[資源・新興国通貨10/15~18のポイント&注目通貨] NZとカナダのCPIに注目! NZ中銀やカナダ中銀の利下げ観測が強まるか

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最新投稿日時:2024/10/15 12:09 - 「[資源・新興国通貨10/15~18のポイント&注目通貨] NZとカナダのCPIに注目! NZ中銀やカナダ中銀の利下げ観測が強まるか」(八代和也)

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[資源・新興国通貨10/15~18のポイント&注目通貨] NZとカナダのCPIに注目! NZ中銀やカナダ中銀の利下げ観測が強まるか

著者:八代和也
投稿:2024/10/15 12:09

今週のポイント

16日にNZの7-9月期CPI(消費者物価指数)が発表されます。この結果にNZドルが反応しそうです。市場ではRBNZ(NZ中銀)は次回11月27日に追加利下げを行うと予想されており、利下げ幅については0.50%になるとの見方が有力です。CPIが0.50%の利下げ観測を強める結果になれば、NZドル安圧力となりそうです。

17日の豪州の9月雇用統計に豪ドルが反応する可能性があります。市場では、RBAは政策金利を年内据え置くとの見方が有力です。雇用統計がこの見方を一段と強める結果になるのかどうか注目されます。

米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向にも注目です。米長期金利が上昇を続ける場合、米ドル高が全般的に進むことが考えられます。

日米など主要国の株価動向も材料になるかもしれません。米株式市場では14日にダウとS&P500が史上最高値を更新しました。主要国の株価が堅調に推移すれば、リスクオン(リスク選好)の動きが強まるとともに、豪ドル/円やメキシコペソ/円などのクロス円に対して上昇圧力が加わる可能性があります。
***
トルコリラは、17日のTCMB(トルコ中銀)の政策会合が材料になりそうです。TCMBは3月に利上げを実施した後、前回9月の会合まで6回連続で政策金利を50.00%に据え置きました。

TCMBのこれまでの積極的な利上げの影響もあり、トルコのインフレ率は鈍化しています。24年5月に前年比75.45%に達したCPI(消費者物価指数)上昇率は9月には49.38%へと鈍化し、TCMBの政策金利を下回りました。

17日の会合で政策金利は据え置かれると考えられます。会合における注目点は、TCMBの金融引き締めスタンスが弱まるのかどうか。9月会合時の声明では、「インフレリスクに引き続き細心の注意を払う」、「毎月のインフレ(率)の基調的なトレンドが大幅かつ持続的に低下し、インフレ期待が予測範囲に収束するまで、金融引き締めスタンスを維持する」、「インフレの大幅かつ持続的な悪化が見込まれる場合には金融政策手段を効果的に使用する」とされました。

市場では、TCMBは早ければ12月に利下げを行うとの観測があります。TCMBの声明が市場の利下げ観測を後退させる内容になれば、トルコリラにとってプラスになりそうです。

今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09000NZドル~1.11500NZドル>

RBNZ(NZ中銀)は10月9日の政策会合で0.50%の利下げを行うことを決定。政策金利を5.25%から4.75%へと引き下げました。利下げは2会合連続です。会合の議事要旨では、NZ景気の弱さが指摘されたうえで「(今回の利下げ後の)4.75%の政策金利は依然として(景気)抑制的」との認識が示されました。RBNZは次回11月27日の会合でも利下げを行う可能性が高いと考えられます。

RBA(豪中銀)は23年11月に利上げを実施した後、前回9月の会合まで7回連続で政策金利を4.35%に据え置きました。ブロックRBA総裁は9月の会合後の会見で「データ次第で(利上げと利下げの)いずれの方向にも対応する用意がある」とし、利下げについては「短期的には見込んでいない」と述べました。RBAが近く利下げを行う可能性は低いと思われます。

市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場では次回RBNZ会合での利下げは完全に織り込まれている一方で、RBAは政策金利を年内据え置くとの見方が有力です。

RBAとRBNZの金融政策面からみれば、豪ドル/NZドルは底堅い展開になりそうです。今週は、16日にNZの7-9月期CPI、17日に豪州の9月雇用統計が発表されます。CPIがRBNZの利下げ観測を強める、雇用統計がRBAの年内据え置きとの見方を強める結果になれば、豪ドル/NZドルは7月30日高値の1.11432NZドルに接近するかもしれません。

今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.36000カナダドル~1.39500カナダドル>

米ドル/カナダドルは10月14日に一時1.38006カナダドルへと上昇し、8月6日以来の高値をつけました。米FRBの0.50%の利下げ観測が市場で後退する一方で、BOC(カナダ中銀)は次回10月23日の政策会合で0.50%の利下げを行うとの観測が市場にはあります。市場のFRBとBOCの金融政策(利下げペース)見通しの差が、足もとの米ドル/カナダドルの上昇要因になっていると考えられます。

カナダの9月CPIが15日に発表されます。CPIが市場予想を下回る結果になれば、23日のBOC会合での0.50%の利下げ観測が市場で一段と強まりそうです。さらに、9月小売売上高など米経済指標の結果によってFRBの利下げ観測が後退する場合、米ドル/カナダドルには一段の上昇圧力が加わる可能性があります。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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