【QAあり】ソルクシーズ、金融システム開発から事業多角化 クラウド、CASE、見守りソリューション等で非価格競争力を強化

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最新投稿日時:2024/09/10 11:00 - 「【QAあり】ソルクシーズ、金融システム開発から事業多角化 クラウド、CASE、見守りソリューション等で非価格競争力を強化」(ログミーファイナンス)

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【QAあり】ソルクシーズ、金融システム開発から事業多角化 クラウド、CASE、見守りソリューション等で非価格競争力を強化

投稿:2024/09/10 11:00

アジェンダ

秋山博紀氏(以下、秋山):株式会社ソルクシーズ代表取締役社長の秋山です。よろしくお願いします。

本日は会社の説明と業績、今後の展望について、アジェンダの順にご説明します。1つ目はソルクシーズグループはどのような会社か、2つ目は業績・株主還元について、3つ目は中期経営計画について、4つ目に今期半期のトピックスをまとめてお話しします。

ソルクシーズグループはどんな会社?

秋山:ソルクシーズグループはどのような会社なのか、あまり聞き馴染みがないと思いますので、どのようなことをしているのかを中心にお話しします。

スライドに「金融システムに強いシステム開発会社」とあります。我々はよく「SIの会社でしょう?」と言われます。中でも「金融なんでしょう?」と言われることが多いです。間違ってはいませんが、「それだけではないよ」ということを、本日はお伝えします。

会社概要

秋山:会社概要です。連結で従業員数が830人ほどの規模感です。後ほど数字についてご説明しますが、計画では今期は売上高162億円を目指しています。子会社が13社ほどあるのが、特徴の1つです。

主要株主に事業会社がやや多いことも、特徴の1つです。筆頭株主として、SBIホールディングスが16パーセントほど保有しています。次に、約10パーセント保有しているビット・エイは、新潟を拠点にホームセンター・コメリを全国展開しているコメリグループのIT子会社です。

続いて、ヤクルト本社が4パーセントほど保有していますが、いずれの会社とも取引関係にあり、この取引を強化するために株を持っていただいています。私は、2023年3月に代表取締役に就任したばかりの「ひよっこ」です。

kenmo氏(以下、kenmo):昨年、代表取締役に就任されたとのことですが、その経緯や、今後どのような事業体にしていきたいかを教えてください。

秋山:先ほどの主要株主の項目に「長尾章」という名前があったと思いますが、彼は今、取締役会長を務めています。17年ほど社長を務め、ずいぶん経ちましたので、若返りを図ろうと、取締役の中身と代表を変えました。そのような経緯で、2023年から私が代表取締役を務めています。

今後については、次のスライドでご説明する成長戦略に取り組みます。代表取締役に就任する前に取り組んできた中で、よいところはそのまま継続し、変えていきたいところは変えていきます。そして、この会社を選んで入社する新卒社員、従業員、そしてあらゆるステークホルダーのみなさまから、「選んでよかった」と言われる会社にしたいと思っています。

成長戦略

秋山:我々は、3つの成長戦略を掲げています。1つ目は専門店化です。グループ会社が13社ある中で、それぞれが業種や業務等に専門特化して、そこでオンリーワンを目指します。そのような企業群を目指すことにより、グループ全体の企業価値を向上していきます。

2つ目は収益構造の変革です。ソルクシーズを含めた13社を、SIビジネスとストック型ビジネスの2つのカテゴリーに分けており、利益ベースで、SIビジネス収益50パーセント、ストック型ビジネス収益も50パーセントとしています。

フロー型のSIビジネスは、良い時と悪い時があります。そのため、ストック型ビジネスでSIビジネスのボラティリティをカバーする経営体制・収益構造にすることで、成長を目指します。

3つ目はグローバル展開です。ASEANに日中韓を加えた「ASEAN+3」をマーケットとし、グループが掲げているさまざまなソリューションを「ASEAN+3」に持って行き、マーケットを拡大し、成長を目指します。

