【QAあり】Kudan、売上高が前年比倍増で伸長し、通期予算達成に向け順調な進捗 下期に複数の大型案件のデリバリーを見込む
2Qまでのハイライト
項大雨氏(以下、項):Kudan代表取締役CEOの項です。2025年3月期第2四半期決算説明を行います。まずは第2四半期までのハイライトです。
数字面では、第2四半期までの売上1.5億円は、前年同期比で倍増して伸長しています。なお、売上の期末集中の傾向は、今期も例年と変わらない状況にあり、通期予想の7億円に向かって業績は進捗しています。
事業面では、成長の二本柱である顧客製品化とソリューション化に沿った取り組みにおいて、事業進捗しています。顧客製品化については、その達成件数が前年比でペースが数倍に加速しており、製品関連売上も前年同期比で18倍で伸びています。
ソリューション化についても、欧州と日本を中心にグローバルで公共案件が拡大して進捗していますが、パートナー企業であるWhale Dynamic社やXGRIDS社との技術提携もそこに大きく寄与しています。
また、財務面では、第18回新株予約権による資金調達で、黒字化までの経営計画に沿った運転資金・投資資金は全て確保済みとなりました。この安定した財務を基盤に事業成長を目指していきます。
業績
中山紘平氏:2025年3月期第2四半期の業績について、CFOの中山よりご説明します。
まず、第2四半期までの進捗状況について前年同期と比較しますと、売上高は倍増のペースで順調に拡大しています。コストについては、今後の事業拡大に向けた体制作りとして、人材や財務の強化を行ったことにより、前年と比べて増加して進捗しています。この結果、営業利益は前年同期とほぼ同水準での進捗となっています。
経常利益以下については、前期が大幅な円安により多額の為替差益が生じたのに対し、当期はここまで円高で進んでいることから、為替差損が生じています。これにより、経常利益以下の会計上の損失は拡大していますが、これはあくまでグループ内の債権・債務を連結決算上相殺する際に生じた会計処理上のものであり、実際にキャッシュフローが動くものではなく、また、事業活動を反映したものでもない点はご留意ください。
通期の業績予想に向けた進捗については、売上高は下期に見込む複数の大型案件のデリバリーなどにより、予算達成を目指していきます。コストについては、下期も継続的な人材の強化を推し進めるため、コストの増加傾向は継続する見込みですが、売上拡大を進めて、営業利益の予算達成を目指していきます。
再掲)成長戦略
項:今期は、前期から継続している顧客製品化とソリューション化の二つを成長の二本柱と位置付け、事業の取り組みを進めています。
顧客製品化は、Kudanの直接顧客が自社製品へのKudan技術採用を決定する各顧客案件のマイルストーンとして、開発フェーズから刈り取りフェーズに向けての転換点と位置付けています。
ソリューション化は、Kudanのディープテックを直接採用する顧客層だけではなく、協業先との事業コーディネートを通して最終顧客向けソリューションを構築することで技術の価値と売上の増幅を目指しています。
それぞれの進捗についてご説明します。
顧客製品化
まずは顧客製品化の進捗についてです。
今期から顧客製品化の達成件数が大きく加速しています。前期4件、前々期4件と比較して大幅増となる7件を第2四半期までに達成しています。
特にロボティクス領域での顧客製品化が続いており、ヤマトホールディングス社の出資先でもある中国のYours Technologies社の自動配送ロボット、日本大手自動車グループ傘下にある米国ロボット企業のトラック積み込み用自動搬送ロボット、欧州Squad Robotics社の自律走行ロボット、米国ロボット会社や台湾NexAIoT社の自動搬送ロボットなど、工場や商業施設を中心に、難易度の高い屋内外走行や人が混在する環境にも対応した高性能な自律走行に採用されています。
加えて、台湾のVecow社や日本のHPCシステムズ社など、開発向けキットとして、ロボット会社や産業DXソリューション会社向けの製品にも採用が広がっています。
これまでの顧客製品化の実績がさらなる顧客製品化を呼び込むかたちで、このような事業進捗は加速して続くと見込んでおり、中国ロボット企業、欧州物流企業、米国ブロードキャスト企業など、下半期にも重要案件の製品化を控えています。
このような進捗の結果として、顧客製品化後の刈り取りである製品関連売上も1.1億円と前年同期比で18倍と大幅に伸びており、今期予想の2.5億円から4億円に向けて順調に伸長しています。
ソリューション化
続いてソリューション化です。
今期は公共性の高いインフラ・アセットなどをデジタルツイン化する公共案件を中心に、グローバルでソリューション化が進捗しています。
具体的には、ドイツの学校施設のデジタル管理プロジェクト、フィンランド農林省が推進するデジタル林業プロジェクト、日本政府主導のインフラ管理DXプロジェクト、台湾政府主導のスマート造船所など、検証・開発が継続しており、今後の大規模化に向けて進捗をしています。
加えて、新たに今期から開始する見込みの案件として、日本政府主導のロボットソリューション開発プロジェクトや欧州大手物流が手がける次世代DXソリューションなどが控えており、各国政府や公共セクターとの連携を拡大しながら大規模なソリューション案件の獲得を継続していきます。
また、このようなソリューション化の取り組みにおいて、Kudanのディープテックと関連技術との連携・統合を通してより最終顧客に近いソリューションを構築していますが、戦略的なパートナー企業であるXGRIDS社やWhale Dynamic社など自動運転、ロボティクス、マッピング向けのソリューション構築に必要となる技術的協業も展開を加速しており、ソリューション化案件の獲得・拡大に大きく貢献をしています。
参考)その他のハイライト案件
以上、顧客製品化とソリューション化を中心に事業進捗と案件進捗を説明しましたが、将来的な顧客製品化に向けた開発支援や、新たなソリューション化に向けた技術的・事業的な構築を推し進める案件は、その他にも多く展開しています。
具体的には、デジタルツイン向けには、スマートシティ、鉄道、建築、デジタルキャンパスなど多様な産業セクターへの実用化に取り組んでおり、また、ロボティクス向けには、産業用途から、ロボットタクシー、自動運転、四足歩行ロボット、月面探査など、非常に幅広いロボティクス分野に向けた技術応用を推し進めています。
こうした幅広い案件の顧客製品化とソリューション化を実現していくことで、着実な事業成長に結びつけていきます。
以上で、2025年3月期第2四半期の決算説明を終わります。
質疑応答(要旨)①
Q:期末までに大型案件を見込んでいるとのことですが、可能な範囲で結構ですので内容や確度について教えて下さい。
A:期末までの大型案件については、現在、ロボットおよびデジタルツイン関連のソリューションにおいて、複数の案件が受注済み、または受注に向けて調整中です。それぞれ数億円レベルの案件を見込んでおり、今期中にもある程度の多額の売上を見込んでいます。
質疑応答(要旨)②
Q:ファイナンスにより株価は大きく下がっていますが、それでも当初想定した資金を確保済みと考えてよろしいでしょうか? また、今後の財務戦略についても教えて下さい。
A:ファイナンスに関しては、自社および他社の過去の事例を踏まえ、一定程度の株価下落の可能性を想定した上で計画を立てているため、現在の30億円という財務状況は想定の範囲内となります。
当面の事業拡大に必要な資金は十分に確保できており、今後予定されている製品化やソリューション化などの大型案件の拡大にも対応可能な財務体制を整えられたと考えています。そのため、今後の追加調達に関しては、現状では当面は予定していません。
関連銘柄
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