【QAあり】GLM、新中計を発表 土地企画事業・再生事業を新たな柱に、2027年12月期売上高1,000億円、経常利益100億円を目指す
2024年12月期 第3四半期決算ハイライト
金大仲氏(以下、金):株式会社グローバル・リンク・マネジメント代表取締役社長の金大仲です。2024年12月期第3四半期決算及びグループ方針、新たな中期経営計画についてご説明します。よろしくお願いします。
2024年12月期第3四半期の決算ハイライトです。第3四半期の売上高は334億7,300万円、経常利益は16億2,700万円です。開発事業において、レジデンスの販売時期見直しにより第3四半期の売上高が開示していた四半期の業績見通しに対し下振れしたものの、社内計画に対して概ね計画どおりとなりました。
今期に販売を予定していた新築レジデンスの契約は、第4四半期にすべて完了しており、中期経営計画最終年度の着地予想の確度が高まったため、業績予想の修正を行いました。
売上高は600億円から640億円、経常利益は50億円を据え置き、当期純利益は32億円から33億5,000万円へ修正しています。1株あたり配当金については、エクイティ投資の進捗を考慮し、配当性向30パーセントを基本方針に、100円から130円に増配しています。
土地企画事業及び再生事業についても、販売に関する売買契約が順調に進み、第4四半期で利益貢献を大きく見込んでいます。
土地企画事業は第3四半期までの累計で10件の決済を完了しており、第3四半期の決算開示までに16件の販売に関する売買契約を締結しています。
再生事業において第3四半期までに決済が完了した物件はありませんが、第3四半期の決算開示までに3棟の販売に関する売買契約を締結しました。
DX事業領域への先行投資により、2億円程度の費用が先行しましたが、通期の業績達成に向けては問題ない水準であると認識しています。
2040年12月期に、経常利益1,000億円超を目指すためのグループ方針である「GLM1000」と、その達成に向けた2025年中期経営計画である「GLM100」を策定し、詳細は別途開示しました。
2025年中期経営計画のサマリーは、後ほどご説明します。
業績推移
業績推移です。第3四半期は売上高334億7,300万円、経常利益は16億2,700万円となりました。DX事業への先行投資と新築レジデンスの販売予定時期に見直しがあったため、前年同期比では増収減益となりましたが、通期の業績予想に対しては影響はない見込みです。
レジデンス販売戸数について、第3四半期までに決済が完了した戸数は累計781戸と、計画の1,300戸に対し60.1パーセントの進捗率でしたが、10月末時点で累計1,213戸の販売に関する売買契約を締結済みです。これは、計画に対し93.3パーセントの進捗となっており、業績予想の達成に向けて順調に推移しています。
費用構造・四半期推移
費用構造についてです。次期中期経営計画に向けた人材採用の強化やAtPeak社の立ち上げに伴い、2024年12月期第2四半期に比べて人件費及びその他費用が増加しています。通期では、引き続き売上高の成長に対して、販管費の増加を抑制する方針です。
第3四半期の取り組み・「環境配慮型建築」物件の資産価値向上
「環境配慮型建築」の取り組みの詳細です。ZEH・BELSは、一次エネルギー消費量が削減できる建築認証です。2024年12月期第3四半期までに40棟、第3四半期は新たに5棟の環境認証を取得しました。また、すでに認証を取得した4棟が第3四半期に竣工しています。
当社が開発する物件については、引き続き環境認証を100パーセント取得する見通しです。今後も「環境配慮型建築」を推し進めることで、資産価値の向上及びサステナブルな社会の実現を目指し、経営計画の達成、企業理念の実現に取り組んでいきます。
第3四半期の取り組み・オフバランス開発の推進 開発効率向上
オフバランス開発の進捗についてです。仕入れ活動は順調に進捗し、2024年12月期は第3四半期までの累計で950戸の仕入となりました。そのうち約40パーセントは、パートナーとともにオフバランス開発を始めており、開発効率の向上に貢献しています。