後ほどご説明しますが、グループ会社のノイマンが、ベトナムに向けて展開を図っている最中です。

グループ会社の役割

秋山:スライドは、グループ会社を俯瞰した図です。無限大(インフィニティ)のような絵に、各社を配置しています。

スライドの左側、SIビジネスの企業群は10社、右側、ストック型ビジネスの企業群は3社あります。図に「丸」で示した企業は3社以上ありますが、企業は3社です。このように、10対3に分かれています。

企業数のとおり、全体の構造に占める割合はSIビジネスのほうが大きいですが、一つひとつの丸を大きくしたり、増やしたりしていくことで、右側のストック型ビジネスを拡大していきます。そして、利益ベースで50対50を目指しています。

kenmo:スライドの図では、M&Aに非常に強みがあるように見えますが、その背景について教えてください。

秋山:「13社あるから、M&Aでしょう?」と言われますが、それは違います。純粋なM&Aは、スライド右側の輪にあるneumann(ノイマン)だけです。

その他の会社には、社内で「少しコアじゃないよね」と言われる、違う会社にいたグループや、傍流のようなグループ・集団があります。その責任者と我々が意気投合し、「こちらに来て、君たちのしたいことをしてみないか」と働きかけ、会社という箱を用意して、そこに招き入れるかたちで増えていきました。

したがって、M&Aで成長していくような、よくあるパターンではなく、我々が「やりたい」と思った事業と、それまで傍流のような人たちの事業がマッチして、増えていった経緯があります。

しかし、最初は違いました。2000年初期に合併して株式を店頭公開してから、企業を拡大する上で吸収合併をしました。吸収合併すると、それまでの企業文化や給与体系などの違いから、「あれが違う」「これが違う」と言い出して、人がいなくなってしまいました。

せっかく招き入れて一緒になって、これからという時に、それまで取り組んできた社員がいなくなってしまうという、もったいないことを3回繰り返しました。そして、「これではいけない」と考え、独立した会社として我々と一緒に取り組む体制を整えて、スライドの図のようなかたちになりました。

kenmo:なるほど。よくわかりました。

ソルクシーズグループのセグメントについて

秋山:ソルクシーズグループのセグメントについてです。スライドの図は、先ほどの企業群を会計上のセグメントに分けたものです。ソフトウェア開発事業、コンサルティング事業、ソリューション事業の3つでセグメントを構成しています。

それぞれが独立性と専門性を持って、事業を展開しています。その中で、コンサルティング事業を担っている会社が、ソフトウェア開発事業に取り組んでいる会社に、それぞれ新しい案件をパスしていくといった事業シナジーを作っています。

また、ソリューション事業で行っている各種ソリューション、特にFleekdriveのSaaSのソリューションは、我々のお客さまにも有用なソリューションですから、そちらをシナジーとして取り組むケースも多いです。そのようなセグメント間のシナジーも作っています。

注力分野

秋山:先ほど3つの成長戦略についてご説明しましたが、その成長戦略をさらに進める上で注力する分野を5つ掲げています。注力分野はクラウド、FinTech、CASE、IoT、AIで、それぞれがすでに事業として成り立っています。

クラウドには、Fleekdriveが提供しているサービス、「Fleekdrive」と「Fleekform」があります。FinTechは、グループ会社のエフ・エフ・ソルとソルクシーズ本体が取り組んでいます。SBIグループがFinTech系の会社を立ち上げてサービスを展開していますので、そちらを支援するかたちです。

CASEは、エクスモーションが、CASEに対応する設計支援ビジネスを大手自動車メーカー向けに実施しています。

IoTは、後ほどご説明しますが、イー・アイ・ソルのIoTソリューション「状態監視/予知保全システム」が中心です。また、ソルクシーズ本体が提供している「いまイルモ」という見守りソリューションがあります。

