り組んでいませんでした。しかし今は法人部門に対応する部門を立ち上げましたので、BtoGにも注力します。
先ほどお話しした選挙については各地方選を含めて度々行われますが、最近は投票所や確定申告会場の設営など、行政イベントの会場設営も受注しています。
日本の引越をすべて行っていく目標に向かって、今後はこのようなことにも積極的に取り組んでいきます。市場的に見ると、オフィス移転は1,000億円程度の規模、行政の入札も1,000億円以上の規模があると見ていますので、積極的に取り組んでいきたいです。
このようにして、日本の引越はBtoC以外のところでもどんどん積極的に行っていきます。
24.サカイの成長戦略~グループ戦略~
グループ戦略についてです。あまりご説明してこなかったのですが、実は新世紀サービスという物販を行うグループ会社が、単独で半期に35億円ほど売り上げています。現在売っている商品のうち、エアコンの販売台数は年間約4万5,000台で、だいたい当社が買っています。冷蔵庫下のマットも販売しています。
また当社は、引越のタイミングで作業員が害虫防除プログラムを施行しています。9月から取り組んでいますが、かなり好評です。やはり引越のタイミングでいろいろなことをご提案できるのは、先ほどお伝えした付加価値につながっていきます。この付加価値を将来へまだまだつなげていけると思っていますので、今後も注力していきます。
加えて今は、マイページを作っています。こちらはお客さまとのつながりを将来も確保するために、引越を発注されるお客さまのトータルサポートに当たるページとなっています。お客さまごとに作成しており、12月からサービスを開始します。
このつながりにより、引越以外のタイミングでもお客さまにアプローチしていきます。これらの取り組みを新世紀サービスともともに行っています。
25.グループ戦略~電気工事・リユース・クリーンサービス~
電気工事事業についてです。今はサカイ引越センター以外の家電メーカーからかなりの直接委託を受けており、エアコンの設置を含めて順調に売上を伸ばしています。グラフで示したとおり、外販では2024年3月期の売上の8割を上期で売り上げていますので、こちらは今後も進めていきます。また、EVの電気工事の設置などもメーカーから多くの依頼を受けています。
リユース事業については、今期以降かなり力を入れたいと思っています。引越のタイミングでのリユースは当社との相性がいいと見ています。社会インフラを担っている会社として環境問題に鑑みると、やはりリユース事業を手がけていく必要があると考えました。
好調には推移しているものの規模感が小さいことから、もっと大きいことに取り組みたいと考えるとともに、もっと大きな投資が必要だと思っています。
リユース事業との相性は大変良いと思っていますので、自前でやるよりも、どこかとアライアンスを組みながら一気に拡大していきたいと考えています。今後も、全国規模の会社とアライアンスを組む方向で、さらに何か社会に貢献できる活動がないかと考えながら取り組んでいきます。
クリーンサービス事業についてです。本来はBtoCに取り組みたいのですが、人の問題もあるため、当面はBtoBに粛々と取り組んでいきます。
26.今後のグループ戦略
積極的なM&Aを引き続き実施し、世界一の新生活応援グループを目指します。そのためにも、モットーである「まごころこめておつきあい」を堅持します。これは創業者の言葉ですが、サカイ引越センターの従業員は「まごころこめておつきあい」という言葉をずっと胸に刻んで仕事をしています。
その中で、メインビジョンを「世界一の新生活応援グループ」と掲げ、それを支えるミッションが「すべての引越に携わる」ことです。このミッションは「世界一を目指すのであれば、まず日本の引越にいろいろなかたちですべて携わっていこう」という考えによるものです。
そのお客さまの引越そのものは受注できなくても、何か商品を販売するなど、どのようなかたちでもかまいませんので「すべて」の引越に携わっていきたいというところが、大きなミッションの1つ目です。
グループ戦略としては、引越をされるすべてのみなさまに、引越のタイミングもしくはその前後のタイミングで、いろいろなサービスを提供するとともに付加価値を提供していきたい考えです。
これを一言で総評したのが「暮らしの中にもっと"SAKAI"を!」というキャッチフレーズです。従来は引越をするタイミングでサカイ引越センターを身近に感じてもらってきましたが、これからはもっと身近に、暮らしの中でもサカイを感じてもらおうという考えから、このキャッチフレーズをつけました。
引越にプラスして、先ほどお話ししたいろいろなサービスをお客さまに販売すること、大型移転や自治体の引越など、今まで取り組んでこなかった市場にも積極的に展開していくこと、ムービンググループを作りシェアを取っていくこと、この3つを実行することにより、スライド右下に示したカテゴリをさらに広げていきたいと考えています。
そして2027年3月期には、単純合算になりますが、グループで1,400億円の売上を目指します。将来変わるかもしれませんが、今は引越事業単体での経常利益率目標を12パーセントとしています。
これらを踏まえて、今後も世界一の新生活応援グループを目指していきたいと思っていますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
27.連結業績予想
多田:業績予想についてです。当初の予想から修正はありません。
28.個別業績予想
こちらのスライドについても修正はありませんので、後ほどご覧いただければと思います。
29.財務戦略と投資方針
財務戦略と投資方針についても、変わらず増配と投資政策を進めていきます。企業価値を高めるために、グループの成長戦略としてM&Aにも積極的に投資していきたいと考えています。
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