販売タイミングの柔軟化にも対応できるよう、オンバランス仕入れの拡大も進めています。来期以降のさらなる成長に向けて、引き続き仕入れ戸数を積み上げていきます。
仕入・販売状況(新築レジデンスパイプライン)
新築レジデンスパイプラインの仕入及び販売状況についてです。毎四半期ごとに更新しており、赤字は前回の開示から新規追加された物件を示しています。
スライドの濃い緑色の背景は、第3四半期までに販売に関する売買契約を締結済みの物件、薄い緑色の背景は、第4四半期に契約を締結した物件です。灰色の背景は、第4四半期に土地での販売を行ったプロジェクトですので、通期決算説明資料においてはパイプラインから削除する予定です。
2024年12月期の新築レジデンスパイプラインの販売状況については、29棟1,144戸すべての販売に関する売買契約が締結済みとなっています。スライドでは、仕入・販売状況及び環境認証への対応状況が一目でわかりますので、引き続き注目してご覧いただきたいと思います。
第3四半期の取り組み・土地企画事業(旧用地仕入事業)
土地企画事業についてです。土地の企画段階で販売した案件として、第3四半期に5件、第3四半期までの累計で10件の決済を完了しています。第3四半期の決算開示時点では、累計16件の販売に関する売買契約を締結しています。
今後の販売戦略においてお伝えしたとおり、収益性に加えて資本効率等も含め、柔軟に販売の意思決定を実施していくことで、建築コスト及び金利上昇リスクを低減しながら、中長期的に成長していきたいと考えています。
第3四半期の取り組み・再生事業(旧ビルディング事業)
再生事業についてです。市場より低い価格で評価されている物件を選定し、当社で環境対応、また労働環境改善等のバリューアップを行った後、市場の相場価格で再販しています。また、バリューアップ期間における賃料はストック収益として貢献しています。
今期は累計で7棟の仕入れに関する売買契約を締結しており、そのうち3棟は第3四半期の決算開示までに販売に関する売買契約を締結しました。
今期の売上高構成比及び資金効率に関する考え方
売上高構成比及び資金効率に関する考え方についてです。2024年12月期は、収益化までの期間が半年から1年である土地企画事業や再生事業による収益貢献割合を高めることで、資金効率を高める施策を推進しています。
レジデンスの開発用地を土地企画段階での販売に切り替えた場合、将来のパイプラインが減少する可能性がありますが、現状は減少分を仕入れで補填することが可能であると認識しています。
2025年中期経営計画においても、資金効率や期間あたりの収益性を意識しながら売上構成比を策定しています。
2024年12月期 通期業績予想
業績予想です。売上高及び当期純利益を上方修正しました。2023年12月期と比較し、売上高は412億円から640億円、当期純利益は28億円から33億円への成長を見込んでいます。建築費の高騰等の環境変化を背景に、中期経営計画目標である経常利益50億円の達成に向けて、販売の構成・手法を修正した結果、売上高は640億円への上方修正となりました。
当期純利益は、一部固定資産の売却により特別利益を計上したため、33億5,000万円と上方修正をしています。
開発事業・土地企画事業・再生事業の契約・決済状況について
開発事業・土地企画事業・再生事業の契約・決済状況です。
開発事業においては、通期の新築レジデンス販売パイプラインである29棟1,144戸すべての売買契約を締結済みです。
土地企画事業においては、期初に見込んでいた15件の販売に関する売買契約を超過したため、計画を18件に変更しました。第3四半期までに累計10件の決済を完了しており、第3四半期の決算開示までに16件の販売に関する売買契約を締結しています。
再生事業においては、期初に見込んでいた3棟の販売から4棟に計画を変更しています。第3四半期決算開示までに3棟の販売に関する売却を締結しており、第4四半期に決済予定です。残る1棟についても、販売に向けた商談を進めています。
売上が計上される決算予定時期に表しているとおり、今期はどの事業においても、決算予定時期が第4四半期に大きく偏重しています。
株主還元