最後に、エクスモーションが生成AI支援サービス「CoBrain(コブレイン)」を開発しました。こちらはまだβ版ですが、今秋の正式リリースに向けて取り組んでいます。また、資本参加先で、京都にある株式会社アックスと、岩手の株式会社サイバーコアは、AIに知見を持ったメンバーが揃っている会社です。このような会社が、それぞれの得意分野でAIソリューションを作っていく予定です。

すでに事業として展開していますので、こちらに資源を集中したり、事業拡大を後押ししたりして、注力していきたいと考えています。

グループ会社① (株)ノイマン ソリューション事業

秋山:ここからは、グループ会社についてご紹介します。まずノイマンは、自動車教習所向けに、ITソリューションを展開しています。主力製品は、効果測定・学科学習のeラーニングシステム「MUSASI」です。「MUSASI」を主力とし、いろいろな製品をクロスセルすることで、成長していきたいと思っています。

この4年、コロナ禍により、集合教育だった教習所の学科研修が実施できなくなっていました。そのような背景から、警察庁が法令を改正しました。それにノイマンがいち早く対応し、オンライン学科学習ツール「N-LINE」を作りました。こちらもシェアが7割ほどあり、各自動車教習所からの引き合いを受け続けています。

さらに2024年2月には、DX化第二弾となるデジタル教習原簿「N-reco」をリリースしました。教習原簿といっても、聞き慣れないためわかりにくいと思いますが、自分の教習の進捗度合いが記録されたカルテのような書類のことです。

自動車教習所へ行くと、教習生はその書類を受け取り、指導員に渡して教習を受けます。現状、教習原簿は紙ですので、それをデジタル化したのが「N-reco」という製品です。

まだ紙ベースの書類が残っている自動車教習所のDX化を推進するために、ノイマンはさまざまなソリューションを提供し、成長を図っています。

しかし日本の免許人口は減ってきていますので、今後、日本だけをマーケットにしていくと、成長性が限定的になります。それはノイマンもわかっていますので、今、ベトナムの自動車教習所に出資しています。日本の教習所向けに展開したソリューションをベトナムに持って行き、新たなマーケットを作ろうとしています。コロナ禍で遅れてしまいましたが、このようにグローバル展開を図っています。

kenmo:視聴者の方から、「インドネシアなども若者が多く、すでにモータリゼーションが起きていますが、ノイマンでは進出の選択肢として、ベトナム以外もお考えでしょうか?」というご質問が来ていますが、いかがでしょうか?

秋山:最初はマレーシアを視察しましたが、マレーシアはまだ二輪車が主流で、サンダル履きで二輪車に乗っている状況でした。そのため、「少し早いな」と思い、違うところを探しに行きました。そこでベトナムに行き、ベトナムの自動車教習所が日本と類似していることを知りました。

スライド右下の写真は、ベトナムの自動車教習所です。日本の自動車教習所は、敷地の中に学科研修を行う建物とコースがあるスタイルです。ベトナムも同じスタイルをとっていますので、我々のソリューションが適用しやすいと考え、ベトナムを選びました。

インドネシアもミャンマーも、今後はマーケットとして十分あり得ると思っています。したがって、ベトナムである程度展開した後、そのようなところにも進出を図りたいと考えています。

グループ会社① (株)ノイマン ソリューション事業

秋山:スライドは、ノイマンのDX事業の俯瞰図です。自動車教習所には、学科研修、実地研修の予約、記録の電子申請など、いろいろな業務がありますので、その一つひとつをデジタル化します。

自動車教習所は、やはり学校です。学校はデジタル化が遅れ気味になりますので、ノイマンが持っている商材でDX化を図り、みなさまによろこんでいただこうと考え、活動しています。

グループ会社② (株)イー・アイ・ソル ソリューション事業

秋山:イー・アイ・ソルは、特にセンサーを使ったIoTソリューションが得意な会社です。IoTはデバイスがあり、ネットワークを介してクラウドにデータを送る技術です。センサー系のIoTソリューションを得意とするイー・アイ・ソルだからこそ、ソリューションをまとめて提供でき、そこが強みとなっています。

