『豪ドル/円は12月末にかけて上昇しやすい』とのアノマリー
【注目ポイント】「100.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①-1】同レートで下値サポートなら、「102.350円」付近までの上昇
【シナリオ①-2】さらに「102.350円」超えなら、「104.800円」付近までの上値切り上げも
【シナリオ②】「100.000円」割れなら、「98.000円」付近までの下落を想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「98.000~102.350円」
【季節的なアノマリー】『豪ドル/円は12月末にかけて上昇しやすい』
特に10月以降における米10年債金利の上昇もあり、米ドルインデックス(指数)がブル(強気)主体の相場付きに。米ドルが主要通貨に対して強含む動きとなる中、「米ドル/円の上昇」と「豪ドル/米ドルの下落」の力学関係が相まって、その掛け算通貨である豪ドル/円が方向感の乏しい相場展開となる状況が続いています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日および200日MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態であること、3) ローソク足が青色雲の中で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)でADX・+DI・-DIが収斂している(上図青色点線丸印)ことから、現在の豪ドル/円・日足チャートは、上下圧力が拮抗するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
その他では、BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが収縮する状態である“スクイーズ”が継続していることを合わせると、現在の豪ドル/円は方向感を模索する相場付きとなる中、相場の力を溜め込んでいる状態と捉えて良いでしょう。
上記を踏まえた上での注目ポイントは・・・BB・-2σラインをメドとし、心理的な節目でもある「100.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①-1]
この先において、「100.000円」で下値サポートされた場合は、「(下値支持線での)足場固め」→「小反発フロー」となりそうです。当該ケースでは、「BB・+2σライン(≒101.720円)超え」や「SARの買いサインへの転換」、また「+DI>-DIへの変化」なども伴いながら、今月7日に付けた直近高値水準である「102.350円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇となりそうです。
[シナリオ①-2]
さらに「102.350円」超えとなった場合は、「三角保ち合いの上放れ」→「もう一段の上値トライ」へのトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転”」や「(BB・±2σラインの拡張である)エクスパンションへの変化」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、直近高安レート(高値:109.329円[7/11]、安値:90.166円[8/5])を基準とするFR(フィボナッチ・リトレースメント)・76.4%水準である「104.800円」(上図Ⓐ’桃色線)付近までの上値切り上げも視野に入りそうです。
[シナリオ②]
一方で、「100.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「下値支持線割れ」→「もう一段の下値追い」となる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンの“逆転”」や「下降バンドウォークの示現」、また「-DI>+DIへの変化」なども伴いながら、青色雲の下辺である先行2スパンをメドとする「98.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落(=刹那的なフローも含む)を想定すべきでしょう。ただし、現状では青色雲が分厚い形状(=強い下値支持帯)となっていることから、下値余地は限定的となりそうです。
上記シナリオ①(1、2)および②を概括すると、現下の豪ドル/円は方向感模索の相場付きが続く中、当面※は「98.000~102.350円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
合わせて、上記[シナリオ①-2]で記載した「104.800円」付近までの上昇についても、材料や動意次第では十分あり得そうです。特に、シーズナル・サイクル(季節的な相場循環、アノマリー)の観点では、『豪ドル/円は12月末にかけて上昇しやすい』との過去データや傾向・パターンがあるため、時季的には「買い場探し」の時間帯(局面)と捉えて良いでしょう。