株主還元についてです。業績予想とエクイティ投資状況を考慮し、配当金を100円から130円に引き上げました。配当性向は、2025年中期経営計画においても30パーセントとする方針です。
グループ理念及びカンパニー理念
新たに制定したGLMグループ理念とグループ方針についてご説明します。
スライドは、新たに制定した当社グループ理念のミッション・ビジョン・バリューです。不動産事業領域に加えて、DX事業領域の子会社をグループ会社として加えた我々が、今後どのような企業成長を目指していくのか、タウンホールミーティング等を行い経営陣と全社員で議論を重ねて作成したものになっています。
グループミッションは「投資により未来価値を創出する」とし、人と事業に積極的な投資を行い、豊かな未来を実現します。
グループビジョンは「世界をリードするサステナブルな企業グループへ」、
グループバリューは「No.1・挑戦・共創」としました。
新たなグループ理念のもとで持続的な企業成長をすべく、経営に取り組んでいきます。
グループ方針 GLM1000 世界をリードするサステナブルな企業グループへ
ミッション・ビジョンの実現を目指し、2040年に向けてグループ方針「GLM1000」を策定しました。「1000」は経常利益の目標額です。当社は、2017年の上場から2024年にかけて、年平均成長率25パーセントを維持する見込みです。中長期的にも、年平均成長率25パーセントを維持・継続できるよう取り組んでいきます。
不動産事業領域
不動産事業領域についてです。仕入力・企画力を活かし、土地企画事業・開発事業・再生事業により付加価値を向上させ、レジデンス・オフィス・ホテル・ロジスティクス等、さまざまなアセットタイプを国内外の機関投資家・事業会社・資産家に提供します。
DX事業領域
DX事業領域についてです。2023年より同領域を担う子会社としてAtPeak社を設立しました。AtPeak社では、さまざまなビジネス業界における多様なデータをもとに、AIを活用して専門的な分析・解析を行います。
一般に取得できるオープンデータや、業界特有のクローズドデータ、個社のディープデータ等を用いて、新たなビジネスを創出すると同時に、業務のDXを実現します。
不動産事業領域×DX事業領域のシナジー 土地企画事業・開発事業・再生事業の業務DX化
AP-AIの具体的な構想として、「不動産事業×DX」のシナジーについて簡単にご説明します。不動産に関するオープンデータ、不動産業界特有のクローズドデータ、GLMが保有している自社のみのディープデータをAP-AIが学習することで、土地企画・開発・再生事業において、省人化、効率化、正確性を高めることができ、不動産事業領域への大幅な生産性向上の貢献を見込んでいます。
不動産事業領域の拡大と年間取引高
不動産事業領域に関する年間投資額の市場データです。不動産投資市場全体としては、年間3兆4,000億円の取引がされており、それぞれのアセットについても、大きなマーケットを有していることがわかります。
現在、レジデンスでは10パーセント近くのシェアを取っていますので、今後はさまざまなアセットを増やし、売上・利益を成長させていきたいと考えています。
土地企画事業において、土地を仕入れるきっかけの多くは相続になっています。東京では、年間8万件の相続による土地の移転登記が発生しており、そこから約10パーセントが1年以内に売却されているというデータがあります。
このような市場環境から、グループ方針「GLM1000」の実現は可能であると考えています。
前中計振り返り
新たな中期経営計画である「GLM100」についてご説明します。スライドは、2022年に中期経営計画を公表した当時の売上高等の各指標の推移です。
KGIで掲げた売上高と経常利益については、いずれも計画を超過する見込みであり、高い成長率を実現する見通しです。利益に合わせて配当も大きな成長を実現する予定で、公表した計画を上回る進捗となっています。
2025年中期経営計画「GLM100」財務目標(2027年12月期KGI)
2025年中期経営計画「GLM100」のKGIです。2027年12月期において、売上高1,000億円、売上総利益170億円、経常利益100億円をKGIとして設定しました。スライドに記載のとおり、開発・土地企画・再生事業の内訳を目標として掲げ、KGIの達成を目指します。