お客さまにはさまざまな会社がありますが、新たな領域として、航空宇宙・防衛産業向けのセンシングサービスを予定しています。このあたりの分野には、無線技術が非常に有効です。

また、本拠地がテキサスにあるNI(旧ナショナルインスツルメンツ)社も、航空宇宙・防衛分野に進出を図る目標を持っています。イー・アイ・ソルはこちらのデバイスを使っていろいろなお客さまにソリューションを提供しているので、この分野を広げていくことで、共に成長を図っていきたいと思っています。

グループ会社② (株)イー・アイ・ソル ソリューション事業

秋山:スライドに「Technology」とありますが、イー・アイ・ソルは、このような分野の知見をたくさん持っている会社です。

「音・振動・色」を、センサーを使って解析し、「状態監視」といって、データをもとに、それらがどのようになっているのかを監視します。さらに、それを「リアルタイム処理」できることが特徴です。そして、このような技術を使った「予知保全」システムを構築しています。

そのほかにも、さまざまな「組込システム」のソリューションを開発し、お客さまに提供しています。

グループ会社② (株)イー・アイ・ソル ソリューション事業

秋山:スライド左側は、グローバル展開している自動車部品会社向けの予知保全システムです。部品会社の製造ラインには、いろいろな製造ツールがあると思いますが、その故障を未然に防ぐためのシステムです。すでに何レーンも動いていて、自動車部品会社だけではなく、電力、製薬、鉄道分野などからの引き合いも増えています。

スライド右側は、リアルタイム音源可視化装置です。音源を可視化する装置はほかにもありますが、いずれも値段が高くて遅いという課題がありました。そこで、我々はイー・アイ・ソルの技術を使い、ほぼリアルタイムで音を可視化する装置を作って提供しています。左の写真は、車のエアコンです。車載エアコンから騒音が出ていますが、どのような音がどこから出ているのかを、色で可視化しています。

右の写真は、複写機のオートシートフィーダ部分です。いろいろな色が出ていますが、波長、音域で色分けし、リアルタイムで目に見えるかたちにし、どのような音がどこから出ているのかがわかるようにしています。それにより、故障の原因等の特定ができるようなソリューションで、こちらも引き合いがあります。

グループ会社② (株)イー・アイ・ソル ソリューション事業

秋山:今後は、ADG(Aerospace Defense Government)分野に進出し、ソリューションを提供することで、さらなる成長を図ります。

イー・アイ・ソルは、アメリカテキサス州にあるNI社の「NI Connect 2024」で、Asia / Pacific(APAC)地域部門「Outstanding Contribution Award」を受賞しました。

Asia / Pacific(APAC)地域部門にアライアンスしているのは約300社ですが、日本ではイー・アイ・ソルだけが受賞しました。イー・アイ・ソルの技術は、それほどまでに評価されています。ですので、これをもとに、航空宇宙・防衛分野におけるマーケット拡大も見込めると考えています。

グループ会社③ (株)Fleekdrive ソリューション事業

秋山:Fleekdriveは、企業向けに特化したオンラインストレージサービスを提供している会社で、SaaS型のサブスクリプションモデルを展開しています。競合はみなさまが思い浮かべるような会社で、「どちらを選ぶのですか?」というケースが多いです。

しかし、「Fleekdriveは日本初の企業向けオンラインストレージサービスを提供する企業で、セキュリティを重視していて、企業が使いやすいソリューションを提供していますよ」と丁寧にご説明すると、選んでいただけます。また、「Salesforce」との連携も続いていますので、「Salesforce」が入っていると選んでいただけることが多いです。

スライド左側のグラフのとおり、右肩上がりの成長を遂げており、2024年2月にはユーザー数が30万を突破しました。今後も成長を続け、日本だけでなく世界もマーケットにしていきたいと考えています。

グループ会社④ (株)エクスモーション コンサルティング事業

秋山:エクスモーションは、東証グロース市場に上場している会社です。組込みソフトウェアの開発に特化したコンサルティングファームで、今は自動運転(CASE)やEVなどの開発・設計の支援を行っています。

