サイバリンクス Research Memo(3):流通クラウド事業、官公庁クラウド事業を中心とした4事業体制(1)

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最新投稿日時:2024/10/04 13:03 - 「サイバリンクス Research Memo(3):流通クラウド事業、官公庁クラウド事業を中心とした4事業体制(1)」(フィスコ)

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サイバリンクス Research Memo(3):流通クラウド事業、官公庁クラウド事業を中心とした4事業体制(1)

配信元:フィスコ
投稿:2024/10/04 13:03
*13:03JST サイバリンクス Research Memo(3):流通クラウド事業、官公庁クラウド事業を中心とした4事業体制(1) ■サイバーリンクス<3683>の事業概要

1. 事業セグメント
同社の事業セグメントは、流通クラウド事業、官公庁クラウド事業、トラスト事業、モバイルネットワーク事業の4つで開示されている。2023年12月期のセグメント別売上高は、流通クラウド事業が4,622百万円(売上高比率30.8%)、官公庁クラウド事業が6,778百万円(同45.1%)、トラスト事業が99百万円(同0.7%)、モバイルネットワーク事業が3,523百万円(同23.5%)であった。また、セグメント別経常損益は、流通クラウド事業が958百万円の利益、官公庁クラウド事業が524百万円の利益、トラスト事業が235百万円の損失、モバイルネットワーク事業が45百万円の利益であった。

(1) 流通クラウド事業
流通クラウド事業に含まれる主な製品やサービスは、食品小売業(スーパーなど)向けの基幹システム(製品名:@rms基幹)、小売業向けEDIシステム(同:BXNOAH)、棚割システム(同:棚POWER/棚SCAN-AI)、大手卸売業向けEDIシステム(同:クラウドEDI-Platform)、食品流通業界向け企業間連携プラットフォーム(同:C2Platform)及び商品画像データベース(同:Mdb)、専門店向け販売管理システム(同:Retailpro(リテイルプロ))である。

流通クラウド事業の主力製品は、流通食品小売業向け業務クラウドサービスの「@rms」シリーズである。同シリーズには、基幹システムだけでなく生鮮発注システム、ネットスーパーシステム、小売業向け棚割システム、単品情報分析システムなどの周辺サービスも含まれている。顧客は、基幹システムだけでなく周辺システムだけを契約することも可能である。2024年6月末時点の「@rms」シリーズの導入店舗数は1,254店に上り、市場全体21,000店(同社推定)におけるクラウド小売基幹系システム導入実績としてはトップと推定されている。

次に大きな構成比を占める「クラウドEDI-Platform」は、流通食品卸売業向けクラウドサービスである。小売業者から様々な通信手段で送られてくる発注・入荷・受領・返品・請求・支払いなど商取引に関する情報データを一括整理して卸売会社側に提供するシステムで、開発当初は業界初の仕組み(システム)であった。2024年6月末時点で「クラウドEDI-Platform」を使った商流額(卸売側)は9.8兆円(同社推定)に上り、市場全体36兆円(同)の27.2%となっている。2022年7月に大手ユーザーが1社増加し、加工食品卸売上高上位10社のうち8社が「クラウドEDI-Platform」のユーザーであることからも、同社クラウドサービスへの高い支持がうかがえる。

また、同社の提供するクラウドサービスは「シェアクラウド」であり、高品質のサービスを低価格で提供できることが特色となっている(詳細は後述)。

(2) 官公庁クラウド事業
官公庁クラウド事業では、地方自治体(主に地元の和歌山県のほか、大阪府南部、奈良県内の市町村)向けの基幹系・情報系の行政情報システム、防災無線などの地域防災システム、小中学校向けの「Clarinet」という校務クラウドサービス、医療機関向け地域医療連携プラットフォーム「青洲リンク」、民間企業向けPC保守などのカスタマサポートサービスなどを展開している。和歌山県において同社の地域防災システムの評価・認知度は高く、県内シェアは群を抜いている。また、2022年7月に子会社化したシナジーが提供する自治体向け文書管理システム「ActiveCity」は、自治体DX推進の機運を背景に、全国の自治体で普及が進んでおり、官公庁クラウド事業が目指している全国展開の先駆けとなっている。

2023年12月期の官公庁クラウド事業の売上高6,835百万円の内訳は、行政情報システム76.1%、地域防災システム15.2%、校務クラウドサービス・地域医療連携プラットフォーム7.2%、カスタマサポートサービス1.5%となっている。同事業は、顧客が官公庁であることから比較的安定した売上高が期待できる反面、大きなプロジェクト(案件)の有無や納品のずれ込みなどによって売上高や利益が変動する場合もある。

(3) トラスト事業
マイナンバーカードをベースにした「第3のトラストサービス」を提供している。同社は、2020年7月に「電子委任状取扱業務」の認定を取得し、「公的個人認証サービス プラットフォーム事業者」の認定(2017年12月取得)と併せて、トラストサービスを提供するための準備が整った。2021年12月期から、トラストサービス市場に本格参入することを決定し、新たに「トラスト事業」としてセグメント分けした。マイナンバーカードをベースにした「第3のトラスト」を中核的な強みとして、「人(本人性)、物(存在)、コト(行為)」全方位のトラストサービスを展開する。なお、同社の電子委任状サービス「マイナトラスト電子委任状」が、政府の調達ポータル及び政府電子調達(GEPS)に採用され、2021年8月から稼働を開始している。さらに2021年12月には、ブロックチェーン技術※1を利用したデジタル証明書発行サービス「CloudCerts」※2を取得し、サービス提供を開始した。「CloudCerts」は、2023年に英語コミュニケーション能力を測定する「TOEIC(R) Program」の公開テスト Official Score Certificate(公式認定証)のデジタル化に採用され、2023年4月実施の公開テストから、デジタル公式認定証が発行されている。また2024年2月には、(公社)日本薬剤師会が発行する「薬剤師資格証」のデジタル化においても「CloudCerts」が採用された。(詳細後述)

※1 情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種であり、暗号資産に用いられる基盤技術のこと。
※2 証明書や書類をブロックチェーン上に記録するため信頼性が高い。また、低コスト、ペーパーレスに寄与する。

このように、徐々にではあるが、同社のトラスト事業サービスは着実に認知されつつある。同社では、引き続き積極的に研究開発投資を推進し、強みを生かした新サービスの開発により、さらなる事業の拡大を目指している。

(4) モバイルネットワーク事業
NTTドコモの1次代理店であるコネクシオ(株)と「代理店契約」を締結し、2次代理店として和歌山県内で10店舗(2023年12月末時点)のドコモショップを運営している。2022年12月に県内の代理店2社を吸収合併した結果、県内の運営代理店シェアは47.6%(2023年12月末、同社推定)となり、県内最大のNTTドコモ代理店となっている。同社が運営しているドコモショップは全体的に高評価を得ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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