2025年中期経営計画「GLM100」財務目標(2027年12月期KPI)
KGI達成に向けたKPIです。事業ごとにKPIを設定し、今後の四半期ごとの決算説明資料にて進捗状況を公表する予定です。財務関連については安全性・効率性及び株主還元を設定しました。人的資本関連は、1人あたりの生産性を重視し、効率性から社員還元を重要視した設定となっています。詳しくは後ほどご説明します。
2025年中期経営計画「GLM100」PL及び主要指標
2025年中期経営計画におけるP/Lです。既存の開発事業に加え、土地企画事業・再生事業を成長ドライバーとして、売上高1,000億円、売上総利益170億円、経常利益100億円を目指します。土地企画事業・再生事業により、売上総利益率を向上させていくことが大きなポイントとなります。
2025年中期経営計画「GLM100」経営戦略
「GLM100」の具体的な経営戦略です。不動産事業領域においては、従来のESGレジデンスを中心とした開発事業をベースに、土地企画事業・再生事業を成長ドライバーとして成長させ、25パーセントを超える利益成長を実現したいと考えています。
DX事業について、「GLM100」では業績に織り込んでいませんが、不動産事業領域の生産性向上に大きく貢献する計画となっています。今後は、さまざまな業界の顧客を増やしながら、DX事業による収益を増やすことで、2025年中期経営計画の柱となる事業として成長させたいと考えています。
GLM100 不動産事業領域-開発事業 展開を継続
不動産事業領域の3つの事業についてご説明します。まずは、開発事業です。2022年中期経営計画の戦略を基本としつつ、ESGレジデンスによる高付加価値化、オフバランス開発、1棟バルク販売による効率化を行います。また、ホテル・商業テナントビル等、新たなアセットの拡大を図ります。さらにAP-AIの活用により、企画・開発の営業活動の効率化にも取り組みます。
GLM100 不動産事業領域-土地企画事業 成長ドライバー
次に、土地企画事業です。仕入担当者を増やすことで、土地の仕入・販売件数を増やす戦略を進めます。こちらもAP-AIを活用し、相続関連の需要などのデータによりアプローチの効率化を進め、仕入れ販売の拡大を目指します。
GLM100 不動産事業領域-再生事業 成長ドライバー
最後に、再生事業です。今期、初めての仕入れから販売までを経験し、大きな成長を見込むことができる事業だと感じています。再生事業においても、仕入担当者を増やすとともに、AP-AIによるデータを活用し、仕入れ、販売の効率化を進めます。
GLM100 売上総利益率及びコスト見通し
以上3つの事業について、戦略的かつ積極的に投資を行い、売上構成比を変化させ、全社の売上総利益率の向上を進めていきます。販管費に関しては、人件費を中心に費用増を見込んでいますが、1人あたりの生産性向上により、売上対比では販管費を抑制します。
人的資本経営における人材戦略
KPIスライドにて人的資本関連項目としてご説明した、人的資本経営に向けた人材戦略についてです。当社グループは、グループミッションにも掲げたとおり、人と事業への投資を積極的に行います。
さまざまな施策を通じて、1人あたりの売上/利益を引き上げ、平均給与業界No.1を目指します。内容については、ぜひご一読いただけますと幸いです。
ストック・オプションの発行
スライドは、中期経営計画には載せていないもので、11月14日16時に開示したストック・オプション発行について記載しています。開示内容の抜粋ですが、ポイントとしては、経営陣・従業員、全社員にストック・オプションを発行しています。経営陣・従業員の企業価値向上に対するインセンティブの強化を目的としています。
中期経営計画の達成と時価総額の基準達成を行使条件とすることで、株主のみなさまと同じ目線で企業価値向上に全社員で取り組む決意を示しています。
GLM100 財務戦略
KPIスライドにて財務関連項目としてご説明した財務戦略についてです。配当性向は、エクイティ投資の状況を問わず、30パーセントを基本とする方針に変更します。利益成長を通じた配当成長をしっかりと目指します。