エクスモーションは、コンサルティングの数に依存する事業モデルです。コンサルタント数は限定されているため、お客さまの期待に沿えないことがありました。そこを何とかしようと、お客さまが自分で使える教育コンテンツプラットフォーム「EurekaBox(ユーリカボックス)」を作りました。

また、生成AIを活用した開発支援サービス「CoBrain」は、要件定義のチェックをしてくれるものですが、こちらを構築し、β版はローンチ済みです。お客さまに一部、使っていただいており、今秋に正式リリースする予定です。コンサルタントがいなくても、少しでもお客さまの期待に沿えるかたちをとりたいと思い、このようなソリューションを作っています。

今後はさらに、業務提携、M&Aを実施します。エクスモーションは上流と呼ばれる設計支援を行う会社です。業務提携・M&Aは下流と呼ばれるテストに特化した会社で、この2つを賄うことで、より品質のよいサービスを提供できます。このような目的のもと、業務提携、M&Aを実施し、業容の拡大を図ろうと考えています。

2024年12月期第2四半期 エグゼクティブ・サマリー

秋山:業績と株主還元についてです。2024年12月期第2四半期は、多くの投資家さまにご指摘いただきました期初計画ですが、減益の計画としました。したがって、前の期に比べると低くなっています。

加えて、今期第1四半期の3月に検収予定だった案件が、期ズレを起こしています。この影響で、営業利益が少し毀損しています。ただし、この期ズレは年内に解消する見込みです。また、受注残も積み上がっているため、期末に向けて計画をキャッチアップできると考えています。

足元の需要は、ソフトウェア開発事業、その他各事業ともに順調です。スライドに「受注状況は過去最高水準」と記載したとおり、各社のICT投資は堅調ですので、今後、システム開発需要は順調に推移していくものと考えています。

開発体制については、まだ十分ではないため、M&A等を通して強化しようと思っています。先ほど、M&Aはノイマンだけだとお伝えしましたが、エフ社を子会社化し、業容を拡大しました。

採用活動については、中途採用が少し苦戦していますが、2024年度の新卒採用者数は47名と、過去最高を達成しました。さまざまな施策を講じたことにより、学生に振り向いていただき、ようやく予定数をクリアすることができました。

損益サマリー(前年同期比)

秋山:前年同期比の損益サマリーです。先ほどお伝えしたとおり、期初計画が減益計画のため、前の期と比べてマイナスになってしまうのは、やむを得ないことです。

さらには、期ズレが発生しました。また、先行投資型の投資活動を続けて拡大していることもあり、前年同期比での増減率は、営業利益ベースでマイナスを見込んでいます。

損益サマリー(期初計画比)

秋山:期初計画比の損益サマリーです。期初計画比も営業利益ベースで70パーセントの達成率ですので、よくないように見えるのですが、期ズレの影響です。こちらが解消すると、計画はキャッチアップできると考えていますので、ご安心ください。

下期に向けたトピック・取り組み

秋山:下期に向けたトピックです。まずソフトウェア開発事業について、こちらは人に依存している事業です。先ほどお伝えしたとおり、新卒メンバー47名が加わったため、こちらを早く戦力化していきます。また、クラウド関連は利益率の高い案件が多いため、そのような案件にシフトすることで利益率を上げていきたいと考えています。

コンサルティング事業では、先ほどご紹介した「CoBrain」というサービスを秋にリリースします。こちらが本番運用され、収益に少しずつ貢献していくと考えています。

ソリューション事業については、ノイマンがDX化を推進する上でのデジタル化ツールを作っており、このクロスセルにより拡大していきます。また、ベトナム支社を拡大することで成長を図っていきます。

イー・アイ・ソルは航空宇宙・防衛産業のさらなる拡大に注力し、期ズレをなくす方向で下期に向けて取り組んでいきます。

成長の軌跡

秋山:スライドは、過去15年間の業績推移です。2008年に、リーマン・ショックが起こり、利益が下がりました。それ以降、しばらく低迷を続け、回復したところで2018年に不採算案件を発生させてしまいました。利益は落ち込んだものの、そこからまた回復して、基本的には右肩上がりを継続しています。

