円安の動き、中国政策期待を温存 ＮＹ市場はコロンブスデー＝ロンドン為替概況

円安の動き、中国政策期待を温存　ＮＹ市場はコロンブスデー＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場では、円安の動き。注目された週末の中国財政省会見で、債券発行の余地が大きくあるとしたことが、追加の財政出動への期待感を市場に広げた。ただ、具体的な内容や数字などはまだ示されず、１０月末の全人代までに順次発表される見込みとなっている。上海株は買われたが、連休明けの香港株は上値重く推移とまちまち。また、この日は東京市場がスポーツの日のため休場、ＮＹ市場はコロンブスデーのため米債券市場が休場、カナダは感謝祭で休場など取引参加者は少ない。米欧などの主要経済統計発表は予定されていない。欧州株は高安まちまちと方向性に欠けている。米株先物も時間外取引で小高い程度の動き。リスク動向が安定するなかで、先週までのドル高・円安の流れには特段の変化はみられていない。ドル円は149円付近から149円台後半へと上昇。クロス円もロンドン時間に入ってから買いが優勢になっている。ユーロ円は163円挟みの揉み合いから163円台前半へ、ポンド円は194円台後半から195円台前半へと水準を上げてきている。

　ドル円は149円台後半での取引。東京不在のオセアニア朝方に148.98近辺の安値をつけたあとは、買いが優勢に推移している。ロンドン市場では149.70付近へと一段高になっている。米国市場はコロンブスデーのため債券市場が休場。米債利回り動向の手掛かりに欠けるなかで、ドル円の上昇は円売りの面が強いようだ。

　ユーロドルは1.09台前半での取引。オセアニア朝方につけた1.0942近辺を高値に、1.0915近辺まで売られた。その後は、ロンドン序盤に1.0930台まで下げ渋り。足元では上値も重く揉み合いとなっている。ユーロ円はドル円とともに上昇。週明けオセアニア市場で162.81近辺まで軟化も、その後は底堅く推移。ロンドン時間には買いが優勢となり高値を163.40台に伸ばしてきている。対ポンドでは方向感に欠ける揉み合いに終始している。

　ポンドドルは1.30台半ばでの取引。オセアニア朝方の1.3074近辺を高値に一時1.3041近辺まで軟化。その後は再び買いが入るも、上値を抑えられている。1.30台半ばから後半での振幅となっている。ポンド円はドル円とともに買われている。アジア午前の194.64近辺を安値に、その後は堅調に推移。足元では195.30台まで高値を伸ばしている。ユーロポンドは0.8361-0.8387レンジでの揉み合い。先週末終値を挟んだ取引に終始している。

minkabu PRESS編集部 松木秀明