株主還元の強化に取り組みつつ、純資産をしっかりと積み上げ、自己資本比率30パーセント以上を確保し、かつ、ROE25パーセント以上を維持して効率性を落とすことがないよう、戦略的に財務施策を進めていきたいと考えています。
流通株式時価総額に関する認識
流通株式時価総額についてです。当社はプライム市場を選択していますが、現在、流通株式時価総額が上場維持基準に達していません。ただし、基準達成に向けた取り組みは着実に結果につながっていることを実感しています。
今期の業績をしっかりと達成すること、2025年中期経営計画「GLM100」を着実に達成していくこと、IR活動の充実などさまざまな活動にも注力することで、2025年末までにプライム市場上場維持基準を達成します。
グループ方針である「GLM1000」への達成に向け、持続的な利益成長を果たし、株主のみなさまへの還元を実現していきたいと考えています。
以上で、2024年12月期第3四半期の決算報告及びグループ方針「GLM1000」、2025年中期経営計画「GLM100」のご説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:「GLM100」における新たな資金調達の必要性について
司会者:「2025年中期経営計画『GLM100』の達成に向けて、新たな資金調達の必要性はどの程度あるのでしょうか?」というご質問です。
金:今回の2022年中期経営計画および次回の2025年中期経営計画「GLM100」に関して、新たな資金調達は考えていません。基本的に、デットでの資金調達を効率的に活用することによって、売上高1,000億円、経常利益100億円という計画を達成できると考えています。
質疑応答:今期の利益率低下要因について
司会者:「中期経営計画には、土地企画事業や再生事業によって収益性を改善すると記載があります。一方で、今期の決算の中では1棟レジデンスの開発から、土地企画事業及び再生事業へ販売構成の切り替えを行った結果として、利益率はやや低下しているように感じます。その要因を教えてください」というご質問です。
金:今期決算において、細かい利益率を開示していないため、ミスリードされているかもしれません。土地企画事業及び再生事業に関しては、1棟レジデンス開発よりも売上総利益率は高く推移しています。
最も大きな要因は、建築費の高騰です。これによる粗利率の低下が、レジデンス開発で想定していた以上に大きく影響しています。そのため、土地企画事業及び再生事業を開始したことによって、粗利率が若干改善しているというのが実態です。
質疑応答:経常利益の進捗率が芳しくない要因について
司会者:「第3四半期時点で経常利益の進捗率が芳しくない主な要因について教えてください。また、このタイミングで上方修正と増配をした理由をもう一度教えてください」というご質問です。
金:第3四半期だけ見ると、増収減益といった着地で、投資家のみなさまが見れば、非常に不安になる、「大丈夫なのか」と思われる数字かと思います。
そのような着地となった理由としては、期初からお話ししていた以上に、第4四半期偏重の傾向となり、新築レジデンス販売パイプラインの販売時期見直しが生じたためです。戸数の多い物件や利益額の大きい新築レジデンス、オフィスビル、利益額の大きい土地が、第4四半期に決済予定となりました。
そのため、第3四半期は増収減益のかたちになっており、不安に見える数字かと思います。しかし、第3四半期の決算開示のタイミングでほぼ通期の着地見通しが立ったため、売上高の増収、最終利益の増益、それに伴う増配の業績予想修正を開示しました。
質疑応答:「GLM1000」で経常利益1,000億円という目標を掲げた意図について
司会者:「市場環境などの見通しが難しい中で、『GLM1000』で経常利益1,000億円達成を開示した意図を教えてください」というご質問です。
金:「GLM1000」の数値は、2040年までの長期の方針として開示しています。その中で、我々が継続的に事業成長していく1つの目安として、経常利益の年平均成長率25パーセントを目標にしています。