今後も、システム開発需要はますます拡大する傾向です。中期経営計画に向けて、確実に成長を遂げていきたいと思っています。

株主還元方針

秋山:株主還元方針です。配当については2021年度以降、12円の配当を続けています。基本的には業績見合いではあるものの、安定した配当を続けていきたいと考えています。2024年度についても12円を予想しています。

中計基本戦略

秋山:中期経営計画です。中期経営計画基本戦略はスライドに示した4つで、成長戦略とほぼ同じです。1つ目は「経営基盤の強化」として、経営資源を成長分野に集中投資していきます。2つ目は「SIビジネスの競争力強化」です。こちらは、ある業種・業務に専門特化して、そこでオンリーワンを目指すものです。価格競争に陥らない競争力をつけて成長していきます。

3つ目は「ストック型ビジネスの強化・拡大」です。SIビジネスに偏りがちのため、ストック型ビジネスを拡大することにより、利益ベースで50対50の比率を目指します。そして4つ目は、「海外マーケットの拡大」です。

中期計画目標数値

秋山:中期経営計画の数値目標です。売上高の目標は今期162億円、来期170億円としています。この売上高の成長性が、日本の株価のようだと言われることもあります。

現在、新卒採用に注力していますが、人材獲得に向けてM&Aを積極的に展開していこうと考えています。今期から少し目線を変えたM&Aとして、人材の再教育を前提としたM&Aを行い、“人材を充当するためのM&A”を目標に掲げ、活動を続けています。

こちらが実現すると、年間30名から50名というかたちで要員が拡大する予定ですので、売上高が上振れするような成長が見込めると考えています。

経常利益については、今期はいったんしゃがみました。これは、社員への還元として、2年連続でベースアップを実施しているためです。

このような人的投資のほか、先行投資も含めて、今年は少ししゃがみました。しかしながら、「しゃがんだバネ」を利用して、ここから伸びていきたいと考えていますので、しばらくお待ちいただければと思います。

人材強化:採用者数の推移

秋山:採用者数の推移です。新卒採用数は40名に達したものの、再び減少したため、さまざまな策を打って、今年は47名に挽回しました。この策について、次ページ以降でご説明します。

人材強化:人材育成プログラム

秋山:1つ目の策は、人材育成プログラムです。階層別の研修やいろいろな外部研修を使い、既存の社員に向けての研修プログラムを充実させています。中でも「SOLXYZ Academy」という当社独自のオンライン教育プログラムは、コンテンツが相当数あるプログラムです。

オンラインのため、いろいろなところで研修が受けられるようになっており、社員は無料です。Javaの研修をはじめ、最近では生成AIの研修などがeラーニングで受けられます。このように、各自スキルアップを図っていける体制を整えていることを、採用でも訴求していきたいと思っています。

新卒社員について、入社後3ヶ月は新人研修期間として座学研修を行います。その後、配属先でOJTを実施し、およそ6ヶ月で有償化できています。それをできるだけ早めることで、収益に貢献していきます。そのためにも、このような人材育成プログラムの充実を図っていきたいと考えています。

トピックス

秋山:トピックスです。エフ社との連携を行い、グループ入りしてもらいました。売上高は3.1億円、営業利益は0.2億円です。

エフ社は証券系・金融系のトレーディング部門のシステム開発が得意な会社で、我々の証券部門や、グループ会社のコアネクストとのシナジーを見込んでいます。今後は、現在30名ほどの業容をさらに拡大し、グループの企業価値向上に寄与していただきたいと考えています。

トピックス

秋山:当社の「いまイルモ」が、「2024年度版小学校社会科資料集5年」に採用されました。現在、医療・福祉事業が注目を浴びており、小学生の間でも「ITを使ってどのようなことが行われているか」が学習されています。その一例として、「いまイルモ」が教科書の資料に採用されています。

これにより、親御さんの目に触れる機会も増えていくと考えており、さらなる利用促進につなげていきたいと思っています。

トピックス

秋山:エクスモーションから、生成AI支援サービス「CoBrain」が今秋にリリースされます。こちらは開発支援や要件定義のチェックをしてくれるサービスです。

トピックス

秋山:NGT48に所属していた元アイドルで、今は声優として活躍されている長谷川玲奈さんに出演いただき、採用に向けた広告を制作しました。TVerやYouTubeなどに配信し、就活生をターゲットに訴求した結果、多くの方の目に触れて、47名の採用につながったと考えています。

また、就活生に向けたコンセプト動画も制作し、そちらも採用活動に十分寄与していると思っています。

改めて、ソルクシーズグループの強み

秋山:以上、「金融に強いだけの開発会社ではない」という部分を見ていただきました。今後、ますます成長していく子会社も多く、FinTechやIoT、AI、CASE、クラウドにも注力し、これらの総合力でDXを支援していきます。

ソルクシーズグループはどんな会社?

秋山:スライドに示したとおり、我々は「DXで日本のビジネスを導く会社」で、支援する会社であると、みなさまに思っていただけたら今日のプレゼンは成功かなと思っています。

質疑応答:目線を変えたM&Aについて

kenmo:「目線を変えたM&Aをしていく」というお話がありました。もう少し具体的に教えていただけますでしょうか? 

秋山:事業部門の要望が厳しくなっており、「ある程度のスキルを持った即戦力でないと困る」という話をずっとされています。したがって、ある程度のスキルを持った会社との連携を目標にしています。

俎上に載るのがそのような会社ばかりになりましたが、クロージングまでいくことが少なく、ようやく今期、エフ社と合意できました。しかしながら、これでは時間がかかり、なかなか人も増えません。そのため、求めるスキルのレベルを少し下げて、事業部門が満足するレベルにまで再教育を施し、事業部門に還元しようと考えました。

このように、スキルのレベルを下げたM&Aを年間に複数回行うという考えのもと、今期から取り組んでいます。相手がいることですので、まだ実現できていませんが、なんとか実現したいと思っています。

質疑応答:経営資源の成長分野への集中について

kenmo:中期基本戦略に「経営資源の成長分野への集中」とあります。こちらは具体的にどのような分野なのか、また不採算部門の再構築にあたって大胆な人材配置転換などを予定しているのかについて、教えてください。

秋山:成長分野は、先ほどお話ししたFinTech・クラウド・CASE・IoT・AIの5分野を注力分野として、資金や人材といった経営資源を集中投資していこうと考えています。

不採算部門について、不採算が出てきた場合は、会社を合併させるといった判断が必要なときがあるかもしれませんが、今のところはまだありません。

質疑応答:子会社の業績立て直しについて

kenmo:「ノイマン、イー・アイ・ソルともに、今期は減収減益ですが、この先どのように立て直していくのでしょうか?」というご質問です。

秋山:ノイマンは毎年、第3四半期までは成績があまりよくなく、第4四半期で帳尻を合わせています。「この計画はどうなのか」と言われることもありますが、第4四半期に向けて、計画達成はできるだろうと考えています。

エクスモーションは先行投資が少し続いているため、時間がかかる可能性があります。しかし「CoBrain」の正式リリース以降は、コンサルタントを本来のコンサルティング業務に向けることができるため、徐々に元に戻っていくと思っています。

(追記:イー・アイ・ソルは、大型案件の期ズレが影響したものであり、実態として減収減益に陥っているわけではありません。むしろ増加傾向です。来期以降についても、NIなどのパートナーと組んで、航空宇宙防衛領域の拡大による成長が見込めます。)

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:企業向けオンラインストレージ事業が占める利益割合と、今後の推移見通しを教えて下さい。