マーケット的に、この25パーセント成長を続けて経常利益1,000億円を達する段階というのは、不動産事業領域だけでなく、さまざまな事業が加わっている想定です。オーガニックな成長だけでなくM&Aを行い、不動産事業領域とDX事業領域のシナジーによる新たな事業を加味することでさらに成長していきたいと考えています。
質疑応答:「GLM100」における各利益の見込みについて
司会者:「中期経営計画において、各年度の利益はどの程度になりそうでしょうか?」というご質問です。
金:2025年中期経営計画「GLM100」 PL及び主要指標のスライドに記載しています。2025年、2026年、2027年、それぞれ売上高は720億円、850億円、1,000億円となっています。当期純利益は、38億円、48億円、65億円とPLを開示しています。
質疑応答:建築費高騰の見込みと粗利率の改善について
司会者:「建築費の高騰は今後も続く見込みでしょうか? その場合、2025年中期経営計画「GLM100」 で見込んでいる粗利率の改善はどのように達成する想定なのか教えてください。また、いつも保守的な計画を出す印象がありますが、今回の中計も保守的なものでしょうか?」というご質問です。
金:建築費の高騰に関しては、今後も継続していくと私自身は考えており、計画の中でそれを盛り込んでいます。粗利率の改善について、「GLM100」では開発の比率を横ばいから微増とし、土地企画事業と再生事業が成長ドライバーとなる想定です。成長ドライバーからの売上高と粗利を伸ばすことによって、全社の粗利率を改善していきたいと考えています。
また、どのようなマーケット環境になってもしっかりと業績を達成できる、保守的な計画を社外に公表しています。
質疑応答:高いCAGRを維持できる具体的な根拠について
司会者:「中計達成に向けて、土地企画事業・再生事業が成長ドライバーとなっており、これらの業績達成が必須となっていくと思います。高いCAGRを維持できる具体的な根拠はあるのでしょうか?」というご質問です。
金:「GLM100」に関しては、十分成長を達成できる事業だと思っています。成長ドライバーである土地企画事業と再生事業は、我々にとってのブルーオーシャンであるところが大きいです。
特に土地企画事業は、売上と利益を大きく成長させたいと考えています。最初の土地のバリューアップなどは、我々の強みである企画力と、これまで開発事業で培った販売チャネルという既存の知見を活かせるビジネスですが、ここを本格的に行う上場企業が多くありません。
相続案件の規模が非常に大きくなっている中、実際に汗をかいて土地のバリューアップをしている会社が少ないのは非常に大きな追い風だと思っています。
再生事業に関しても、財務指標が改善傾向にあり、バンクフォーメーションも整ってきているため、金融機関と密なコミュニケーションを取っています。 再生事業も効率性と収益性が高く、我々にとってブルーオーシャンのビジネスマーケットです。2つの事業で、維持・微増させる開発事業を含めて、全体的な高成長により、「GLM100」は十分達成できる計画だと考えています。
質疑応答:AP-AIの活用について
司会者:「中期経営計画の数字達成において、AP-AIの活用はかなり重要なのでしょうか? 受注販売活用において、どのように活用されるのか、具体例を教えてください」というご質問です。
金:AP-AIは、かなり専門的なデータ処理で解析していく技術ですので、今後さまざまな業界に主要顧客を持つことで、オープンデータ、クローズドデータ、ディープデータなどのAP-AIプラットフォーム開発を受託していきたいと考えています。
まず、不動産×DXです。不動産業界は、かなりアナログに仕事を進めているところがあります。我々は、社内データと実際に出ている業界データをリンクさせることによって、土地企画・開発・再生の3つの事業を加速させていきたいと考えています。
AP-AIは「GLM100」の達成に必須ではなく、アナログな営業環境でも十分です。しかし、AP-AIでデータを整理することにより、その次の段階での効率的な営業を実現できるのではないかと期待しています。
質疑応答:第4四半期に偏重した売上利益の平準化について