回答:企業向けオンラインストレージ事業における、グループ全体での利益の比率はまだまだ低いですが、来年度以降、償却負担が逓減することから、今後、利益割合を伸ばしていきます。

<質問2>

質問:SIの人材募集は激化していると思うが、御社の採用状況と採用方法、採用後の研修方法、人件費上昇による業績への影響について知りたいです。

回答:IT人材を奪い合う市場の中、中途採用については苦戦しておりますが、新卒採用については、今年度・来年度共に計画どおりです。新卒メンバーは入社後3ヶ月間の集合研修の後、各部に配属され開発PJに入り経験を積みます。人件費の上昇は利益率の向上によりカバーしていきます。今年度は採用費・研修費の増加インパクトが大きいです。

<質問3>

質問:毎年中計を下方修正している中で、どのように来期以降の業績を達成するのでしょうか? 人件費が増えている中で利益率が上がる明確な理由を教えてください。

回答:事業別に分けてご説明しますと、ソフトウェア開発事業は堅調であり人件費増を一定程度カバーしております。コンサルティング事業は生成AI関連の開発投資が足元の損益を押し下げていますが、リリースした暁には増益寄与する見込みです。

ソリューション事業は、成長率が高いグループ会社が揃っています。クラウド事業の開発費の償却負担がまだ重いものの、損益は改善傾向にあり、イー・アイ・ソルは航空宇宙・防衛関連に注力することで売上拡大へ、ノイマンはベトナム事業を横展開することでさらなる拡大が見込まれます。

繰り返しとなりますが、それぞれの得意とするマーケットでの成長により、来期以降の業績達成は可能と考えています。

<質問4>

質問:第3四半期から前期比増益にならないと今期目標は達成しませんが、達成可能なのでしょうか? 新卒は第3四半期からどの程度収益化に貢献しているのか、また人件費が増加した分の価格転嫁はできているのかお聞かせください。

回答:期ずれの大型案件が取り込まれることで達成することを見込んでいます。新卒の収益化・戦力化は第4四半期から貢献する予定ですが、予算には織り込んでいません。先行開発投資や採用費などのコスト増で見え難いですが、着実に価格転嫁は進んでいます。

<質問5>

質問:以前社長は自社の株価を割安だとおっしゃっていましたが、ではなぜ自社株買いや優待などの株主還元の拡充などを実施しないのでしょうか?

回答:自社株買いについては、効果が一過性のものに終わってしまう可能性があることから、できるだけ計画的に進めたいと考えてます。また、株主優待についてもいろいろなお声を頂戴していますので、今後検討していきます。

<質問6>

質問:グループ会社の役割の部分は社内カンパニー制度のようなものというイメージでよろしいでしょうか?

回答:独立性を保つという意味では社内カンパニー制度に近いかもしれません。グループ各社の特徴・文化など個性を活かしながら共存していくことで、グループ全体の企業価値向上に努めています。

<質問7>

質問:どんなスタンスの投資家に投資してもらえると嬉しいですか?

回答:多くの投資家さまに保有いただきたいですが、特に中長期的な視点で末永くご支援いただける投資家さまに保有いただきたいです。

<質問8>

質問:「CoBrain」はどこまで拡販できると考えていますか? 見込みを教えてください。

回答:β版リリース以降、多くの方にセミナーにご参加いただくなど、お客さまの関心は高く、自動車メーカーさまからサプライヤーさままで、幅広くご利用いただけると考えています。

<質問9>

質問:将来的にストックの比率を50対50にするとありますが、具体的にいつまでに実施するのでしょうか?

回答:現段階ではクラウド事業の収益化が遅れているため、時期について言及できませんが、来年度以降はストックビジネスの増益基調継続を実現していきます。

<質問10>

質問:優秀な人材の確保は必須だと思いますが、現状の採用状況はいかがでしょうか?

回答:中途採用は競争が激化し苦戦しておりますが、新卒採用については、昨年から開始しているTVerやYouTubeなどの動画広告効果もあり、計画どおりに進んでいます。

配信元: ログミーファイナンス

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