司会者:「第4四半期に売上利益が偏重しているとのことですが、来期以降どのように業績平準化をしていく想定なのか教えてください」というご質問です。
金:今期は、「計画どおりにきちんと着地できるのか」と、投資家のみなさまにもたくさんのご質問やご心配のお言葉をいただいています。第4四半期に大きく偏重した一番のポイントは、開発による新築レジデンスの竣工時期です。建築を企画した段階でオフバランス化し、オフバランス化したパートナー会社であるゼネコンでの竣工時期の見直しによる販売タイミングの変更が生じました。
当然ながら、業績はできるだけ平準化したいと思っています。開発は企画から竣工・販売まで2年程度を要するのですが、土地企画及び再生の新たな2事業は仕入から販売まで半年から1年と、非常に短いスパンで収益を生む事業モデルです。
来期以降はできる限り業績を平準化し、投資家のみなさまに「しっかりと進捗している」と思っていただけるような四半期の業績見通しとなるように努めます。
質疑応答:ストック・オプション行使条件の意図について
司会者:「ストック・オプションについて、行使条件の意図についてもう一度教えてください」というご質問です。
金:ストック・オプションは、全社員に対して発行しています。有償と無償に分かれ、主に経営幹部、事業グループのマネジャー層は有償で、多くの非管理職や管理部の従業員には無償で発行しています。
ストック・オプションによる希薄化率は3.9パーセント程度を想定していますが、中期経営計画期間の経常利益達成を行使できるトリガーとして制度設計しました。全社員一丸となって中期経営計画を達成することによって、インセンティブとしてストック・オプションを得るというメッセージを込めました。
事業計画の数値等を算定したり、IRに携わる幹部等に発行した有償分では、時価総額も合わせてトリガーとしています。3年間の数値計画をしっかり達成した上に、投資家のみなさまにしっかりIRを行い、堅い信頼関係を作り、株価も上昇させ、2027年までに時価総額が750億円から1,000億円以上をクリアできた段階で、ストックオプションを行使できます。
行使された場合には希薄化しますが、株価がその時に大きく上昇しますので、株主のみなさまにとっても非常にポジティブな条件設定としています。一番の意図は、全社員が一丸となって「GLM100」を達成していく、主体的なモチベーションのインセンティブにしたいと考えています。
質疑応答:第3四半期が期ずれで業績未達になる可能性について
司会者:「第3四半期の進捗が少し悪く見えます。期ずれで業績未達になる可能性はあるのでしょうか?」というご質問です。
金:今期に関しては、竣工ずれによる計画の未達はないと認識しています。
第3四半期決算の数字だけ見ると、進捗率が非常に悪いというのが率直なご感想ではないかと思っています。しかしながら、このタイミングで、今期の着地をしっかり修正しました。今期分の竣工ズレはないと判断、売買に関しても問題ないことがほぼ確定したため、上方修正について決議・開示しました。
質疑応答:プライム市場上場維持基準達成に向けた施策について
司会者:「プライム市場上場維持基準達成に向けて、検討されている施策はあるのでしょうか?」とのことです。
金:プライム市場上場維持基準に足りていないのは、流通株式時価総額のただ1点です。流通株式時価総額基準を達成するためには、株価を上げる必要があり、そのためには、業績を上げることが最も重要だと考えています。業績を上げ、株主のみなさまにしっかりと配当を行い保有メリットと事業成長に注目していただくことで、クリアしていきたいと思っています。
昨日の株価で見た流通株式時価総額は71億円です。東証には、2022年中期経営計画の達成によって株価3,500円から4,000円を目指すという計画書を提出しています。中計最終年である今期の着地をしっかり達成するとともに、11月14日に公開した2025年中期経営計画の取組みも推進します。
みなさまの期待や応援に応えられるよう、業績とIR・PRの両面を精一杯取り組んでいくことにより、上場維持基準の達成を目指したいと思います。
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